やれない理由を考える会社 やれる方法を探す会社■□下田コラム□■vol.67
会社には体質があります。
それは、過去から現在まで携わった人達の意識の集合体から生まれるものだと思います。
それぞれの人が持った意識が集まり、場の方向性のようなものを決める。そして、意識が集合することにより、強化されていきます。
コンサルティングや研修の現場では新たな取り組みをご提案させて頂く時もあります。
その中には、取り入れるのにはハードルが高いものもあります。
そういった提案に出会ったとき、会社の反応は二種類に分かれます。
やれない理由を考え否定から入る会社と、どうやったらできるだろうかと考えるところからスタートする会社です。
圧倒的に前者の方が多いのですが、後者のような会社もあります。
最終的に、提案を取り入れるか否かは別の話なのですが、成果を上げていき、組織を変えていくのは後者の会社です。
なぜなら、「できる方法は?」と肯定的にとらえて、考えることによりさまざまな発想が生まれるからです。
「提案のままにはできないが提案の意図が~~にあるのならば、うちの会社ではこんな風にしたらいいのではないか」と考えたりできるからです。
先日もこんなことがありました。
社員間のコミュニケーションに課題を抱えている会社がありました。
その会社にプラスのストロークを社内に増やそうと話しました。その方法として、2週間徹底的にターゲットを決めて、その人にプラスのストロークを多く出すということを提案しました。
ストロークとは専門用語ですが、イメージとしては、その人の心がプラスになるような声掛けを積極的にする感じです。
それに対して、A社は、
「大変」
「そんなことをしても意味があるのか」
「そんなことに携わっている時間はない」
「意図的にやったらわざとらしくてかえって関係性が悪くなるのではないか」
そんな否定的な声ばかりがあがりました。
一方、B社は、
「ひとまず2週間やってみよう」
「2週間後に全体ミーティングがあるからその場で成果を共有しよう」
こういう声が多くあがりました。
結果は言わなくてもわかりますよね。
A社は、結局行動しません。よって、社員間のコミュニケーションが悪いという課題は改善されませんでした。
B社は、すぐにやってみました。
2週間後、大きな変化までとはいかないものの、
社員間の会話量が増えた。
今まで、上司に積極的に相談してこない部下が相談に来た。
「おはよう」「お疲れ様」という声に元気で張りがある人が増えた。
といった声があがってきました。
そして、ストロークには意味があると実感し、今後も続けていこうとなりました。
みなさんの会社はどうでしょうか?
「やれない理由を考える会社」でしょうか?
それとも
「やれる方法を探す会社」でしょうか?
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