Traveler's Voice #23|山縣寛
Traveler's Voice について
Traveler's Voice は特別招待ゲストの方からエスパシオに泊まった感想をインタビューし、読者のもとへ届ける連載記事です。この企画の目的は”自分ではない誰か”の体験を通して、エスパシオを多角的に知っていただくことと、ゲストが日頃行っている活動を合わせて紹介するふたつの側面を持っています。ご存じの方も多いと思いますが、エスパシオは「いつか立派な観光ホテルになる」と心に誓った山口市にあるラブホテルです。この先どんなホテルに育っていくのか、まだ出発地点に立ったばかりですが、この企画を通してゲストの過ごし方や価値観を知り、計画にフィードバックしたいと考えています。インタビュアー、執筆、カメラマンを務めるのは「エスパシオ観光ホテル化計画・OVEL」を進めているプロデューサーの荒木です。それではインタビューをお楽しみください。
ゲスト紹介
Travelers Voice 第23回目のゲストは山縣寛さんです。山縣さんは20歳から靴磨きに魅了され、大学での学業や建設コンサルタントで勤務しながら「靴磨き」活動されていました。2023年に建設会社を退職し自身の夢であるシューシャイナーへの道を歩むべくロンドンへ留学します。今後も海外経験を積むために2度目の渡英を計画しながら、山口県で「靴磨き職人・シューシャイナー」として活動しています。寝ても覚めても「靴磨き」に真っ直ぐな山縣さんに、今後の夢について熱く語っていただきます。
山縣さんが泊まったお部屋紹介
山縣さんに宿泊していただいたお部屋は407号室です。薄いピンクの部屋から見える山の緑、ゆったりとしたソファスペース、エスパシオでは2番目に広いコーナーダブルのお部屋です。
インタビュー
Araki:おはようございます。本日は泊まりに来てくれてありがとうございます。えっとー雑談しながらゆるりとインタビュー始めますが、ひとまずフルネーム教えてください。みんな「がったん」と呼んでいるので実はまだ名前を知りません 笑。
Yamagata:いつの間にか<がったん>というニックネームが定着していますが、本名は山縣寛です 笑。
Araki:漢字3文字の名前って格好いいですね、憧れます。昨日少し言っていましたが、エスパシオには何度か来られたことがあるんですね。
Yamagata:半年くらい前からときどき利用させていただいてるので今日で3回目の来店になります。エスパシオの存在は高校生の時からずっと知っていました。スクールバスの通学路だったので、あの頃は「あれが俗に言うラブホテルか」という感じで認知していました。実際に足を運ぶことになったのは、街中にあった赤い看板が気になって調べ出したことがきっかけです。調べているうちにリアルに確かめてみようという好奇心が湧いてきて、初めて利用したのがちょうどロンドンから帰ってきた半年前です。
Araki:赤い看板の噂は街の人からもよく聞きます。すっかりネット社会になったからリアル看板の有効性には半信半疑だったけど、地方は車社会だから絶大な効果があるんだなと驚きました。今回でエスパシは3度目と言うことですが、感想を聞かせてください。
Yamagata:体験してみた感想は、ラブホテルの名残りは感じつつ、それでいてロビーにアート作品が複数展示されていて、それもただ展示しているだけではなくちゃんとアートキャプションもあったりして、なんだろう、古さと新しさが融合した刺激的な空間で、山口ではなかなか出会えない世界観に驚きました。部屋に入ってもラブホテル特有の閉鎖性がありませんよね。ラブホテルって心理的にもルール的にも「閉じ込められてる感」が凄いじゃないですか、風や光が絶たれた空間って苦手なんです。ここはシステム的にはラブホテルのままだけど開放的であることが気に入っているので愛用させていただいています。ラブホをこのようにアップデートする発想って前例があるんですか。
Araki:探せばあるのかもしれませんが、エスパシオのようにアップデートできているラブホテルは見たことがありません。自画自賛になってしまうけど、山口在住のラブホテルユーザーは恵まれていると思います 笑。
