【EDH・統率者】Lv5:Baldin, Century Herdmaster/E. Honda, Sumo Champion【MTG】
はじめに
この記事を読みに来ているということは、「パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る」メカニズム、通称、重厚/Backboneの説明は不要ということでしょう。不要のはずです。不要ですよね?
このたび《Baldin, Century Herdmaster》を統率者にしたデッキを用いた動画を作成したので、その紹介と解説を本noteで行うことにした。本当は動画投稿に併せてこの記事上げるつもりだったんだけど間に合いませんでした。 手持ちの余ったカードをメインに組み上げたため、Level5を想定している。無限コンボ等、3人を同時に倒す手段は入っていない。
Baldin, Century Herdmasterとは
白単色で6マナの伝説のクリーチャー。元々はストリートファイターとのコラボSecret Lair(以下SL)で《E. Honda, Sumo Champion》として刷られたもののMTG(ザ・リスト収録)版である。
SL出身とザ・リスト出身のため、両方とも日本語版が存在しない。《E. Honda, Sumo Champion》の方はエドモンド本田ですと説明ができるが《Baldin, Century Herdmaster》の方は日本語訳が存在しないので勝手にバルディンと呼んでいる。BaldがボールドなんだからBaldinはボールディンじゃないか?MTG風に翻訳するなら「世紀の群れ長、バルディン」と言ったところか。
一見すると6マナも払って0/7という狂気的なP/Tをしているが、自分のターンの間だけ自分のクリーチャーがパワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振るため、実質7/7として振舞う。
この能力を最大限に活かすためにデッキには高タフネスのクリーチャーを入れることを求められるので、
うおおおおおおおお! 5マナ実質10/10バニラ!!! 多分強い!!!
という、パワーと比較して妙にタフネスの高いクリーチャーを採用することに喜びを見出していくことになる。
また、《Baldin, Century Herdmaster》は自身が攻撃に参加した時に最大100体のクリーチャーを対象として手札の枚数X分の+0/+Xの修正を与えられる。バルディン自身の能力によってタフネスの上昇は打点の上昇に繋がるため、実質的には+X/+Xと言って良く、手札が3枚もあれば全体強化としては破格の部類だ。
ただ、自分のターンの間しかこの「パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを与える」能力は機能しないため、《Baldin, Century Herdmaster》は相手ターン中、0/7のバニラである。自軍クリーチャーを重厚にする能力も機能しないため、他の自分の低パワー高タフネスのクリーチャーも大抵はバニラとなり、ただの壁と化す。 さらには自ターン中はすべてのクリーチャーをタフネスで殴らせるため、対戦相手の高タフネスクリーチャーを強化してしまい、迂闊に殴りに行けなくなるという事態も発生する。どうして……。
この時限性の全体重厚化能力に加え、6マナという重さも相まって《Baldin, Century Herdmaster》は非常に扱いの難しい統率者だ。《包囲の塔、ドラン》並みかそれ以上のプレミ誘発機。白単色でアドバンテージを稼げない能力なのも構築の難しさに拍車をかける。
パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを与えるメカニズムを使った統率者デッキを組みたいならドローのできる《策略の龍、アルカデス》、背景選択によってデッキ構築の柔軟性が高い《ラサード・イン・バシール》、3マナと軽く、重厚能力の祖である《包囲の塔、ドラン》など選択肢は他にもあるため、最初に触れる重厚統率者として《Baldin, Century Herdmaster》を選ぶことはお勧めしない。
「パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る」という能力だが、戦闘ダメージの割り振り方法を変更するだけなので、格闘などの戦闘ダメージではないダメージを与える際には機能しない。また、何らかの効果でパワーを参照する場合、タフネスを代わりに参照してくれたりもしないのでその点には気をつけたいところ。
逆に言うとパワーが上昇していないので、白によくある高パワーを狙い撃ちにする全体除去と非常に相性が良い。
この全体除去との相性の良さが《Baldin, Century Herdmaster》の生命線なので、デッキ構築の際は覚えておきたい。
ちなみに《Baldin, Century Herdmaster》の致命的欠陥である自ターンのみにしか重厚能力が機能しないという点については、他の、常に機能し続ける重厚能力を持っている統率者を事前に使っておけば、防御時にも機能するのだろうと思い込ませることで、ある程度誤魔化すことができるかもしれない(効果の保証はしません)。
デッキリスト
