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自分の立ち位置と事業構想■□下田コラム□■vol.99

最近、事業構想へのアドバイスを求められることが多い。
自分自身が事業構想をまとめ上げる側に立つ機会もあったりする。

その中で、自分の立ち位置を改めて考えさせられる。

立ち位置といっても職業上のポジションではない。
自分の今までの経験の中で培ってきた立ち位置だ。
もちろん、その中には職業上のポジションがあったからこそ見えているものもあるのだが。

私は、2002年の時に28歳で社会保険労務士を始めた。
それから20年以上この仕事をしている。
だからここでの経験が自分の中の大部分を占めている。

その間に5年弱、東京にオフィスを残しながら沖縄に移住した。
ワーケーションの走りのようなことをやっていた。
沖縄ではカフェを開き、地域コミュニティづくりのようなこともやった。

学びという視点からだと、陽明学も学んできた。


そして、これは本当にご縁としか言いようがないが、多くの人がなかなか会うことができない世界規模で影響をもたらす何かをやり遂げた人生の先輩たちと出会い、対話をするような時間がたくさんあった。

そんな僕のバックボーンは、経営者ではない。学者でもない。
社会保険労務士と名乗っているが、その王道をいっているわけでもなく、そうすると社会保険労務士でもないような気もする。
ただ、この仕事をしているおかげで、多くの企業を見ることができた。
しかも、業績とかビジネスモデルとかお金の部分からではなく、という部分から見ることができた。
つまり、そこに集う人が「どうやったら幸せになっていくのか?」という視点から企業というものをたくさん見ることができた。
ここでいう人には、働く人だけではなく、経営者も含んでいる。

そんな自分を振り返ると、なんとも不思議な立ち位置だと思う。

だが事業構想を考えるとき、その不思議な立ち位置がとても良いものになっていることに気付く。
特に人の事業構想にアドバイスする時が役立つ。

僕は、その事業がどうやったら最大限の利益を出すのか?というところにはあまり強くない。
しかし、その事業が発展していった先にどこまで関わる人の幸福が広がっていくのか?については、人より鮮明に、そして深く見ることができる。

関わる人とは経営者や従業員だけではなく、お客様、取引業者、地域、将来世代などだ。
その広がりが見える。

これらは、多くの分析手法やフレームワークで見える実務的なものではなく、もっと「おおもと」のところだ。
フレームワークで分析して理論的に導き出すのでは、常識の範囲内での答えしか出てこない。
それを超えるところにある幸福の広がりだ。
まさに良知が導き出す世界の話だ。
フェリシモの会長だった矢崎勝彦さんから、このことを「内発的良心の発揮」と言うと教えて頂いた。
「お前にはそれがある」と言って頂いた。

この広がりが大きければ大きいほど、周辺者への幸福の広がりと持続性が長いビジネスになる。

そんな角度からのスパイスをちょっと振りかけて事業を構想すると、それは幸福感広がる永続的なビジネスが作っていけると僕は確信的に思っている。



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