ちー子とクマ子の旅☆青森編②
さて青森を訪れたちー子とクマ子。レンタカーを借りて観光へと出発です。
ねぶたの家ワ・ラッセで大きなねぶた像に驚き、五所川原の立佞武多の館では背の高い立佞武多像に驚き、中原中也の繊細さに触れ、少しずつ北上していきます。
辿り着いたのは本州のはしっこ竜飛岬。
津軽海峡冬景色で♪ごらんあれが竜飛岬北のはずれよ♪と歌われている竜飛岬です。
ちー子とクマ子もここまで来たかと感慨深く海を眺めます。
すると目の前に歌碑が。
先程の津軽海峡冬景色の歌詞が刻まれています。
まさにその場所で歌詞を目にするとなんだか感慨深く、じーんとしてしまうちー子とクマ子。
周りには誰もおらず、海鳴りだけがひびきわたります。なんとも情緒あふれる空間。
しかし目の前にあった赤いボタンをふと押してしまった時、状況は一変しました。
ボタンを押すと…
押すと…
…
ジャジャジャジャーン!!!
とんでもない音量で音楽が鳴り響きます。
立ち尽くすちー子とクマ子。
ジャジャジャジャーン!!!
完全に固まるちー子とクマ子。
爽やかな海風に吹かれて瞬きも忘れるほどの衝撃です。
北の岬に似つかわしくない爆音は、我々の驚きなどお構いなしに流れ続きます。
♪ごらんあれが竜飛岬 北のはずれと
見知らぬ人が 指をさす
息でくもる窓のガラス ふいてみたけど
はるかにかすみ 見えるだけ
さよならあなた 私は帰ります
風の音が胸をゆする
泣けとばかりに
ああ 津軽海峡 冬景色
クマ子も驚きを隠せません。
まさかの津軽海峡冬景色(2番)が流れます。
オルゴールの音とかだと風情もありますが、まさかのさゆりちゃんの熱唱です。
歌が流れ終わるとまた爽やかな場所に戻ります。
なんとも不思議な空間に空いた口が塞がりません。
すると先ほどまで静かだった歌碑の周りに数名のおばちゃん集団が現れたではありませんか!!
はっとするちー子とクマ子を尻目に盛り上がるおばちゃん達は赤いボタンに気付きます。
やばい!と思った時、おばちゃんはにっこり笑ってこう言いました。
「さぁ、一緒に歌うわよ!お姉ちゃん(ちー子)も!せーのっ!!」
おばちゃんは張り切ってボタンを押します。
若干パニックになるちー子とクマ子。
せ、せーの???
せーのっておっしゃいました???
頭の中がはてなマークだらけなちー子とクマ子には目もくれず、おばちゃんたちは爆音よりも大きな声で歌い始めました。
♪ごらぁんあれがたあっぴみすぁき北のはずぅれとぉ〜
ほらぁおねえちゃんも歌って!ほら!
おばちゃんに促されまくったちー子とクマ子はたまらず一緒に歌い始めます。
♪みぃーしらぬーひとぉがゆーびーをさすぅ〜
もはやヤケクソです。
北のはずれ竜飛岬で、知らないおばちゃんと大合唱のはじまりです。
ちー子とクマ子はすっかりおばちゃんの勢いに飲まれてしまい、うっかり全て歌い切ってしまいました。
また静寂が戻ると同時におばちゃんたちは爆音以上の笑い声と共に爽やかに去って行きました。
海鳴りだけがこだまする歌碑の前にはちー子とクマ子だけが取り残されました。
な、な、何だったんだ今のは!?
現実なのか?幻なのか?
それすらもわからない、何が起こったのかわからない、キツネにつままれたとはこのことか?といった不思議な気持ち。
ふらふらになりながら車に戻ります。
何だったのか?今のは一体なんだったのか??
あの日からずっとちー子とクマ子はあの謎めく時間のことを振り返りますが、未だに結論はでません。
この文章を書いてもなお、結論はでません。
おばちゃんすごすぎた!!!!!
青森の思い出はほぼすべてが竜飛岬のおばちゃんで埋め尽くされてしまいました。
クマ子は思います。
きっと全てが夢だったんじゃないか、って。
だってそうでしょう?
おばちゃんと岬で歌歌うってないよね。
歌歌うって…
歌うって…
…
控えめに言って最高におもしろかったです(笑)
今日はここまで。
またお会いしましょう。
ちー子とクマ子でした。