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幼児教室選び[保存版]/2024年度主要幼児教室別合格実績

【各幼児教室の最新の合格実績が公開されましたので、2024年2月22日時点の合格実績にアップデートしました】

小学校受験をするにあたって、ほとんどのご家庭が何らかの幼児教室に通ったり模試を受験したりすることになると思います。星の数ほども幼児教室がある中で、どのように幼児教室を選べばよいのでしょうか。


1 大手 vs 個人


大手の幼児教室がいいのか、個人の教室がよいのかという視点について。

まず大手の幼児教室のよさは、①情報量とリソースの多さ、②ライバルとの比較が可能という点が挙げられると思います。

①    大手教室:情報量

大手の教室では多くの難関校の過去問を分析し、出題しているので、生徒が様々な難しい過去問や応用問題(幼児教室独自の新作問題)に触れる機会が増えます。

例えばペーパーではどれだけ様々な問題に取り組んだのかがモノをいうので、難関校の難問に多く取り組むことで、解き方のパターン・思考のパターンを身につけ、子供が賢くなり、他の科目にも好影響を及ぼします。絵画工作や行動観察でも多くの学校の様々な過去問に取り組むことで柔軟な思考力を養うことができるはずです。
 
私が見ている限り、市販されている過去問題集はすべての過去問を正確に網羅しているとはいいがたく、実際の問題よりも簡単になっていると思われる問題も多いです。

また、行動観察、絵画、体操についても、どういう点がポイントなのか、学校側が何を見ているのか、他の生徒と比べて自分の子どもの課題は何か、などを幼児教室の授業の中で把握することが可能です。

さらに、年々変わる出題傾向に柔軟に対応できるのも大手の良さかと思います。コロナ禍~コロナ明けにメジャーになった映像発問(絵画工作や体操で画面に映像が流れ、説明や出題がなされる)も、リソースが豊富な大手の教室であればコストをかけて授業のために映像を作成し、そのため生徒が出題傾向に慣れ、対応できるようになります(個人教室で本番さながらの映像を作成することは難しい)。

そのほか大手の教室の場合、試験直前に、前日や前々日の受験者から聞き取った問題を共有してもらえます(受講しているクラス数などの条件はあり)。

過去問を分析するとわかるのですが、複数日程で前の日程とほとんど同じ問題が出題される学校も結構あります(1日目と2日目の考査の内容が類似)。当然、受験者の母数が多いほど正確な情報が集まるので(特に6歳の子供から口頭で試験の情報を正確に聞き取るのは骨が折れます)この点も大手の幼児教室に所属する大きなメリットといえるでしょう。


これに対して、個人指導の場合は、受け入れている受験生の数が少ないため、情報量は大手の教室に比べて不足しがちです。教室によっては、大手のペーパーの問題を手に入れて生徒さんに教えているところもあるようですが、応用的な新作問題まですべてカバーするのは難しいでしょう。

また、個人の場合、どうしても先生が得意、指導経験のある学校に志望校が限られてしまいがちです。例えば、幼稚舎の合格を目標とする個人教室であれば、幼稚舎以外の学校のサポートは手薄になります。

大手であれば多くの学校に合格者を輩出しているので、第一志望以外の受験校の情報を収集したり、準備をしやすいです。第一志望の学校にご縁をいただく自信があれば必要ないかもしれませんが、受験に絶対はありません。他の志望校の出願対策もしっかりと準備するのにも大手の教室が有利といえるでしょう。

②    大手教室:ライバルとの比較

自分の子どもが受験生の中でどの位置にいるのか、合格圏内にいるのかは保護者の最大の関心事です。

優秀なライバルと自分の子どもを比べ続けるのはとてもつらい作業です。そのため幼児教室によっては授業を保護者に非公開にしているところもあります。幼児教室から「他の子と比べるな」「自分の子どもが勉強を始めてからどれだけ成長したのかを気にすればよい」などといわれることもあります。

しかし、あくまで子どもたちが入学試験で一斉に試験に臨み、相対的に評価されて合否が決まるのですから、授業や模試の中で自分の子どもがほかの生徒に比べてどの位置にいるのか、何が得意で何が足りていないのか、苦手な分野に取り組むのに何をしたらいいのかを考えることは避けては通れません。