デッキのコンセプトはパワーよりタフネスの高いクリーチャーを並べて殴ろうというもの。
構造としては高タフネスのクリーチャー、《Baldin, Century Herdmaster》を早めに出せるカード、《Baldin, Century Herdmaster》を保護するカードに分類できる。
基本的に殴ることしかできない。
このデッキでやること
クリーチャーを並べ、《Baldin, Century Herdmaster》を出し、殴る。
それだけである。
細かいやりとりとか、コンボとか、大量ドローとか、踏み倒しとか、そういったものは何もない。クリーチャーを出して対戦相手を牽制し、《Baldin, Century Herdmaster》を出して殴るのみ。
このデッキを使う上で大切なのは《Baldin, Century Herdmaster》を出すまでを如何に耐えるかと、《Baldin, Century Herdmaster》を出したあとを如何に耐えるかである。一生耐えないといけない。
先述の通り《Baldin, Century Herdmaster》は自ターンにしか機能しないため、攻撃してくる素振りを見せてきた相手には「本当に殴るんですか?」と問いかけて《Baldin, Century Herdmaster》の能力の適用時期の説明をはぐらかしながら戦闘を可能な限り回避しよう(説明を求められたらちゃんと答えましょう)。
構成解説
クリーチャー
《Baldin, Century Herdmaster》の能力がタフネスを参照する以上、採用するクリーチャーは基本的にパワーよりもタフネスが高い。
パワーとタフネスの値が等しい、いわゆる正方のクリーチャーを採用しても《Baldin, Century Herdmaster》の恩恵は受けられるが、パワーで殴れてしまうと《Baldin, Century Herdmaster》でデッキを組む意義が薄まるからだ。
もっとも、白単色である以上それだけで選出するのは難しいので、時折能力目当てにパワーとタフネスの差が小さいクリーチャーも採用している。
EDHの白の嗜み、ヘイトベアーや行動妨害は当然搭載。いずれもパワーよりもタフネスの方が大きいので《Baldin, Century Herdmaster》の影響下で立派な戦力になってくれる。
とはいえ手元にあったのがこの4枚だけだったので枚数はやや少なめ。上述の通りヘイトが上がりすぎて殴りに来られると厳しいので出すタイミングは見極めたい。
この枠をもっと増やしたい、あるいは一部のカードを入れ替えたい場合、《門衛のスラル》、《静寂をもたらす者》、《魂なき看守》あたりがおすすめ。通常の2/2サイズのヘイトベアーは「重厚の影響下で戦力になるから入れている」という大義名分が成り立たなくなるので入れる場合は慎重に。
《ドラニスの判事》は説明不要のEDH最強のヘイトベアー。考えなしに出して世界の敵になるとまず間違いなく負けるので、優勢状態に蓋をする目的か、手札以外の領域を使ってインチキをしてくる相手に対する対策のような大義名分が立つ状態で出すことを心掛けたい。
《トカートリの儀仗兵》はクリーチャーが戦場に出ることによって誘発する能力(いわゆるETB)すべてを誘発させない。クリーチャー自身が持つETBはもちろん、クリーチャー1体が戦場に出るたび~のような置物の能力も誘発しない(具体的には《グレートヘンジ》のドロー能力など)。
このデッキにはちょこちょこETBを扱うクリーチャーがいるので、迂闊に出すと自分の首を絞めるので劣勢時に出す際は慎重に。
《弁論の幻霊》は各プレイヤーの唱えられる呪文の回数を1回に制限する。1回に制限すれば、おのずとゲーム全体の速度が落ちるので、6マナという重めの《Baldin, Century Herdmaster》も唱えられるだろうという目算で採用。卓の統率者が全体的に重い場合は最速で出さずに各統率者が出てきて好き勝手されそうなタイミングで投入したい。
《風生まれの詩神》は殴り合うレベル帯において非常に強力な1枚。
《亡霊の牢獄》を内蔵しており、こちらへの攻撃にクリーチャー1体ごと2マナの税を課すため、単騎で殴ってくるデッキ以外からはほとんど殴られない。殴りに行かなければマナの損もしないため、絶妙なバランスの妨害カードである。
《Baldin, Century Herdmaster》を出すまでにどう耐えるか? という問題に対する最もスマートな回答の1つだろう。卓のライフが削れるスピードが速いと2マナ払ってでも攻撃されるようになるけど。 このデッキには《亡霊の牢獄》も入っているので実質2枚体制。
《Baldin, Century Herdmaster》を出すまでに生き延びる方法は相手の行動を妨害するだけではない。MTGはライフが0になったら敗北なのだから、逆にライフが0にならないように回復すればそれは延命になるのである。
《太陽に祝福されしダクソス》はこのデッキを組む理由の5割くらいを占めている。自分の白の信心分に等しいタフネスになるという重厚デッキ向けの能力を持ち、しかし大抵の重厚デッキでは白の信心を安定して確保できないために《Baldin, Century Herdmaster》を統率者にした白単色の重厚デッキを組み上げた、と言っても過言ではない。自分のクリーチャーが戦場に出たり死亡するたびに1点のライフが得られる能力を持ち、更に白の信心を稼げば稼ぐほどタフネスが上昇して場持ちが良くなる上に打点も上昇する。
