【言語心理学】「だから~」
この言葉をよく使う人シリーズ、今回は「だから~」をみていきます。
■「だから~」を多用する人
話の結論に結びつける接続詞としての「だから~」です。
文中に使われる場合は関係ありません。
■「だから~」を多用する人の心理
「だから~」を多用する人は、
と、心の声が言っているわけです。
イヤミなどで「だからぁ」と語尾を延ばした言い方を考えてみるとわかりやすいでしょう。
「だから~」を多用している人は
という2つの傾向があります。
付き合いが長い傾向にある場合は、無意識のうちにその言葉を連発しなくてはならないほど、その相手の理解の悪さにうんざりしているという心理があります。
誰にでも「だから~」を言う人は、相手云々ではなく、自分が理解されないことを認めないために、この言葉を使うことで相手を下げ、自分は間違っていないんだという、自分を守るための防御の心理の表れです。
これは【弁解】といういいわけの種類です。
これと似たケースに、
自分を常に高い位置に置き、満足したいために「だから~」を使う人がいます。
この場合も、誰彼構わず多用する傾向にあります。
心理的には、自己重要感を感じたいタイプです。
また、自分の欲求のために相手の評価を低くするわけですから、自己中心的なタイプでもあります。
潜在的に自信があまりない人が使うのが、過剰反応です。
後になって
と言うのは典型的で、
そうなのであれば、そのときにハッキリとすればよかったところを
後になって確定的に話すタイプです。
過剰反応は、後になってからだけではなくその場でも使われます。
この言葉を聞いただけで、今目の前にあるであろう浮気疑惑に心を100%持って行かれているのが読み取れます。
■「だから~」を多用する人の傾向
潜在意識や、深層心理では自分の弱いところ、気になるところを隠そうとしたり、逆に何とか大きく見せようとして「だから~」は使われます。
本質的に自分の弱さを認めることのできないタイプです。
弱さを認めてしまうと自分のアイデンティティが崩れると感じ、それを防ぐための行動を行う傾向にあります。
痛いところを指摘されると、過剰な反応を示し防御の姿勢をとります。
根本的に周囲を下に置くというスタイルなので、人数が増えれば増えるほど自分の痛い部分や失敗を指摘されると、「それは失敗ではない」ということを証明するために一生懸命になります。
人数が少ない場合は、即座に拒絶しそのままうやむやになるか、数日後に会ったときに「そういう考え方もある」などと、後になって相手を認める場合もあります。
それは自己中心的な行動を起こしながらも、人目を気にするという心理の傾向があるためです。
自分の意見が的中すると、図に乗ったり有頂天になる傾向も強いです。
この場合は、聞かれてもいないのに自分から何が起こったかを話す傾向にあります。
自慢話をしている最中に、その話の内容をうまく理解できない人がいると「だから~」を使います。
「だから~」を多用する人に多いタイプが理論家です。
そもそも「だから~」は、理解度で私があなたに勝っているということを証明する言葉使いですから、物事を理論的に理解できているかどうかがポイントになります。
平たく言えば、頭の良さで自分の価値証明をしているわけです。
よって、本当にかなわない知識の持ち主に対してはおとなしくなったり、時には媚びへつらったりする傾向もあります。
「だから~」の言葉の後には、理解しやすくわかりやすい文章が続きます。
それなら、最初からわかりやすく説明すればいいのにそうはせず、
自分だけにわかる言葉や、専門用語を使うことで無意識のうちにわざわざ「だから~」を使うような言い回しをしていることがあります。
このようなタイプは「だから~」と共に「例えば~」を多用することがあります。
両方を同時に
などの言い回しです。
両方を同時に使う場合は、間違いなくこのタイプです。
■「だから~」を多用する人との付き合い方
「だから~」を多用するタイプは、否定されたり正面から意見を言われるのが、外見上はどうあれ内面では嫌いなタイプです。
当たり障りのない付き合い、近くも遠くもない距離での付き合いでいいのであれば、まず否定、批判はしないことが重要です。
また、「だから~」と言われても「へぇ、そうなんですね」など心の広い受け止め方をした方がいいでしょう。
このタイプが上司の場合は、「さすが部長」などのベタなお世辞は有効です。しかし、あまり使いすぎないように。
あまりにへりくだり過ぎてしまうと、相当バカなヤツと見られ却って立場を不利にします。
どうしても意見を言わなくてはならない場合や、拒否しなくてはならない場合は、相手の言葉を使うといいでしょう。
などと、気がついていないことをそれとなく気がつかせてあげればOKです。
間違っても
などとは言わないように。
このタイプが部下の場合は、キツク否定すると表面上はどうあれ、必ず反発します。
面と向かって反発できない、気の弱いタイプは陰口を叩いたりなどの小さな反攻に出るでしょう。得意先で上司の悪口を言うなどということも考えられます。
「だから~」を多用するタイプは、反面権威に従順な傾向にあります。
相手が理論を重視しているポイントを利用して「君ならできる」と自信を持たせ(あるいはおだて)やらせることは可能です。
しかし、本当に成功させる必要があるなら、実践する前にリハーサルを何度もした方がいいでしょう。何度も行う場合も、「お前はまだまだだから何度もやるんだ」という態度を取るとモチベーションを下げることになります。このような場合は、100%の成功を目指して伝説を作ろう、くらいがちょうどいいでしょう。
このタイプが恋人の場合。
このタイプが男のケースはよくあります。従順でおとなしい女にとっては実はさほど苦ではありません。このタイプを、男らしい、頼りがいがあると思えるのなら付き合っていいでしょう。
しかし、見栄っ張り、意地っ張り、頑固、偉そうなどと感じるのであれば恋人の関係は見直したほうがいいでしょう。
女が「だから~」を多用するタイプの場合、多くの男はこの女を避ける傾向にあります。唯一顔やスタイルがいい場合にだけもてます。
弱さを完全に隠し強さで表面を覆う傾向が強いので、その強さに魅かれるMの男性ならうまく行くでしょう。
外見だけで集まってくる男はほぼうまく行く望みはありません。
■「だから~」の多用を変える
「だから~の深層心理のベースは、自分の弱さです。
それを隠そうとしたり、ごまかそうとしたり、先手を打って強く見せたり、過剰反応を示します。
行動はいくつかありますが、基幹となるものはひとつです。
弱さは、
があります。
認めてしまうと、そもそも「だから~」を使わなくていい発言(最初からわかりやすい言葉を使う)になります。
それは相手の弱さも、自分の弱さも同時に認めることができる(ということは相手と自分の強さも認めれる)からですが、それができるようになるまでにはかなりの苦労があるでしょう。
忘れてしまう、というのは何もキレイさっぱり忘れるということではなく、
気にせずにやってみるという行動です。
最初はもちろん気になってしょうがないので、うまくできません。
しかし自分が弱い→恥ずかしい・認めたくないと思っているものが、実は他の人にとっては全く重要な物事ではなかったということを知るということです。
この場合、元々持っている理論重視の視点は残るので、使う言葉が「だから~」から
に変わる傾向にあるでしょう。
ともあれ、「だから~」という言葉をやめることが有効であるのは他の言葉と同じです。
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