特定意志薄弱児童監視指導員

夏。
川や海に出かけ、自慢の肉体を気になっている異性にみられてしまう季節。

ビール大好き浮き輪肉大学生は焦っていた。

食事制限も禁酒も絶対にしたくないけれど、かっこいい引き締まった体になりたい。

”そうだ。運動をしよう。”

二駅ほど離れたところにはゴールドジムがあり、高校で体育会系の部活に入っていた頃はトレーニングの日を待ち望んでいたほど元筋トレオタクの私。
そうはいってもジムに払うお金などない金欠大学生。

調べてみると月額3,000円のプランがあるではないか。
条件は24:00～5:00のみ利用可能な深夜会員。

お金がないのだから高望みなどしていられない、と深夜会員で入会。

人も少なく落ち着いていて、自分のような貧弱な体でも通いやすい深夜。
意外といいぞ！
なによりこんなに充実した設備を3,000円で利用できるなんて最高！

トレーニング初心者でも安心の体組成測定やカウンセリングを含む充実したトレーニングサポートが無料でついてくる。

これなら絶対に続けられる！と、興奮していた気持ちも一か月は持たずここ二週間ほど全く足を運べていない。

すでに合宿も終わり、努力の結晶を披露する機会もなくなってしまった。
それでもお金がもったいないのでまた今夜あたりにでも鍛えにいきたい。