Yamagata:ここって築30年くらいですよね。ということはラブホが栄えた時代の少し後に建てられているから、時代を象徴する古い建築という印象はなく、だからかもしれませんが新しい価値観と無理なく接続できていると思います。特にラブホに詳しいわけではないんですけど、学生時代に「ラブホと街づくり」というタイトルの論文を読んだことを思い出しました。
Araki:建築学科で必ず出てくる「ラブホ論文」 笑、なかなか役に立ってますね。山縣さんは大学では何を学ばれたんですか。
Yamagata:大学では建築と土木と都市計画を学びました。大学は千葉だったんですけど、卒業後山口に帰ってきてから建設コンサルタント会社へ就職し、宇部市で地図をつくるための測量士をしていました。ちょうど去年の夏までそこで勤めていたんですけど、新しいチャレンジをするために退職し、去年の9月から半年間ロンドンへ語学留学に行くことになります。今年の2月に帰国してからはバイトしながら週末に靴磨きしをして、再びロンドンへ行くための資金を貯めているところです。計画では来年にワークホリデーを活用して2年間滞在する予定です。
Araki:ロンドンいいですね 笑。ぼくは兄がロンドンへ留学していた関係で30年ほど前に訪れたことがあるけど、あれから大分変わったんだろうな。
Yamagata:でもあれなんです、最初はマンチェスターに3ヶ月滞在してからロンドンへ転校したんです。学費や生活費が安いこともあってひとまずマンチェスターを選んだのですが、結局本命のロンドンへ転校することになりました。留学の目的は英語に慣れることと次回また訪れた時のために「靴磨き」のコネクションをつくることでした。
Araki:靴磨き目的だったんですね、その夢はいつから温めていたんですか。
Yamagata:ロンドン行きを決意したのは去年の夏ですが、靴磨きは20歳からやっていました。もともとカチッとしたトラッドファッションが好きで、その流れで革靴と出会うことになります。その中で何故かファッションそのものではなく革靴に関心を持ち、さらにそれが磨くという技術への関心に移り変わっていきます。
Araki:トラディショナルに関心を持ったきっかけは何ですか。
Yamagata:父親の考え方が影響していると思います。流行に左右されないトラディショナルな物はサスティナブルでもあります。20歳に買ったものを60歳になっても着続ける価値観に惹かれているんだと思います。そういった人と物との関わり方を父から受け継いだこともあるけど、もしかすると姉から服装がダサいと散々言われ続けて育った反動も影響しているかもしれません 笑。そして、気が付いたら革靴の「手入れ」という作法に魅了されていました。これは靴に限ったことではありませんが、「手入れ」は物と永く付き合うために切り離すことのできない行為だから、この技術を習得することに誇りと喜びを感じています。その喜びを誰かに伝えたいと思い始めたことが、友達の靴を磨くことでした。測量士をしていた時も3ヶ月に1度くらい美容室を間借りして靴磨きするそんな生活をしていました。
Araki:手入れに美意識を感じることはとても日本的ですね。メンテナンスと言ってしまうと何だか作業的になってしまいますから、日本語の「手入れ・TEIRE」という独特の美学を海外に発信できたらいいですね。ところで、靴磨きする人って何と呼ぶのがスタンダードなんですか。
Yamagata:日本語では「靴磨き職人」、英語では「shoe shiner・シューシャイナー」です。
Araki:シューシャイナー!格好いい。留学先にイギリスを選んだのはシューシャイナーになるためですか。
Yamagata:イギリス留学という発想が出てきたのは、コロナ禍で自分のことを考える時間が増えたことが要因だと思っています。そんな中、色んな人の働き方を調べていたら副業という選択肢にたどり着いて、もし副業するなら靴磨きがいいなと思ったんですよね。年齢的にも新しい技術を習得するにはラストチャンスのような気がして、そう決めてからはできるだけ多くのイベントに参加して活動の幅を増やしていきました。もちろん革靴を履く人が減っている時代なので不安はありますが、それよりもやりたいという想いが上回って退職に至ります。そこから具体策を練り出すんですけど、ロンドン行きを思いついたのはこの頃です。なぜロンドンだったかと言えば、やっぱりトラディショナルで真っ先にイメージできる国であることと、何となく僕の探している価値観がロンドンにあると思ったんです。
