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「目的」は忘れ去られてしまう■□下田コラム□■vol.62

久しぶりに沖縄に行ってきました。

沖縄でハンバーガーといえば、A &W。
沖縄県内にしかなく、沖縄県ではとても有名なハンバーガーチェーンです。特にハンバーガーが食べたいわけではないのについつい寄ってしまいます。そのA &Wが提供している飲み物で、ルートビアという飲み物があります。ドクターペッパーのような味で、好みは別れますが、ハマる人にはハマる。私もハマっている人の一人です。

沖縄に旅行に行く人の中には、ルートビアを飲むことを楽しみにしている人も少なくありません。

そんなルートビアにまつわることで、いつも不思議に思うことがあります。

ルートビアはお替わりが自由なのです。
つまり、飲み放題。

それなのに、サイズがS・M・Lと3サイズあるのです。もちろん、値段が違います。

一説には、テイクアウトはお替わりできないので、テイクアウト向けにそうしているのではないのかという話もあります。

しかし、それならば、サイズが異なっても値段は一緒で良いと思うのです。

なぜ、お替わり自由なのに3サイズあるのか?

この答え誰か知っている人いますか?

明確な理由があるのならば、いいのですが、私が想像するに、昔は何か意味があったが、今では3サイズある意味が失われているのではないかと思っています。

そして、ふと思ったのです。

物事は、その「目的が大事である」と。

どんなものでも、当初は目的がはっきりしており、その目的達成のための手段としていろいろな方法やサービスがあります。

しかし、時の経過とともに目的が失われ、手段だけがずっと残ってしまうことがあるのです。

特にそうなりがちなのが、当初から目的が関係する人に徹底周知されていなかった時です。

そもそも、目的が曖昧なままスタートする場合などもあります。

このような時は、当初の目的が消えても、手段だけが残り続けることがあります。

これは、人事労務の世界でも多くあることです。
特に多いのが、人事制度です。

人事制度とは、評価制度や賃金制度などのことを指します。

制度導入時は何か目的があって、制度を入れます。

大きな目的は、事業の継続・発展です。

そして、その目的を達成するための小さな目的として、従業員の働きがい・やりがいの向上、能力の向上、生産性の向上、企業文化の醸成などがあります。

しかしながら、目的はどの企業も同じではありません。おおよそは同じであっても、企業によって、重視するポイントが異なったりするわけです。

そのため、事業の継続・発展のための小さな目的は企業によって異なってきます

また、時の流れによっても異なってくるのです。

例えば、創業からまもない企業で、まだ企業自体の存続が危うい時には、目の前の生産性向上に力点が置かれます。しかし、業績も安定してくると、長期的視点が必要になってきます。

マネジメントできる人が必要になってきます。そうすると、育成に力点が置かれるようになってきます。また、能力の高い人を中途で採用するようになるため、その人が活躍できる仕組みも必要になってきます。

それに従い、人事制度も変えていく必要があります。

制度はあくまでもツールに過ぎないので、目的が変われば、それに合わせて変える必要があるのです。

しかし、世の中を見回してみると、目的が変わっているのに、その手段である人事制度は昔のままであることが多いのです。

それは、大手企業であっても同様です。
すでに働く人の価値観も世の中も変わっているのに、いまだに職能資格制度を維持している企業はたくさんあります。そして、その多くが、人事制度が機能していないと言いながら変えていないのです。

つまり、「なんのためにやっているのか?」が忘れられてしまっている状態です。

人はその事柄の中に入ってしまうと、目的を忘れがちです。
人事労務の世界でも、「目的」を日々忘れないことが大切なのです。

人事制度は、ある程度の期間、同じ仕組みで運用されることが多いですから、当初に掲げていた「目的」が見失われがちです。絶えず、そこに立ち返る仕組みを作っておくようにしましょう。

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