模試だけでは保護者が子どもの様子を実際にみることができないので、その模試かぎりの評価は数字になって現れますが、試験に向けた実際の課題の把握が難しいです。

授業で他の生徒と自分の子どものパフォーマンスを目の当たりにすることで、自分の子どもの課題を認識し、日々改善していくプロセスが不可欠でしょう。

個人(少人数)の教室のよさとしては、きめ細かい指導、長時間の指導が可能であること、そして個人教室の先生の個人的なネットワークを利用できる場合があるといったところでしょうか。

大手の教室で大人数を相手にした指導では、どうしても画一的なカリキュラムでクラスが進行するため、必ずしも自分の苦手分野を克服するのに十分ではありません。絵や工作が上手ではなかったとしても、大手幼児教室の講師が一から絵を教えてくれるわけではありません。

家庭あるいは個人塾で重点的に復習や特訓しないと授業に追いつけないという声もよく聞きます。特に共働きのご家庭などで、家庭で子供に教える時間が十分に取れない場合には、個人の教室できめ細かくフォローするのも有効だと思います。

個人教室には、すべての科目を教えてくれる教室もあれば、体操教室、絵画教室など、科目に特化した教室も多くあり、大手の幼児教室に通いながら個人の体操や絵画教室にも通っているというご家庭も多いです。子どもを預けることが可能か、保護者が在室していないといけないのかは教室によって異なります。

また、個人教室の先生の人的ネットワークで、その教室の卒業生で志望校に合格したご家庭をご紹介する、場合によっては交流のある小学校の先生をご紹介していただけるケースもあると耳にします。

私は経験がないのではっきりとはいえませんが、学校の先生のご紹介ということであれば、第一志望の学校のみであると思われます。ご紹介いただいたのに断るようなことがあれば学校の先生、幼児教室の先生双方に失礼にあたるからです。

2 幼児教室の選択

おすすめは、大手幼児教室1つを選び、足りない部分を個人の(科目別の)教室で補うというものです

複数の大手幼児教室の同じ内容のクラス(例えばジャックでもスイングでも絵画を受講)を掛け持ちするご家庭も一定数いるのですが、おすすめはしません。
指導方針が異なる場合に子どもが混乱すること、また受験生はあまりに忙しく、時間的な制約が大きすぎるからです。

複数の大手幼児教室の異なる科目のクラスを受講するというご家庭もわりと多くいらっしゃいます。
特に問題はありませんが、考えられるデメリットとしては、1つの教室に絞らないことによって、1つの教室にコミットしているご家庭に比べてベネフィットを受けられない場合があるということでしょうか。
幼児教室では、講座や願書添削、直前セミナーなどの受講に際して、一定のクラス数を受講していることを申込条件に設定することがあります。

うちの場合は、大手の幼児教室1つで週6コマを受講しながら、そのほか体操教室と行動観察・おたずね・面接に重点を置いた教室に週1回ずつ通っていました。
基礎的な部分は大手の幼児教室でカバーできますし、大手の教室のクラスのみを受講していても合格圏内に持っていくことは十分可能でしょう。

うちの場合、大手のクラスとはちがうスキルを伸ばす目的で個人の教室に通っていました。大手の幼児教室の体操クラスでは、どちらかというと難しいサーキットを覚えて間違えずに行うことに重点が置かれていましたが、体操最難関の幼稚舎/横浜初等部であっても本番のサーキットはそこまで難しくはなく、むしろ身体能力をみられているように思ったからです。

個人の体操教室で鍛えてもらい、鉄棒、なわとび、ヒコーキバランスなど苦手分野を克服でき、自信をもって本番に臨むことができました。

大手幼児教室を選択するにあたっては、①志望している学校の合格率が高いか、②保護者が授業を見学できるのか、③通える距離にあるか、などといった点を検討材料とすべきでしょう。

①志望している学校の合格率

志望している学校の合格率に関しては、各幼児教室のホームページで合格実績を確認しましょう。

早慶(早稲田実業学校初等部、慶應義塾幼稚舎、慶應義塾横浜初等部)については近年の結果を見る限りはジャック幼児教育研究所、スイング幼児教室が圧倒的に強く、合格者のうちこの2つの教室のどちらかに通っているお子さんが非常に多い印象です(両方の教室に通っている家庭もある)。

ジャックは生徒数が多い(教室の数も多い)のに比例して合格者数も多いのに対し、スイングは、生徒数は少ない(教室は3か所のみ)けれど多くの早慶合格者を輩出している、すなわち合格率が高いといわれています。