2マナという出しやすさも取り回しが良く、序盤から安定してライフを回復していけるだろう。
《コーの祝賀者》は白単色のこのデッキにおいて、《太陽に祝福されしダクソス》のほぼ下位互換である……が、ダクソスと異なりクレリックなので、デッキを強化する上での拡張性に対応している。
また、戦場にクリーチャーを出すだけで1点回復という挙動自体が安定しているので《太陽に祝福されしダクソス》の2枚目としての役割で十分とも言えるだろう。ダクソス共々クリーチャーが戦場に出ることを誘発の条件としているので、《トカートリの儀仗兵》で自縛してしまうことがある点には注意。
《夜明けの司祭》は2マナで実質3/3絆魂になれるから良いかな……という感じで入っている。1マナ0/4バニラの方が打点としては高いのだが、EDHでの1点の差はあまり大きく感じることがないなと思ったのでせめて能力を持っている《夜明けの司祭》を採用することにした。《コーの祝賀者》同様にクレリックなのでデッキを強化する上での拡張性に対応しているのが長所と言えば長所か。
ただ実際に使って見ると他の白絡みの統率者と異なり、2マナ実質3/3絆魂になるタイミングが《Baldin, Century Herdmaster》を出してからに限られるので採用理由が若干怪しい。
《無法者の医者》は《夜明けの司祭》と同じ2マナ1/3絆魂持ちで、更に死亡時に1ドローできる《夜明けの司祭》の上位互換と言って良い(クレリックではない)。白単色のデッキに乏しい貴重なドローができる上に低パワー高タフネスのクリーチャーなので採用。
《ロウクスの信仰癒し人》は4マナ1/5で絆魂を持ち、更にライフの回復量を倍にするクリーチャー。
通常は自身のパワー1による絆魂で得たライフを倍にして2点回復だが、タフネスで殴る重厚デッキでは5点の回復を倍にして10点得られるようになる。すごい!
単体で十分な活躍をしてくれる《ロウクスの信仰癒し人》だが、ライフ回復枠の他クリーチャーのライフ回復も当然2倍にしてくれるのでありがたい。《太陽に祝福されしダクソス》のライフ回復が2点になるだけで割と生き残りやすくなるのでなるべく生かしておいてあげたい。
”パワーと比較して妙にタフネスの高いクリーチャーを採用することに喜びを見出していくことになる”と先に述べたが、その喜びを見出したクリーチャーがこれらである。
重厚の影響下では、マナコストと比較して基本的に破格のP/Tを誇るクリーチャーで、《Baldin, Century Herdmaster》を出した直後に殴りに行けるように5マナ以下で固めている。実際は白単色の6マナ以上にそこまでの低パワー高タフネスがいないだけ。
《不屈の古樹》は4マナ2/10のバニラである。重厚の影響下では実質4マナ10/10となるため、《ギガントサウルス》を超えるスペックだ。
単純に高タフネスなので《Baldin, Century Herdmaster》がいなくとも地上を固めることができ、生存性の向上も見込めるだろう。
レアでありながらバニラというインパクトから、統率者で、パワーではなくタフネスで殴る能力の話になると大抵これの話題が出てくる。
《信義の神オケチラ》は4マナ3/6破壊不能のスペックに加えて二段攻撃を持っている。重厚デッキでは実質6/6破壊不能・二段攻撃だ。強い。アモンケットの神サイクルの1枚で、その高いスペックと引き換えに、条件を満たすまでは攻撃もブロックもできない。オケチラの条件は自身以外に3体以上クリーチャーをコントロールしていることで、EDHであれば比較的達成しやすい部類だ。4マナを払って1/1のトークンを出す能力も持っているのでとりあえず出せれば、いずれは殴れる。
破壊不能なのでこのデッキに入っている全体除去との相性も良い。
《運命の天使》は5マナ2/6飛行二段攻撃と、重厚の影響下であれば《信義の神オケチラ》と同等かそれ以上のスペックを持つ。加えて自分のクリーチャーが戦闘ダメージを与えると防御プレイヤーと自分のライフを回復する謎の能力もある。なぜこんな能力を持っているのかというと、終了ステップ開始時に自分のライフ総量が初期ライフの15点以上ならこのターン《運命の天使》に殴られた防御プレイヤーを敗北させるからだ。特殊敗北能力を持つこのカードの存在によって一応Level5相当と名乗れていると言っても良い。
特殊敗北を抜きにしても自分のクリーチャーすべてがいわゆる魂の絆能力を持つようになるので、ゲーム終盤の生存性を高めてくれる(殴った先も回復するからライフ差はあまりつかないけど)。
《古代の化身》は5マナ1/10で、表向きになったときにターン終了時まで自軍クリーチャーに呪禁を付与してアンタップする能力を持つ。
表向きになったときの能力があるとはいえ、5マナ1/10というスペックは4マナ2/10の《不屈の古樹》の下位互換である。表向きになったときの能力は裏向きに出さないと機能しないため、基本的にこのデッキでは使わない。
《不屈の古樹》と比較して、パワーが1以下であることは重厚デッキのクリーチャーとしてはありがたいのだが、1マナ重く、アーティファクト・クリーチャー故の脆さはそれを帳消しにするかのような欠点である。主力群の中で唯一アンコモン故に致し方ないと言えなくもないが。《不屈の古樹》がレアなのは時代じゃないか?
