4、アナルプラグ、28歳、春。
本日、悲しくも28歳の誕生日を迎えたため、
2本目のアナルプラグに挑戦した。
「誕生日なので」という枕詞をつけてしまえば、
なんとなくそれが起因なのだなということで納得ができる。アドだ。
ちなみに私はアドの意味がよくわかっていないので何となく使っている。
2本目のアナルプラグに挑戦するにあたり、
改めて我が家にあるアナルプラグの数をかぞえた。
1本、2本、3本……
……
……1本……足りない……?
全ての原因となった5本セットのアナルプラグと追撃で送られてきた3本セットのアナルプラグ×2セットで、我が家には11本のアナルプラグがあるはず。しかし、何回数えても10本しかないではないか。
足りない、足りない……。
さながら平成最後の皿屋敷だ。私はお菊。
私は部屋中を探し回った。この自室で、何故アナルプラグが行方不明になるのか……。
まさか......私の体内に……?
なーんて、そんなことある訳なかろう(笑)
冷静沈着で他人に流されないことに定評がある私は、贈ってもらったアナルプラグの商品ページを確認した。
「Paloqueth アナルプラグ アナル拡張5本セット 吸盤付き 円錐状 ローション付属 (黒)」
あれ?4本しかない。
説明文にも4種類って書いちゃってるねえ(笑)
私は戦慄いた。
騙された!!!!!!!
いつから騙されていた? 嗚呼、かわいそうに。私はアナルプラグの本数すらかぞえられないほど脳みそがとろとろになっていたのだ。それもこれも私を休職にまで追いやった御社のせいである。こんな純粋無垢のお手本のようないたいけな少女を……許せねえ……!
私は悲しみにくれながら、
風呂場で2本目に大きいアナルプラグを挿入した。
あかんやつだった。
数日前に謎の多量出血をおこした私の肛門(もともと常にコンディションがよくない)にはあかんやつだった。持ち前の不屈coreで挿入は成功したものの、更に次の大きさにチャレンジしろと言われたら確実によろしくないやつだと全肛門が察した。
自分の肛門に限界を感じたのだ。
いや3本目も頑張ったらなんとかいける気がするけど、私は別にそういう趣味があるわけではない。てかなんでこんなことしてるんだろ?だから独身だし恋人いないしできそうもないのでは?あっ泣きそう考えるのやめよう。
ぐっと歯を噛みしめる。認めたくない、けれど、これは紛れもない事実で。セコンドが白いタオルをリングへ投げる。それはまるで白旗のようだった。
みんな、ごめんね。
私は普通の女の子に戻ります。
観客のざわめきの中、私はアナルプラグをステージの中央に置き、表舞台を去った。
――28歳の、春だった。
2019.04.18
いいなと思ったら応援しよう!
