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研修で出会う気難しい人

ビジネスマナーの研修を担当すると、前半のところで必ず印象についてお話するタイミングがあります。人と関わるときは笑顔の方が相手の関わり方も変わるし、仏頂面よりも笑顔がいいよってことが一番言いたいのですが、単純にそれを伝えても、一定数は「仕事ができればいいじゃん」という考えを持つ方もいらっしゃいます。

それも一つの考え方です。しかし、世の中には同じ仕事をするなら、笑顔で接してほしい、感じよく接して欲しいと思う人も一定するいて、そちらの方が多数派であるために、世の中ではビジネスマナーとして笑顔づくりを重視するんです。

これらの説明をしているとき、前者のような考えが強い方は明らかに不服そうな顔をして聞いていらっしゃるので、そういう方がどうやったらある程度納得できるのかなと思いながら、いろんな角度で伝えます。

先日も、その辺りの話をしていると、腕を組み目を閉じてムスッとしながら聞いている方がいたので、きっと不服なんだなーと思って話していました。
スライドの中で、無表情の方の写真を出して、「こういう状態で話を聞かれると話しづらくなりませんか?」と投げかけると、大半の人がそうだなぁってリアクションをされるのですが、その方はやや首を傾げていらっしゃいます。

一区切りで質問時間を取った時に、「相手がどんな態度であれ、仕事として自分の態度が変わってはいけないと思う。だからそもそも相手の態度が良いとか悪いとか思うのはどうかと思う」という、自分の態度を悪く思うなという意味にとれる驚く質問をいただきました。

確かに、道徳的には相手を見た目で判断してはいけないという教えはあると思いますが、人間は感情の生き物。相手が聞く姿勢でなければ、嫌気がさす人が大半なのです。その方の真意は正確には分からないのですが、その発言の中からは、自分がどんな態度だろうが周りが自分に対応を悪くするのはおかしいと言っているように聞こえました。

自分自身は相手から好かれる態度をする努力をせず、道徳的観点から相手の対応をよくしてもらうことを要求するのは、ややエゴの強い考え方ではないのかなと思います。

もしかすると、自分がどのような雰囲気を発しているのか、あまり考えたこともないのかもしれません。一見威圧的に見える人には、誰しも「怖いですよ」なんて言えないものです。ほとんどの人が、気を遣って当たり障りなく関わるのが普通なので、自分では気がつきづらいのかもしれません。

せっかくご質問いただいたので、相手のプライドを傷つけることなくお答えしましたが、このような状況が起こると毎回そうなのですが、やや反発したような態度を見せつつも、研修最後まで話しかけていただいていろんな質問をいただきます。最後にはとても嬉しそうな表情を見せられるので、内心最初からそうすればもっと周りからも嬉しい関わりをしてもらえるだろうにと思います。

相手に媚びたり、過剰に笑顔を振りまくほどの必要はないと思いますが、機嫌悪くないよ程度の雰囲気を出すことは、いい対人関係を築く上で大事なことだと思います。ただ、年齢が上がるにつれて意図せずに威圧感が出ることも多くあります。私自身も中年期になり、黙って座ってると恐いかなと思って気を遣うところです^^;

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