とはいえ重厚の影響下であれば、そのまま出しても《ギガントサウルス》相当なので最低限のスペックはあると言えよう。
《永遠神オケチラ》は1マナ重い《信義の神オケチラ》である。
5マナ3/6二段攻撃という性能に加えてクリーチャー呪文を唱えるたびに4/4の警戒持ちトークンを生成するという、神話レアにふさわしい性能をしている。《信義の神オケチラ》と異なり破壊不能がない代わりに攻撃とブロックに関する制限はなく、出してすぐクリーチャーとして働いてくれるのは嬉しい点。死亡、または追放時に自身をライブラリーの上から3枚目に置く能力も《告別》、《剣を鍬に》のような追放除去が飛んできがちなEDHにおいては頼もしい。
ETBが目当て、あるいは重厚デッキと相性の良いスペックではないが能力を目当てにしている枠。
ドローソースに乏しいデッキなので、《永遠のドラゴン》とか入れたほうが良いかもしれない。
《黎明運びのクレリック》はエンチャントと墓地に触れる2マナ1/3クレリック。持っているスペックすべてが重厚デッキと噛み合っており、器用な性能をしているので、白絡みだと入れがち。2点のライフを得ることもこのデッキではそこまで無駄にはならない。ETBなので《トカートリの儀仗兵》との相性が悪い。
《薄れ馬》は1マナの想起コストを持つ1/3飛行クリーチャー。ETBでエンチャントを破壊する能力を持ち、想起で唱えると《啓蒙》に相当する。
自分よりも前のプレイヤーが出した面倒なエンチャントを最速で割ることもできるし、3マナで実質3/3飛行クリーチャーとしての運用もできるので採用。
想起の生け贄はETBでの誘発なので《トカートリの儀仗兵》が隣にいると不発して白1マナで3/3飛行が出せる(エンチャント破壊能力も不発だが)。
《弱者の師》は2/2だが、パワー2以下のクリーチャーを戦場に出すとドロー能力が誘発するため、名誉重厚クリーチャーと言っても差し支えない。
とはいえクリーチャーを戦場に出したときに追加で1マナを要求するため、採用する際はデッキ構築を考える必要がある。
幸いこのデッキはドロー・ソースをえり好みしている余裕がないためすんなり入った。
ドロー能力はクリーチャーが戦場に出ることで誘発するので《トカートリの儀仗兵》で誘発しなくなる。
《優雅なアンテロープ》は4マナ1/4で世にも珍しい平地渡りを持つ。
土地渡り能力の中で平地渡りを持っているカードは非常に少ないが、《優雅なアンテロープ》はそれに加え、戦闘ダメージを与えると対象の土地を自身が戦場を離れるまで《平地》にする能力も持っている。この能力、《平地》に変更する際の対象に制限がないため、プレイヤーAに攻撃してプレイヤーBの土地を《平地》にするというプレイも適正だ。
そのため、一度でも攻撃を通すことができたならすべてのプレイヤーの土地を渡っていくことが可能である。
また、《平地》にするというのも平地の土地タイプを追加するのではなく、《血染めの月》と同様の上書きなので、事実上の土地破壊にもなり、厄介な土地を封印するのにも役立つ。
《エメリアの番人》はゲームが長引くことを想定しているこのデッキでリソース回復を目的に入れている。
7マナ4/4飛行という性能だが、土地を1つ戦場に出すたびに墓地から土地でないパーマネント・カードを手札に戻すことができる。更に出した土地が《平地》だった場合は直接戦場に戻せるため、白単色のこのデッキでは非常に強力だ。通常のデッキであれば《太陽のタイタン》で事足りると思われるがこのデッキは4マナ以上のカードが多いため、こちらを採用。
《平地》を出した際、手札に戻すか、戦場に出すか、そのままにするかを選べるらしいので、墓地から戦場へ戻ることを禁止するカードがあっても手札に戻せるし、《Baldin, Century Herdmaster》の能力のためにあえて戦場に戻さず手札を増やすこともできる。
《気高き院僧》は平地サイクリングを持つカードで、サイクリング能力を目当ての採用。
最悪、素出ししても重厚の影響下なら6マナ6/6警戒相当なので戦力として活躍してくれるだろう。
あとクレリック。
世にも貴重なタフネスだけに修正を与えるクリーチャーたち。
《栄光の頌歌》のような全体修整でパワーを上げてしまうといろいろと不都合が起きやすいので採用している。全体的に重い。
《祝福された語り部》は4マナ1/4で他のクリーチャーに+0/+1修整を与えるカード。正直4マナでこの能力か……と思ってしまうが、全体に+0/+1するエンチャントが2マナなので実質2マナ1/4である。強い……と思う。
タフネスが1増えるだけでも戦況に影響は十分出るので活躍はしてくれる方。クレリック。