Araki:行ってみてどうでしたか。
Yamagata:いやあ成果は大きかったです。路上で「FREE」という看板を掲げて靴磨きしていたら、テーラードショップの店主から「うちの店で磨きなよ」と声をかけられたり、トラディショナルな街として有名なジャーミンストリートの靴屋さんから「ぼくの店で靴磨きしないか」と声をかけられたり、色んなチャンスが舞い込んできました。でもぼくは観光ビザで入国していたので労働がバレるリスクを考え断念したんですけど、今でもめちゃくちゃ心残りがあります。声をかけてくれたことは確かに成果と言えるんですけど、快諾できなかったことにメンタルがやられて、落ち込んだまま帰国した足でふらっと立ち寄った紅花舎で荒木さんと会ったんですよね。
Araki:なるほど、そんな心境だとは露知らず 笑。ファッションを学ぶために渡英する人は多いと思うのですが、靴業界だとフットザコーチャーが有名ですよね。ロンドンにはシューシャイナーが沢山いるのでしょうか。
Yamagata:いや実はその逆で、コロナ禍でシューシャイナーがいっきに減ったこともありますが、なんとロンドンでシューシャイナーと呼べる人は4人しかいないんですよ。オリンピック以降地価が高騰してシューシャイナーでは生活が維持できなくなり、地方へ移住したり或いは転職した人が多いようです。それと英国では文化的にシューシャイナーは階級社会の表れのようなところもあって、昔ながらのスタイルが維持できない難しさがあるのだと思います。なので今活躍しているシューシャイナーは靴を染め替えるような芸術性<アート>を売りにしている人もいます。磨くことが労働から表現に変わってきているのかもしれません。
Araki:えっ4人しかいないんだ、驚きです。確かに階級社会の表れではありますね。とはいえまだまだ革靴を愛用する人は多いと思いますが、革靴愛について日本と差はありますか。
Yamagata:革靴が道具として浸透していると思いました。磨いているときに「この傷は消さないでくれ、思い出があるから」と言われたり「あんまりピカピカに光らせないでくれ、俺と同じでこいつも歳を重ねているから」そんな風に、自信と靴の関係性を語ってくれる人が多いんです。なんだろう、彼らにとっては身体の一部でありつつ生きてきた痕跡のようなものかもしれません。
Araki:なるほど、道具というより「親友」みたいな感覚ですね。そういう感覚が一般化されているのならそれは凄いことだし、シューシャイナーの責任も重大になってきますね。
Yamagata:そうですね、メンテナンスや修理といった感じではなく、親友である靴の話を聞きながら「技術をもって愛でる」ような行為です。
Araki:なるほど、ちょっとしたメンタルクリニックですね。では日本と英国で技術の差はあるのでしょうか。
Yamagata:技術で言えば日本が非常に高いのですが、向き合い方が全く違うのでイギリスの靴磨きの方が断然楽しいです。それと日本はチェーン店が多くてどこに行っても靴を磨けますが、これって実は珍しいんです。だからと言って靴磨き大国の日本でキャリアを積むことに興味を持てず、新しいスタイルを見つけるために旅することを選びました。僕はただ靴を磨きたいのではなく、靴磨きという作法をとおして人と物との関係性を問い直したいのかもしれません。まだその方法を見つけることはできていませんが、来年再訪するロンドンでの経験が活きることを期待しています。まあ、もしうまくいかなくても大きなチャレンジをしたという経験を得ることができるので、結果云々ではなくチャレンジすることに意義があると思っています。
Araki:おおー熱いですね、そういうの好きです 笑。それにしても日本は靴磨き大国なんですね、英国でのシューシャイナーは日本の修理屋さんとは違い磨くことに特化しているのでしょうか。
Yamagata:そうです、リペアではなく磨きに特化しています。シューシャイナーとリペアは違った職種になっていて、もちろん修理屋でも磨きサービスを行っているところはありますが、磨きは気持ちを入れるような儀式<清める>ことなので、シューシャイナーという特別な職業が成立しているんだと思っています。
Araki:手入れ、清める、入魂、なるほど色んなキーワードが出てきましたね。何だかぼくも新しい価値観を与えたくなってきました 笑。日本では山縣さんのような価値観で靴磨きをしている人、或いはコミュニティーはないのでしょうか。
