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(コラム)AIの新時代:生成AIはエッジAIへ
次なる革命といわれるエッジAI
2022年末、オープンAIの「チャットGPT」が世界中を驚かせてから、生成AI への注目度が一気に高まりました。大手テック企業は競うように巨額の投資を行い、AIの開発競争は熱を帯びていきました。しかし、そのブームにも陰りが見え始めています。そして今、次なる革命の波が静かに、しかし確実に押し寄せつつあるのです。その名も「エッジAI」。
1000億ドル(約15兆円!)にも及ぶ巨額をデータセンター建設に投資
でも、その前に少し寄り道。生成AIブームの熱狂ぶりを表す数字をご紹介しましょう。オープンAIとマイクロソフトは、なんと1000億ドル(約15兆円!)もの巨額を投じて、新たなデータセンターの建設を計画しています。2028年の稼働開始を目指すこの巨大プロジェクトは、AIの学習とサービス提供に必要な膨大な計算能力を確保するためのものです。
さらに驚くべきことに、グーグルの親会社アルファベット、マイクロソフト、メタ(旧フェイスブック)の3社は、2025年までに合計1600億ドル(約24兆円)の設備投資を予定しています。これは2022年と比べて75%も増加しているんです。まさに桁違いの投資規模ですよね。
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しかし、ここで話は大きく転換します。
最近、業界の注目が「エッジAI」というキーワードに集まっているのです。エッジAIって聞きなれない言葉かもしれません。簡単に言えば、スマートフォンやパソコンなど、私たちが日常的に使う端末の中で動くAIのことです。
エッジAIが注目される理由
なぜエッジAIが注目されているのでしょうか?それには大きく2つの理由があります。
1つ目は、インターネット接続がなくても瞬時に応答できること。例えば、山奥でスマホの音声認識を使いたい時、エッジAIなら問題なく使えるわけです。
2つ目は、プライバシーの保護です。個人データを外部のサーバーに送信する必要がないので、情報漏洩のリスクが大幅に減ります。
この技術の将来性は凄まじいものがあります。U.B.S.のアナリストによると、2023年時点では全スマートフォンの4%しかエッジAIに対応していませんでした。しかし、2027年までにはなんと約50%、つまり約5億8300万台ものスマホがエッジAIを搭載すると予測されているのです!
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エッジAIが抱える課題
ただし、課題もあります。現在のAIモデルは非常に大きく、スマホのメモリ容量を簡単に超えてしまいます。例えば、フェイスブックの「ラマ」というAIは70億もの「パラメーター」(AIの頭脳を構成する要素)を持っており、14GBものメモリが必要です。一方、最新のiPhoneでさえメモリは8GBしかありません。
でも、心配はいりません。技術の進歩は驚くべき速さで進んでいます。半導体メーカーは新技術の開発に躍起になっており、今後10年以内には1兆個以上のトランジスタを内蔵する「マルチチップレット」という革新的な技術が登場する可能性があるのです。
この変革は、私たちの生活にどんな影響を与えるのでしょうか?U.B.S.の予測によると、2027年までにスマホとPC市場の規模は7000億ドル(約105兆円)を超えるとのこと。AppleやLenovoなど、多くのテクノロジーブランドにとって大きなビジネスチャンスとなりそうです。
終わりに
最後に一言。エッジAIが成功するかどうかは、魅力的なアプリケーションとともに展開されるかどうかにかかっています。もしこれが実現すれば、AI分野における次なる波は間違いなく「小さな端末で動く小さなAI」になるでしょう。
テクノロジーの世界は日々進化しています。エッジAIという新しい波が、私たちの生活をどのように変えていくのか。これからもワクワクしながら見守っていきたいと思います。
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