《誓いを立てた巨人》は+0/+2修正に加え、警戒も持たせてくれる大盤振る舞いな性能。ただしその性能と引き換えに6マナと重く、《Baldin, Century Herdmaster》とマナコストが被っている。
さすがに全体に実質+2/+2修正ともなれば《大修道士、エリシュ・ノーン》相当なので、平成のアンコモンとしては十分な性能ではないだろうか。対戦相手への修正は考慮しないものとする。
上記の分類に入らなかったクリーチャーたち。弱いわけでもなく特徴もあるのだが似たような役割のカードが少ないのでこうなった。
《巨大雄牛》は2マナ0/6で機体にタフネスの値で搭乗できる。しかしこのデッキに機体は入っていないので基本的に2マナ0/6バニラだ。
低パワー高タフネスのバニラ・クリーチャーは後半に引くと悲しい思いをしがちなのであまり入れたくはないのだが、このデッキは全体的にタフネスの平均値が低いのでそれを補うために採用。2マナでタフネス6という数値は序盤の壁に良し、終盤の中堅戦力にも良しとあまり無駄がない。
《スカイクレイブの僧侶》は手放しで出しておける2マナ域が少ないと思ったので採用。基本的には土地として出し、盤面が危ういと思ったらクリーチャーとして出す。ETBで2点のライフを得られる能力もこのデッキとは微妙に相性が良い。
《極楽の羽ばたき飛行機械》は苦し紛れに投入したマナファクト兼クリーチャーである。2マナ0/2飛行なので最悪飛行戦力になるし、マナも出るので《Baldin, Century Herdmaster》を早く出すこともできる。普通のマナファクトを投入したほうが良い気もするが、こういった機会でもないと二度と採用されることもないのではないかと思っている。
《ノーンの僧侶》は白を含む重厚デッキにとってはお馴染みの警戒持ちの感染クリーチャー。タフネスを上昇させてやることでジェネリック《荒廃鋼の巨像》となり、殺意が高まる。クレリックなのも良い。
基本的には感染の、何故かクリーチャーに対して-1/-1カウンターが乗る仕様を活かして対戦相手の攻撃を牽制しながら、自分は警戒で毒かクリーチャーの弱体化を選択させるという使い方になる。
インスタント&ソーサリー
白単色のデッキに入れられるインソーは限られているので、大体どんなデッキにも入るようなカードは割愛。このデッキでの役割が明確に決まっているもの、あるいは、普通のデッキには入らないものだけを列記する。
他の重厚デッキと異なり、複数のクリーチャーを重厚にできるカードが《Baldin, Century Herdmaster》しかないため、防御用のカードは投入せざるを得ない。
可能な限り低マナで、EDHでよく見るタイプの除去が回避できるようなものを採用。
《鍛冶屋の技》は呪禁と破壊不能を持たせる、昨今の構築でも時折使われるタイプのコンバット・トリック。アーティファクト・クリーチャーを対象にすると+2/+2修正が掛かるようになるがこのデッキには2枚しかないので基本的に気にしなくて良い。
パーマネントならなんでも呪禁と破壊不能を持たせられるので柔軟性が高い。割られたら困るパーマネント全般を守ることができるし、コントローラーも問わないので対戦相手のパーマネントも守れる。
《不愉快の拒絶》は、やや特殊な白の打ち消し。自分のパーマネントを対象とする呪文1つを打ち消す。とりあえず単体除去を1マナで拒絶できるので採用。
自分のパーマネントが対象になっていれば良いので、複数のパーマネントを対象に取れる除去も自分のパーマネントが1つでも対象になっていれば打ち消せる。そのため《不愉快の拒絶》を見せてこちらのパーマネントを対象にするなら打ち消す旨を伝え、対戦相手をコントロールすることもできなくもない。
《精霊への挑戦》は自分の白のクリーチャーに選んだ色1色のプロテクションを持たせる。このデッキは白単色なので無色の《極楽の羽ばたき飛行機械》以外すべてのクリーチャーにプロテクションを持たせられる。
1マナなので単純に単体除去を弾く運用でも十分なのが良い。
あるいはプロテクションにはブロックされない機能もあるので攻撃にも使える。
《確実性の欠落》は青の《記憶の欠落》の白版。確定打ち消しで打ち消した呪文をライブラリーのトップに置く。《記憶の欠落》が2マナだったのに対して3マナと重くなっており、取り回しが悪くなっているが、白単色で無条件に確定打ち消しが撃てるのはそれだけで強い。
白から打ち消しが飛んでくることを予想するのは非常に難しいので相手の虚を突けるのも好きな点。もっとも、ライブラリーのトップに戻ってしまうので考えなしに使うと1ターン延命しただけになってしまうので注意したいところ。
白を含む重厚デッキを使うなら誰でも思いつくであろう採用カードが高パワーのクリーチャーを狙い撃ちにする全体除去だ。