学校によっては、統計的に特に合格者割合が多い幼児教室があるので、まずは志望校に合わせてどの教室にするのか絞っていくのがよいかと思います。例えば、ジャックは全体的に合格者数が多いですが学習院や聖心などの学校に特に強いですし、理英会は神奈川の学校に強いです。下記に最新2024年度の合格実績をまとめました。
(注:当初は2024年1月10日現在のものを掲載していましたが、2024年2月22日時点の合格実績にアップデートしました)

2024年度幼児教室別合格実績(2024年2月22日現在)

私立小学校合格実績
国立小学校合格実績

*ジャック:2024年1月31日現在。模擬テスト・講習会のみ受講した一般生は受験合格者数に含まない。
*スイング:2024年2月14日現在。複数合格含む。講習生、補欠合格は合格者数に含まない。
*伸芽会:2024年2月16日現在。入会金を支払い、会員手続した生徒のみを合格者数に計上。模試・各種講習会等を受講した一般生は含まない。1人が複数の学校に合格した場合は、それぞれの学校に合格者として計上。
*理英会:2024年2月7日現在。合格者数に模試だけ受験した生徒を含めていると思われる

②保護者が授業を見学できるのか

保護者の授業見学の有無についてですが、保護者が授業を見学し、子どもの様子を観察できるような教室を選ぶべきです。
特に行動観察や絵画で他のお友達に比べて何ができないのか、何を改善しなくてはいけないのかを親が実際に見て分析しなければ子どもが伸びていきません。

授業の様子を見学できない幼児教室もあるのですが、個人的にはおすすめしません。幼児教室は、「受講生それぞれの課題」を各家庭に教えてくれるかもしれませんが、「自分の子どもが他の子どもに勝てる戦略」を教えてくれるわけではないからです。また、現場にいない保護者が、子どもに何をさせればいいのか、肌で感じて理解することができないからです。

具体的な場面で、他の受験生との関わりのなかでどう行動するのか。
保護者が目で見て感じた課題を、「ここが苦手だから次回はこういうことを心掛けよう」と子どもに伝えていかなければ、家庭でも復習・練習を積み重ねなければ、ライバルに勝てないのです

多くの子どもたちが、一斉に行動観察の課題に取り組む機会は、授業や模試以外ではありません。その貴重な貴重な機会を見逃す手はありません。

兄弟姉妹がいてどうしても保護者が授業に参加できないという場合には子供を預けるタイプのクラスを受講することもやむを得ないとは思いますが、せっかく受けている授業からの学びが減ってしまうということは頭に入れておくとよいのではないかと思います。

③通える距離にあるのか、という点について

ジャックや伸芽会は小学校の近くのエリアにその小学校対策に重きを置いた教室を開校するというビジネスを展開(早実なら荻窪、吉祥寺、国分寺、国立校など、幼稚舎なら広尾校、横浜初等部ならあざみ野、二子玉川、横浜校など)しており、校舎の数が非常に多いので、様々なエリアのご家庭が通いやすい環境になっていると思います。
(ただ、年中では近隣の教室に通い、年長になって志望小学校担当の教室に通うということもあります)

スイングは田町、自由が丘、白金台の3校舎のみですので、遠方であってもこの校舎のどれかに通うことになります。

【ジャックのホームページより抜粋】
Q.教室ごとに小学校の担当があるとは、どういうことですか。
ジャックでは、各教室が近隣の私立小学校を担当する「担当制」をとっております。全教室から集約された入試情報を、担当教室は専門的に研究することで、正確でより深く密度の濃い受験準備を会員の皆様へ提供しております。また、集約された各学校の入試情報は全教室へフィードバックされますので、併願校対策に向け、全教室ですべての学校の入試情報をご確認いただけます。

体験レッスン・入会までの流れ|ジャック幼児教育研究所 (jac-youjikyouiku.com)

大手幼児教室をメインに通っている場合は、必ずしも個人教室に通わないといけないわけではありません。

子どもに課題がでてきたとき、家庭で十分に指導できないときに必要な個人教室を探してみるということでも構わないと思います。

どうしても大手教室の指導方法と異なる場合があるので(だからこそ個人教室で教わる意味があるとも言えるのですが)、子どもが混乱しないように、どういう方針で問題を解くのか、どう試験に向き合っていくのか、保護者がガイドしていく必要はあるでしょう。

以上、幼児教室選択にご参考になれば幸いです。

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