柿とみかんと八朔と
明日は健康診断だ、ということをさっき思い出して、早く晩ご飯を食べなきゃとオフィスを出たら、今夜はなんだか寒くない。そういえば朝のニュースで今年は暖冬だって言ってたっけ。
いつの間にか雨も降ったようで、地面が濡れている。全然気づかなかった。空気も心なしかしっとりとしている。
桜の葉はずいぶんと散って、鮮やかに道を染めている。歩くとしゃくしゃくと心地よい音がする。落ち葉の音、好き。
オフィスで仕事をすることが多いわたしは、平日、外で過ごす時間がものすごく短い。自宅と会社の往復と、あとはお昼を買いに出る時ぐらい。
その短い時間の中で、気温や、空気や、草花の様子、季節の些細な変化に気付ける時は、比較的、心の余裕がある時で。ひとつのバロメーターになっている。今日は仕事は詰んでいるけれど、たぶん、気持ち的には大丈夫。
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季節、と言えばこの時期になると(厳密には11月下旬だけれど)毎年、奈良からわたし宛に柿が届く。小学校の同級生のNくんの実家が西吉野の柿農家で、母が今でもそこのお母さんと仲良くしていて、お歳暮がわりに毎年、母が注文して送ってくれるのだ。びっくりするくらい大きくて、甘くて、わたしはそれを会社に送ってもらって、上司やチームメンバーにお裾分けするのが恒例になっている。Nくんちの柿が届くといつも、ああ、今年もあと少しなのだなあと実感するのだ。
去年の日記
時を同じくして和歌山の実家からは段ボールいっぱいのみかんが届き、これも食べきれないので会社で配り、年が明けたら今度はまた実家から大量の八朔(はっさく)が届きはじめるのでそれもまた会社で配り。会社でわたしは"よく果物を配っている人"のポジションを確固たるものにしている。母よいつもありがとう。八朔を育ててくれるおばあちゃんもありがとう。
なんの話だっけ。
そう、季節の話。
せっかく四季のある国に住んでいるのだから、四季を五感で楽しみながら生きたいな、と、いつから思うようになった。これからもそれは大切にしていきたいし、大切にしていかなきゃな、と思っている。そのためにも、こうやって文字で残していくことや、写真を撮ることを、積極的にやっていきたい次第です。