当然このデッキでもそれらを採用し、自分の盤面を守りながら相手の盤面を壊滅させることを狙う。特に白単色のこのデッキでは他のデッキでは気になるダブル・シンボルも気にならないので使いやすい。
《強者鏖殺》は各プレイヤーにパワー4以下になるようにクリーチャーを選ばせ、それ以外を生け贄に捧げさせる。生け贄なので破壊不能も無力で、3マナと取り回しも良い。各プレイヤーごとのパワー合計を4以下に均すので盤面の打点は大幅に減り、生存性の向上が見込める。
他の重厚デッキと異なり、パワーが0のクリーチャーの採用数が少ないので自分の盤面も巻き込みやすい点には注意。
《水の辺村の合戦》はパワー3以上のクリーチャーを破壊するソーサリー。3マナと軽く、パワー3は最近のクリーチャーなら標準装備みたいなところがあるのでかなりの数を巻き込める。《強者鏖殺》と異なりこのデッキで巻き込まれるクリーチャーはほとんどいないので安心してぶっ放そう。
3マナという軽さ故に4番手でも頼りになる性能。破壊効果の処理後のついでに何故か自分のクリーチャーの数だけ生成される食物・トークンもこのデッキではありがたい。一方的な破壊が気持ち良くて生成するのをよく忘れる。
《侵入者の放逐》は5マナとやや重いが柔軟性のある全体除去。
0から10までの数字を選び、それ以上のパワーを持つクリーチャーを破壊する。戦場にいると困るクリーチャーのパワーに合わせて撃てるため、パワー2以下の小粒を並べてくるタイプの相手にも機能するし、全体的にパワーが高い戦場ならパワー3くらいまで残せたりもする。
最低値が0なのでパワーがマイナスのクリーチャーは基本的に除去できない(例えば、0/2に-1/-1カウンターを乗せればパワーが-1になるので破壊を回避できる)。
《報いの波》は個人的に挙動が好きな全体除去。
5マナと重いが、各クリーチャーが自分自身にパワー分のダメージを与える。
この挙動により1/1のような小粒のクリーチャーも処理できる上にこちらのパワーよりタフネスの方が大きいクリーチャーはまず生き残るので非常に使い勝手が良い。他の全体除去と組み合わせることで戦場を一掃できるだろう。
発生源が各クリーチャー自身なので変なところで変な作用を起こす。例えば、絆魂、接死、感染などダメージを与えることをどうこうする能力が機能するため、パワーよりもタフネスが大きいクリーチャーであっても接死持ちなら結果として破壊されるし、《ファイレクシアの抹消者》のような発生源のコントローラーを参照する能力も抹消者自身がダメージを与えているため抹消者のコントローラーがパーマネントを生け贄に捧げることになる。
《黄昏//払暁》は全体除去におまけがついた1枚。
《黄昏》側はパワー3以上のクリーチャーをすべて破壊するというシンプルな効果で、《水の辺村の合戦》の元ネタである。4マナなので全体除去として最低限のマナ・コスト。
《払暁》側は墓地にあるときに唱えられる片側で、パワー2以下のクリーチャーを自分の墓地から手札に戻す。パワー2以下のクリーチャーを大量に詰め込んでいるこのデッキではほぼすべてのクリーチャーを回収できるだろう。
アーティファクト&エンチャント
一般的なマナファクトや妨害エンチャントは割愛。
白単色特有であったり、重厚デッキ特有だったり、このデッキ特有だったりするものを列記していく。
《野の源獣》は平地にエンチャントできるオーラ。2マナを払うとエンチャント先の平地が2/5のクリーチャーになり、「ダメージを与えるたび、あなたはそれに等しい点数のライフを得る」、いわゆる魂の絆能力を持つ。
絆魂と異なりダメージを与えるたびに誘発する能力なので、複数この能力を持つとその分誘発する。そして《野の源獣》の2マナ払ってクリーチャー化する能力を複数回起動することでこの能力を起動回数分得られる。
重厚の影響下で2回起動して戦闘ダメージを与えれば5点回復が2回誘発して10点回復できるようになると思えば中々強力ではなかろうか。
更にエンチャント先の平地が墓地に行ったとしても《野の源獣》を手札に戻せるため、白単色のこのデッキでは無尽蔵に使えると言っても過言ではない。
最悪重厚の影響下でなくとも2マナ起動で十分序盤の壁になってくれるので頼りになる。
欠点は能力と挙動の説明が面倒くさいこと。
《土地税》は自分のアップキープ開始時に対戦相手1人が自分よりも土地を多くコントロールしていたなら基本土地を最大3枚手札に持ってこれるエンチャント。対戦相手のうち1人でも多ければ良いので多人数戦であるEDHの場合、2番手以降ならほぼ確実に誘発する。
3枚ドローをしているに等しいのでドローに乏しい白単色のデッキでは非常にありがたく、更に、《Baldin, Century Herdmaster》の攻撃誘発は手札枚数が大事なのでその点でも相性が良い。
