029« 2020年 冬の屈斜路湖
2月。
ここ数年道東、とりわけ釧路、もっと言えばカヌーに乗りたくて行くようになった。
初めて訪れたのは、夏。コチラ。
冬も良い、と聞き、冬にカヌーに乗ることができるの?と、再訪は冬。
以降、何度か冬に来ることが続いた。
そして今回。この冬は全国的に暖冬で、ここ道東でも同様だった。
釧路空港到着。
暖かく過ごしやすい冬です、と聞いていたのだけど、自分には充分寒かった。
空港出てすぐ駆け足でバスに乗ったので最初は気づかなく、釧路駅でバスを降りて寒さが刺さった。
コロコロの荷物の中からダウン、手袋を取り出しすばやく装着。。。
これから釧網線で美留和という駅まで行く。
電車の時間までまだかなりあるので、以前来たことがある本屋さんの二階にある喫茶店へ。
ピラフとコーヒーを頼んで、店内にある本を読んだ。ピラフもコーヒーもとても美味しい。
翌日、屈斜路湖でカヌーの日。
雪が降っていた。宿の玄関でガイドさんの迎えを待った。
イケメンガイドさんに連れられ、まずはショップでドライスーツを着る。
このドライスーツというのは、もし水の中に落ちても全身ずぶ濡れを免れることのできる生命線のようなもの。
着る行程が面白く、まず自分がスーツの中に収まり、袖と裾に手足を通したあと、頑丈そうな大きいチャックを締め、しゃがんでスーツ内の空気を首元から抜く。
そうするとドライスーツが自分にピタッと張り付くような感じになる(エヴァンゲリオンのエントリープラグスーツみたいだな、、と思った)。
この写真はわざとぼかしている訳ではなく、現像から出来上がったらこのような写りになっていた。
屈斜路湖畔からカヌーに乗り込む。赤のカヌーってなんか良いな。
湖畔と空は白く、樹は黒く、モノクロの世界にカヌーの赤。
遠くに白鳥がポツポツ。
風がなく雪が静かに降る中、出発。
ところどころ凍っているようで、その部分には雪が積もっている。
シャーベットのようになっている部分がすごく興味深い。
カヌーでシャーベットを割って進むと、割れた部分が水中でローリングしながら漂っている。
漂う様子は何か生き物のようだった。湯葉のようでもある。
シャーベットをオールでつつくと、想像どおりシャクシャクとした感触。
この現象に名前をつけるとしたら??
屈斜路湖の湯葉、なんてどうですかねぇ〜?
という会話をしながら、ガイドさんも自分も興奮していたので写真は無い。
このままでは屈斜路湖で一日終わりそうだ。
気を取り直して屈斜路湖から釧路川に入り、川下り開始。
両川岸は雪が積もり、雪を浴びながら進む。
釧路川中流でカヌーに乗ったことはあったけど、源流は今回が始めてだった。
当然かもしれないけど、川幅は中流よりも狭く、樹の枝が次々迫ってくる。
そして水は透き通っていた。
水中の緑の塊はクレソンだった。自生しているそう。
白と黒のモノクロの世界に緑。
途中、カヌーから中洲にあがり雪の中にダイブして遊んだりもした。
ドライスーツと、このように遊んだりしたおかげで寒さは全く感じず、いっそこのまま川を下り太平洋に出たい。
という訳にもいかず、カヌーのゴール地点でカヌーを降り、今度はスノーシューを装着して屈斜路湖畔や森の中を歩く。
森の中でも遊ぶ。
自分の好きな樹を一本決めて感触や特徴を触って記憶する。次に目を瞑りその場を離れて自分の好きな樹がどれだったか当てるゲーム。
太さはもちろん、こんな真っ直ぐだったっけ?とか、この辺りから枝が出ていた、とか、足元の土がちょっと盛り上がっていたかも?とか、視界を遮断して記憶を頼りにペタペタ色んな樹を触って歩いた。
最近物忘れが激しい自分でも当てることが出来た。
意外に集中力を要した遊びのあとは、休憩でコーヒー時間。
雪の上に座って静かな森の中。
イケメンガイドさんの奥さん手作りのお菓子もいただく。
あらゆる感覚にとって極上といえる時間。
休憩の後は、屈斜路湖に向かって歩く。
湖畔に出て凍った湖の上へ。
分厚そうな雲の天候だったけど、たまに薄日が差し雪がキラキラと。
たっぷり遊んだ感。たった数時間だったなんて信じられぬ濃さ。
満足度が半端ない。
さらにこの後、近くの川湯温泉街まで送ってもらって日帰り温泉(誰も入っていなく貸切状態だった)にも入ったのだから、これ以上の休日はなかなか無い気がする。
旅が好きで良かったと思えた一日だった。
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