[しくじり先生③]私が大学を中退した理由③
前回のnote(私が大学を中退した理由②)の続編になります。今から、簡単に前回の粗筋を説明しておきますと、1浪後進学した大学で、仮面浪人を決意し、前期は大学との両立をしながら、後期で大学との両立をせず、受験一本に絞り、兼ねてからの憧れであった、某旧帝大を受験した、ということです。内容を纏めると、仮面浪人生としての、1年間ということです。
今回は中期試験や後期試験のこと、仮面浪人時代にはまっていたブログ、一体何の学部学科を受験したのか、を中心に話しながら、私のしくじり体験についての内容に触れていこうと思います。私のnoteの記事を読みながら、仮面浪人を考えている方、大学を中退しようか迷っている方、いれば、反面教師にしてくださると幸いです。私のようになってはいけません。
前期試験の某旧帝大の受験を終えてから、中期試験に向けて、勉強するモチベーションを保てなかったのを覚えています。当時の私の夢は、某旧帝大生としての大学生活を送ることでした。だから、中期試験での大学に進学しても、私の夢とは異なるのです。私が中期試験や後期試験の願書を出した理由は、前期試験失敗した場合の脆過ぎるセーフティネットを確保する為でした。
しかし、センター試験の結果が良くなく、中期はC判定、後期はD判定という有様で、挑戦を、セーフティネットと勘違いしておりました。当時の私は幻想のような夢ばかりが専攻しており、夢が叶わなかった後の人生に対するリスクヘッジが皆無でした。妄想のような夢ばかり見て、リスクヘッジをまともに取らない辺り、私がしくじった理由の一つではあります。
もし目的を定めて、その目的がリスキーな挑戦である場合、私は必ずリスクヘッジをするべきだと考えています。背水の陣、不退転の覚悟、とでも言えば格好良く聞こえるかもしれませんが、リスキーな挑戦をしているにも関わらず、リスクに目を向けない、というのは攻めの姿勢ではなく、リスクから目を逸らすという点で、言わば、逃げの姿勢でしかありません。ここで言うリスキーな挑戦とは、仮面浪人であったり、社会人の方であれば、資格浪人、司法試験、転職活動、のようなものがあげられると思います。
厳しい言い方をすると、リスキーな挑戦をする人が、一切リスクヘッジを考えない、というのは、逃げの姿勢でしかない。そして、逃げの姿勢を持っている、という点で、戦う前から気持ちの面で負けていると言わざる負えないと言うのが、私の持論です。
当時の私はそこに全く気がつかず、妄想のような夢ばかりを見ていました。持論はここまでにして、当時の私の中期試験と後期試験に話を戻すことにします。
望み薄な中期試験を前に控えても、私はモチベーションを維持するのに困難を強いられていました。某旧帝大生になる夢を見て、仮面浪人を決断したので、中期試験の大学を目指すためのモチベーションを上げるのが出来ませんでした。
リスクヘッジが杜撰を極めており、セーフティネットのような役割を果たしてくれる滑り止めの大学が、いつの間にか挑戦校レベルになっている計画性の無さでした。他にも理由はありますが、何故私が大学中退者、という末路を辿ったのか、よくわかる有様でございます。
そして、中期試験の試験日を迎えました。アニソンを聴きながら、会場に向かったのを今でも覚えています。私の中で甲子園を目指すのが、前期試験とするならば、この中期試験は一体何なのだろう?とばかり考えていました。
中期試験の科目は物理、化学、英語、数学、でした。前半は物理化学と英語、休憩を挟んで、数学という流れでした。
物理は難解でした。化学は平易。よって5部、というのが当時の受験の感想でした。英語は出来たわけでも出来なかったわけでもなかった、と記憶しています。そして、最後に控えているのは数学でした。
中期試験の数学は、論理的な証明、というよりは計算問題が中心でした。だから前期試験の時よりも、望みはありました。実際、数学の感触は良かったです。正直受かったんじゃないかなーって思ってました。C判定で、2次試験の出来次第、という状況で、最も大きな配点を占める、数学の感触が良かったからです。
大学中退者の末路、と銘打った通り、結果はお分かりの通りです。しかし、帰り道では想像だにしていませんでした。受けた直後に、受かったんじゃないか、という感触が強かったのは、実際のところ、この中期試験に受からなければ、人生やばい、というのは、当時の私なりに把握していたわけです。だた、そこから目を逸らす為に、感触が良い、きっと合格してるはず、と思い込むようにしていたんだと考えております。
人間は、窮地に追い詰められると、確率の低い事象を高く見積もる傾向があるそうです。だから、ギャンブルやFXで多額の借金を抱えて、破滅的な方向に向かってしまう人間が後を立たないそうです。1浪して、仮面浪人して、と、通常では有り得ない、リスクだらけの状況で、知らず知らずのうちに、ギャンブル依存症と同種の思考に陥っていたのが、当時の私でした。しかし、当時の私がギャンブル依存症のような思考に陥っていたと気がついたのは、全てが終わってから、のことでした。
今回も話が長くなってしまい、後期試験のこととか、仮面浪人時代のブログのこととか、受けた学部学科のことについて、当note記事でまとめることが出来ませんでした。なので、次回また書くことに致します。
私が今回の記事を書いて伝えたかったのは、リスキーな挑戦をする人達に向けた、リスクヘッジの大切さです。リスクヘッジが出来なかった為に、沢山の時間や金銭を失い、心は摩耗し、歪んだ見方で社会を捉えるようになってしまう人間が後を立たないのです。そしてそれは、何も、仮面浪人に限ったことではないと思います。
私はそういった犠牲者を見たり、話を聞いたりすると、心が痛むのです。そういった犠牲者を少しでも減らす為に、私は自分のしくじり体験を通して、メッセージを綴り続けております。誰か一人にでも、このメッセージが届くのであれば、私はこれ以上ない安堵感に包まれるわけなのです。