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【MTG】部屋をコピーするとどうなるの?【マジック:ザ・ギャザリング】

※このテキストは2024年9月20日時点の総合ルールや情報を元に書いており、現在の総合ルールや裁定とは異なる場合があります。

『ダスクモーン:戦慄の館』が発売され、また新たなカードがマジック:ザ・ギャザリングに加わりました。特に注目なのが初登場のパーマネントである分割カード『部屋/Room』でしょう。

WotCはカードギャラリーにカードを横向きにする機能を付けた方が良いと思う

2つの名前、マナ・コスト、文章欄を持ち、唱えなかった片方も戦場でマナ・コストを払えば開放することが出来るというクソややこしい今までにない機能を持ちます。

さて、2つのマナ・コストを持つという事はまず誰もが考えることは安い方で高い側を踏み倒せないか?という事でしょう。特にパーマネントであるならインスタントやソーサリーより手段はありそうです。特にコピー

ですがダスクモーン:戦慄の館のリリースノートには部屋のコピーに関する説明が不自然なほど抜けています。実際部屋をコピーするとどうなるのでしょう。


結論

《エンチャント複製/Copy Enchantment》や《運命に導かれし者、ケイリクス/Calix, Guided by Fate》で部屋をコピーした場合、それはコピー元の部屋の開放状態に関わらず両方とも閉鎖された状態で戦場に出ます。

既に戦場に出ているパーマネントが部屋のコピーになる場合、それはコピー元の部屋の開放状態に関わらず、コピーになるパーマネントの開放状況に依ります。通常は、部屋でないパーマネントが部屋をコピーしたら両方とも閉鎖された状態になるでしょう。

スタック上の部屋呪文がコピーされたなら、それはトークンとして戦場に出るとき、元の部屋呪文と同じ部屋が開放されます。

いずれの場合も、通常の部屋と同じように閉鎖されているドアの開放コストを支払うことでドアを開放出来ます。これを利用することで、《蜃気楼の鏡/Mirage Mirror》を使ったコンボが可能です。



日本公式サイトのメカニズム記事の未修正

ちょっと待って!?公式サイトにはこう書いてあるじゃん!

そして、もしあなたが部屋・カードをコピーした場合(館ひとつでは物足りないのですか?)、そのコピーは元のカードと同じドアが開放された状態になります。コピーは元のカードと同じすべての情報を持っているため、あなたはそのコピーの閉鎖されているドアも開放することができます。

https://mtg-jp.com/reading/translated/0038103/

これについて、記事を書いたMatt Tabak氏自身がXでルール上誤りであったと釈明しており、米国公式サイトでは該当の記述は削除されています。日本公式サイトは修正が及んでいない状況です。

Okay, I’m my defense, the House is scary and it was hard to focus, but unfortunately there’s something in the #MTGDuskmourn mechanics article that needs to be corrected. Let’s talk copies of Rooms. If you copy a Room *spell on the stack*, you get the same choice as the…
前略)「ダスクモーン:戦慄の館」のメカニズム記事には修正すべき点があります。部屋のコピーについて話しましょう。あなたがスタック上の呪文である部屋をコピーするならその選択は元の呪文と同じになります。

https://x.com/WotC_Matt/status/1830997793865134575

original spell. The same door unlocks, and the token’s “When you unlock this door” ability will trigger (if it has one). If you create a token that’s a copy of a *Room on the battlefield*, the new token has both doors locked. Same if something enters as a copy of a Room.
同じドアが開放され、(もし持っているなら)そのトークンの「あなたがこのドアを開放したとき」の能力が誘発します。あなたが戦場にある部屋のコピーであるトークンを生成した場合、その新たなトークンの両方のドアは閉鎖されています。何かが部屋のコピーとして戦場に出る場合も同様です。

https://x.com/WotC_Matt/status/1830997796696268879

It gets more complex if a permanent already on the battlefield becomes a copy of a Room. In that case, consider whether the original permanent’s left/right doors were already unlocked. In most cases, this means it was a Room. If so, those doors will be unlocked on the new Room.
既に戦場にあるパーマネントが部屋のコピーになった場合はより複雑です。この場合、(訳注:コピーになる前の)元のパーマネントの左右のドアが開放されているかが考慮されます。多くの場合、それは部屋であったことを意味し、それらのドアは新たな部屋で開放されます。

https://x.com/WotC_Matt/status/1830997798982144482

If something that was never a Room becomes a copy of a Room, both doors will be locked. As always, you can open a locked door as a sorcery by paying that door’s mana cost. #WotCstaff
部屋で無かったものが部屋のコピーになった場合、両方のドアは閉鎖されています。通常のように、あなたはソーサリーとしてドアのマナ・コストを支払うことで閉鎖されたドアを開放することが出来ます。

https://x.com/WotC_Matt/status/1830997801783955597

The shorthand in the mechanics article has been deleted, and we’ll leave the details for the Release Notes. Sorry about that. Back to the previews!
メカニズム記事の略記は削除されました。詳細はリリースノートに記しておきます。この事について謝罪し、プレビューに戻りましょう!

https://x.com/WotC_Matt/status/1830997806737461481

(エンチャント複製だと両方とも閉鎖された状態で出るの?蜃気楼の鏡では?という質問に対して)
Copy Enchantment: Yes, both locked. Mirage Mirror: Depends. That permanent has its own “left/right unlocked” designations that it Carrie’s with it as it changes characteristics. Starts locked, but can change.
エンチャント複製:はい。両方とも閉鎖されています。蜃気楼の鏡:状況によります。そのパーマネントは独自に「右/左は開放」記号を持ち得て、それらは特性が変更しても引き継ぎます。最初は閉鎖されていますが、変更することができます。

https://x.com/WotC_Matt/status/1831016214820495747

総合ルール

リリースノートにはコピーに関する記述は載りませんでしたが、更新された総合ルールでは上記の記述が是である事が読み取れます。全項は下記リンクで私訳しましたが、重要な部分だけ抜き出します。

709.5. Some split cards are permanent cards with a single shared type line. A shared type line on such an object represents two static abilities that function on the battlefield. These are “As long as this permanent doesn’t have the ‘left half unlocked’ designation, it doesn’t have the name, mana cost, or rules text of this object’s left half” and “As long as this permanent doesn’t have the ‘right half unlocked’ designation, it doesn’t have the name, mana cost, or rules text of this object’s right half.” These abilities, as well as which half of that permanent a characteristic is in, are part of that object’s copiable values.
709.5 1つの共通のタイプ行を持つパーマネント・カードである分割カードが存在する。それらのオブジェクトの共通のタイプ行は戦場で機能する2つの常在型能力を表す。それらは「このパーマネントが『左半分が開放』の記号を持っていないなら、これはこのオブジェクトの左半分の名前、マナ・コスト、ルール・テキストを持たない。」と「このパーマネントが『右半分が開放』の記号を持っていないなら、これはこのオブジェクトの右半分の名前、マナ・コスト、ルール・テキストを持たない。」である。これらの能力や、特性がそのパーマネントのどちらの半分にあるかはそのオブジェクトのコピー可能な値である。

部屋は「『左/右が開放されている』という記号を持たないとその部分の名前やマナ・コストやルール・テキストを失う。」という能力によって特性を制御しています。この「開放記号」は「怪物化している」や「高名である」のような特性の変化でもカウンターでも無い記号であり、コピー可能な値ではありません。同時にコピーによって上書きされる情報では無いので、《蜃気楼の鏡》でのコンボが可能というわけです。

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