Yamagata:狭く熱く盛り上がっているコミュニティはあります。スターシャイナーと呼ばれるカリスマもいるし百貨店が主催するコンテストもあります。日本における現在の靴磨き技術を構築した第1人者の方が、靴磨きを茶道のような「道」にしたいという思想を語っていたり、一方で高級でハイエンドなサービスにしたいという人もいたり、はたまたそのカウンターで敷居を下げたいという人もいます。このように多様な価値観が出てくる現象を見ていると、靴磨きが新たなステージへ移り変わっていく過渡期に遭遇しているような気分になります。
Araki:そうかもしれませんね、どの分野でもパラダイムシフトの直前は複数のアイデアがぶつかり合う現象があります。「道」vs「ハイエンド」どちらが勝つんでしょうね。ちなみに「道=型」の文化は自由表現ではないのでアートになり得ないという話があります。だからアーティストを目指す華道家は「道」を捨てるんですよね。一方で、スペシャルティコーヒーなどは明らかに「道=型」の文化を使った例だと言えるし、それを「ルールの中で楽しむゲーム」と言い換えることもできます。ルールで縛ることでコンテストが可能になりその界隈が盛り上がるという仕組みがあります。だから一概に敷居を下げて多様であれば良いとは言い切れないんですね。
Yamagata:なるほど。文化を継続するにはどっちが大切なんだろう。
Araki:文化は放っておけば移り変わっていく物なので、型によってパッケージ化することにも意味があるだろうし、概念だけを抽出して時代に合わせて変化させることにも意味があると思います。どちらも大切ってことかな。ビジネス的に考えれば、主戦場をどちらにするかは自由ということになります。それにしても、靴ってポジティブな意味が内包されていますよね。歩くこと、走ること、跳ねること、立ち上がること、それらを支援しています。
Yamagata:そうですね、文字通り足元から身体を物理的に支えているが故に自ずと精神的なケアもできているのだと思います。ただの道具ではない関係性に気付くことで感情を育むことができるアイテムですよね。愛でる愛でられの相互作用で靴も心もキレイになる、そんな風に捉えています。
Araki:靴ってシェアできないから自ずと所有感が強くなります。だから持ち主に代わって愛でることは「大切な命を預かる」ようでもあり、素晴らしい行為だと思います。
Yamagata:そうですね、それに加え靴は個人の想い出に寄り添うことのできるアイテムだし、地面に接しているから汚れやすい傷みやすいという特徴も愛でる行為を誘発させる要因になっていると思います。
Araki:なるほど、では靴が支えている移動や歩行についてどのように考えていますか。
Yamagata:僕は移動や歩行よりも姿勢に関心があります。足に合った革靴を履けば姿勢がきれいになります。レザーソールにすればそれはより如実に表れます。スーツやネクタイなども同じだと思いますが「佇まい」を作るためのアイテムって何だかグッと来るんですよね。
Araki:ジェントルマンが好きなんだ 笑。でも時代の流れから考えると「脱フォーマリズム」が席巻しています。ファッションはよりカジュアルになる傾向があって、その為にテーラードの形を変えたり、着こなしや素材を変えたり、ジェンダーフリーの服がでてきたり、時代の価値観は明らかにそっちへ向いています。とは言えトラディショナルな物へのリスペクトがない訳ではなく、みんな「型を崩す」ことに一生懸命な時代なんだと理解しています。パンツの裾を切らないとか、スーツにスニーカーやリュックを合わせたり、これって型があるからできる崩しなんです。ではなぜ「型崩し」をするのかと言えば、型ってようは美学なので多様性がないんですよね。比較によって頂点を目指すものが「美」ですから、その時代は近代で終わりポストモダンという時代に生きているのが僕たちです。そんなカジュアル化は物だけでなくあらゆる場面で見ることができますが、人で例えれば、美しさではなく「可愛い」という概念がひとつの発明です。でもそれは「美」という支えがなければ成立し得ないことなんですよね。