《光糸の場》は2マナで自分のクリーチャーに+0/+1の修正を与えるエンチャント。似たような能力を持つカードの中で最軽量の2マナは非常に貴重。もっと増えろ。 クリーチャーでないパーマネントが変異を持つデザインのサイクルのカードなのでエンチャントなのに変異を持っている。極稀にクリーチャーの頭数の確保用に裏向きで出すこともあるが、変に勘繰らせてもヘイトが上がるだけなので基本的には表向きで出したい。
《ストーンスキン》はその特徴的な修整値から、重厚デッキを作る際に採用を検討されがちなオーラ。1体しか強化できないため、本来は大きな戦闘ダメージを与えることに意味のあるデッキで採用するのが望ましい。
《Baldin, Century Herdmaster》につけてタフネスを17にすれば手札4枚で統率者ダメージ21点に届くという理由から採用しているが、逆に言うと重厚にするカードが《Baldin, Century Herdmaster》以外にないこのデッキでは当人以外につけてもさほど恩恵がないためそこまでして入れなくても良いのではと感じている。瞬速を持っていて奇襲性が高いので《Baldin, Century Herdmaster》が立っていれば後半引いても腐りにくいのは利点か。
多少重くても全体のタフネスに修正を掛けるタイプのインスタントと入れ替えても良さそう。
《合鍵》は装備先に潜伏と戦闘ダメージを与えた際にルーティングできる能力を持たせる装備品。1マナと軽く、装備コストも2マナと比較的軽い。
潜伏を持っているクリーチャーは自身よりも高いパワーのクリーチャーにブロックされなくなるのでパワー0の《Baldin, Century Herdmaster》であればパワー1以上のクリーチャーにブロックされなくなる。
そうでなくともこのデッキのクリーチャーは大抵パワー1なのでブロックされにくく、ルーティングで手札を回しやすい。
誰につけても恩恵を受けられるので《策略の龍、アルカデス》以外の重厚デッキだととりあえずで採用しがち。
《金屑ワームの鎧》は装備先に+0/+6の修正を与える装備品。重厚の影響下であれば実質+6/+6である。
1マナと軽く、修整値が大きいので重厚デッキと相性が良いのだが、このデッキに限っては重厚にするカードがほとんどなく安定してクリーチャーを重厚にできないので採用理由が若干怪しい。《ストーンスキン》同様にタフネスへの全体修整を掛けるインスタントと入れ替えても良さそう。
《Baldin, Century Herdmaster》に装備すると2回殴るだけで統率者ダメージが21点に届くという点は評価できるのだが。
《終わりなき地図帳》は2マナのドロー・エンジン。なんと2マナとタップでカードが1枚引ける。起動の条件として同じ名前の土地を3つ以上コントロールしている必要があるが白単色のこのデッキでは《平地》3つくらい簡単に揃う(はず)。とにかく引く手段が欲しいので採用。
《オケチラの碑》は白のクリーチャー・呪文のコストを(1)軽減するアーティファクト。
《Baldin, Century Herdmaster》が1マナ軽くなるだけでもだいぶ違うので採用。更にクリーチャー・呪文を唱えるたびに警戒を持つ1/1トークンを出してくれるので、《Baldin, Century Herdmaster》の攻撃誘発の対象の取り先にもなってくれる。
《真珠の大メダル》と合わせて2マナ軽減できれば非常に動きやすくなるだろう。
《ストリクスヘイヴンの競技場》は3マナの特殊敗北能力を搭載したマナファクト。
これからマナを出すか戦闘ダメージを与えるたびに得点カウンターが乗り、10個目のカウンターが溜まった時点ですべてのカウンターを外し、攻撃先のプレイヤーが敗北する。ただし、マナ能力でカウンターを10個溜めても敗北しないし、自分に戦闘ダメージが与えられると殴ってきたクリーチャー1体につきカウンターは1個ずつ外れてしまう。
上記の《オケチラの碑》などクリーチャーを横並びするカードで頭数を揃えられたならこれで敗北させやすくなるので採用。
細かいテクニックとしては、10個目のカウンターが乗った時点の殴り先が敗北するため、9体の攻撃をプレイヤーA、1体の攻撃をプレイヤーBに通したとき、10回能力が誘発するが、10個目のカウンターを乗せる処理をプレイヤーBに戦闘ダメージを与えた際の誘発にすることで1体しか攻撃を通していないプレイヤーBを敗北させることができる。
ここまで極端な偏りはないだろうがある程度カウンターが溜まった状態で2体と2体と1体の攻撃が通るみたいなパターンは考えられるので覚えておきたい。
10体ごと、計30体の攻撃が各プレイヤーに通れば10回ごとに対戦相手を1人敗北させられるがさすがにそこまでの数は確保できないだろう。
