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『ロマンス詐欺』なるものに引っかかった四十路の末路②@現在進行形~踊る阿呆に見る阿呆~

 (承前)

 あたりまえでいて、意外と認知されていないことを書いておくと、本日、交番の方に教えられたのは、「警察署は事件化して犯人を捕まえる」ことしかできないということだ。(実際はもう少し複雑な手続きがあるが、各都道府県の警察署によって異なるかもしれないし、警察署特定の可能性もあるため、このていどにとどめておく)
 つまり費やしたお金を取り戻すには、対応可能な「別の組織」を自分で探して対応しないといけないということだ。仮に犯人が捕まったとしても、お金が戻るわけではないのである。
 どうでしょう? ひとつ勉強になったでしょうか。いや、そんなこと知っていると、これまで無知だったおっさんをせせら笑うでしょうか。
 いまのところ、このお金を取り戻すための「別の組織」は見つかっていない。もうインターネットで出てくる広告すべてが嘘に思えてきてしまい、探せないのである。警察への相談でも「詳しく紙に書いてくれ」というレベルの話を理解できるひとは、はたしてどこにいるのだろうか。
 そしてさらに運が悪いことに、つぎ込んだお金の大半は「借金」である。
 いまはスクリーンショットを撮っている時間すら惜しいので、事実の羅列に留めるが、某DCカードで900,000-(単位はすべて円、以下同)、楽天のカードで800,000-、三菱東京UFJ銀行のローンカードで1、000,000-、住友銀行系列のカードで1,500,000-、自分の貯金で250,000、これは後述するが知人からの借金が300,000-、せしめて4,750,000-である。漢字で書くと四百七十五万円である。(追い追い後述するが、ドル換算にすると五百万円を超える)
 カード会社もわんさか。ゆくゆくはカード会社別の対応を書いていくのも面白いかもしれない。本日少し進展があったとすれば、これも会社によって天地の差がある。安易にクレジットカードばかり持つものではない。借りる先のことを、カードを契約するときは見極めたほうがいい。
 それにしても、こんな大金、家を買う時ですら支払ったことがない。
 しかし金額を具体的に書いてみてどうだろうか。少しは現実味が湧くだろうか。ニュース15秒で片づけられる話の裏にも、いろんな話があって、そこに人間が介在していると質感を伴って理解できるだろうか。いや、ただ笑われて終わりか、憐れまれるか、蔑まれるか……。
 それはぼくの知るところではないが、これだけのお金を2か月足らずで失ったのは事実である。仮に「ロマンス詐欺」なるものの体験談が出てきても、金額を具体的に書いている人は少数派だろう。この国は、お金に関する話と後ろめたいロマンスはともに話題としてタブーである。だからそこをうまく突いてきたなと思える。
 そう、つまりぼくは自己破産して今の家を追われるかもしれないし、個人再生してクレジットカードが使えない生活を強いられるかもしれないし、全額は取り戻せなくても、何割かは返ってきて、勉強の対価として支払っていくかもしれないし、それはいまのところ判らない。なんといっても、現在進行形の下卑たルポルタージュなのだから。

                 (以下、次回。)

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