Yamagata:なるほどそれを踏まえ、差異を求めるのが日本の靴磨きだとすると、そうではない「ぼくなりの型崩し」を見つけることができればいいのかもしれませんね。日本の靴磨きの技術は世界最高レベルなので、その技術をイギリスへ持っていき、英国の価値観とミックスさせることで新しい価値を作れるかもしれません。そしてそれを再び日本へ持ち帰る。
Araki:何回逆輸入してるねん!って話になりますね 笑。ではでは、靴から少し離れて他の興味関心についても教えてください。
Yamagata:いきもの、生物多様性に興味があります。生態ピラミッドが維持された世界がやっぱり美しいと感じていて、そういう価値観もあり今は造園屋さんでバイトをしています。コロナ禍でも人に会えない代わりに、川や山に入って生き物を収集したりしていました。
Araki:美しい生態ピラミッドってようはバランスを保つことですよね。そしてそのバランスが崩れないように人が介入して調整する。これって靴磨きとも通ずるものがありますね。山縣さんの中には絶対的なバランスがあり、それを維持するために活動しているように感じました。
生物も社会も多様性が崩れゆく時代だからこそ理性によって多様であることを維持しようともがいている時代なんだと思います。でもこれって本能と反する部分もあって、共感っていったい何だろうと考えることがよくあります。例えば商業はより多くの共感を求めるけど、より多くの共感を獲得するということは多様でないことの表れでもあります。
Yamagata:そうですね、すっかりグローバル化が浸透してしまって、大きな資本が街をつくっている印象があります。山口でも個人商店がどんどんなくなっています。
Araki:そうですね、でも「多様ではない時代に文化が形成された」と考えることもできて、島のなかに閉じこもってみんながひとつの価値観で生きることでユニークな文化が醸成されたとも言えるんですよね。何だか込み入った話になってきたので、最後にふわっとした話で締めくくりたいのですが、えーっと、旅行は好きですか 笑。
Yamagata:好きですよ 笑。でもいわゆるツアーではなく本能に従う旅が好きです。街の都合で決められた効率の良い観光にはあまり興味がありません。そうそう、去年青森に行ったんですけど、友達と車に乗って24時間かけて青森まで辿り着きました。この旅の記憶を振り返ると、道中そのものが旅だった言えます。千葉で友達をピックアップしたり、予定変更して岩手に寄り道したり、つまり感情に身を任せる旅に魅力を感じているのかもしれません。沢木耕太郎の小説「深夜特急」が好きなんですよね、あの小説もシルクロード経由でイギリスにたどり着く話です。
Araki:目的ではなくプロセスを楽しみたいんですね。では、出身地でもある山口はどんな街になってほしいですか。
Yamagata:ここで育ったから感じることなんですけど、萩、長門、美祢、下関北部のような個性は維持してほしいです。場所それぞれに個性があることが山口の良いところだから、画一的な価値観に染まらないでほしいとは思います。
Araki:なるほど、分散化は問題として挙げられるけど、この街で育った人からすれば、分散化することで醸成された文化や価値観の複数性に愛着があるんですね。さっき話していた「閉じることで醸成された文化」が山口県の中にいくつも存在していて、それを維持しながら経済を活性化させるためにはやっぱり観光しかないのかもしれません。その観光は山縣さんが好きな気ままな旅とは違っていますが、まあでもそれしかないのかもしれませんね。シティシャイナーになって街でも磨きますか 笑。
Yamagata:シティシャイナー、怪しいビジネスの匂い 笑。
Araki:あっそうそう、最後にまとめのように言っておきますが、このインタビューで出てきたキーワードとして、磨き磨かれ、手入れ、清める、佇まい、生態ピラミッド、バランス、いろいろ出てきました。これらを繋ぎ合わせて新しい地図を描ければいいですね。ではでは、本日はありがとうございました。またいつかどこかで、靴磨いてください。ああそれと最後に、山縣さんの格好いい動画を見つけたのでここに貼っておきます「shoe shine」ここまで読んでくれた読者のみなさま、がったんを応援しましょう!
day of stay:August 8, 2024
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