《交易所》は4つの能力を持つ4マナのアーティファクト。各能力で出力される結果が次の能力のコストになっており、非常にゆっくりとループさせることができる。とはいえ4人対戦のEDHでループをしている余裕はないので使える能力を使えるときに使おう。
このデッキであれば0/1のトークンを出す能力は1/1のトークンを生成しているのと変わらないので主にこれを起動していく。起動コストもライフ1点と《太陽に祝福されしダクソス》あたりを出していれば容易に回収できる。
また、《家宅捜索》が出せていれば、手掛かり・トークンを1マナでドローできるようになると言えなくもないし、《水の辺村の合戦》で出てきた食物・トークンもドローに変換できる。
《失われし夢の井戸》はこのデッキの複数枚引ける貴重なドロー・ソースである。
ライフを得るたびにその点数以下の不特定マナを支払うことで支払ったマナ分、カードが引ける。
《太陽に祝福されしダクソス》のような小さく連続でライフを得られるカードが《弱者の師》相当になってくれるのでありがたい。
また、大きくライフを得るカードなら大量にドローができる。
直前に紹介した《交易所》であれば手札を1枚捨てて4点のライフを得るので差し引き3枚のカードが引ける。
《水の辺村の合戦》から出てきた食物・トークンもインスタント・タイミングの5マナで3点ライフ回復、3ドローに化けるので強力だ。
得たライフ分払わなければならないのではなく、以下であれば良いので柔軟性が高いのも評価点。欠点はドロー・ソースなのに4マナとやや重いこと。
《魔力の篭手》は単色デッキの強い味方。色を1色選び、その色に対応する基本土地から出るマナを2倍にするし、ついでに+1/+1修整も与えてくれる。
対戦相手の白いクリーチャーにも修正を与えるし、《平地》から出るマナも2倍になるが、白単色と当たることはほとんどないだろうし、対戦相手のクリーチャーのパワーが上昇するので全体除去に巻き込みやすくなると考えよう。
定着すればマナの生産量が2倍なので《Baldin, Century Herdmaster》も簡単に出せるし《失われし夢の井戸》の誘発も簡単に払えるようになる。
修正を与えてくれるので最悪《Baldin, Century Herdmaster》の存在を無視して殴り勝てる可能性を作ってくれるのも偉い。
土地
土地35枚中26枚が基本土地の《平地》なのでほとんどいうことがない。
残りも《トロウケアの廃墟》とかのサクリファイス・ランドとか、《乾燥高原》みたいな白単色のバウンス・ランドばかりである。あと《爆発域》と《邪神の寺院》。
《空の遺跡、エメリア》は自分のアップキープ開始時に平地を7つ以上コントロールしていると自分の墓地からクリーチャーを戦場に戻せる土地。
基本土地の《平地》ではなく平地の土地タイプを持っていれば良いのだが7つという条件を容易に満たすにはほぼ白単色である必要がある(単色であっても7つも土地を並べるのは容易ではないという突っ込みは置いておく)。
条件を満たせば毎ターン誘発する上に土地なので触れられにくい。
自身をサクッてどうこうするクリーチャーは特に入っていないが、除去を牽制できる、あるいは除去からの復帰をノーコストでできるのは優秀である。
《接続トンネル》はパワー3以下のクリーチャーをブロックされなくする土地。パワーの制限がない《ならず者の道》と比較して起動コストが1マナ軽くなっている。両方採用したほうが良い気はするが別段、強力なサボタージュ能力を持っているクリーチャーがいるわけでもないので1枚採用で十分だと思っている。
《近づきがたい監視塔》は2マナ払うと1/5のクリーチャーになる土地。
防衛を持っているわけではないのでこのデッキでも重厚の影響下では2マナ実質5/5として振舞える。《魔力の篭手》の影響下では《平地》1枚でクリーチャー化できる上にしれっと白になっているので《魔力の篭手》の修正を受けて2/6になる。強い。
欠点はタップインなのと殴り合うEDHのレベル帯だと大ぶりな動きをしがちなのでクリーチャー化できるほどマナが余る機会が少ないことか。
終わりに
最初に《E. Honda, Sumo Champion》を見たときは、まぁコラボセットだしこれくらいの性能だよね~統率者にするには辛いけど重厚デッキの重厚にするカードにならなるかな~くらいに思っていた(し今もそう思っている)。
6マナという重さでアドバンテージも稼がなければ何かしら強い能力を持っているわけでもない白単色のクリーチャーでデッキを作ることはないだろう……とも思っていたのだが、ふと「今までに作った重厚デッキ3つに加えてもう1つ重厚デッキを作って統率者の卓を立てたら楽しいのでは」というアイデアが浮かび、急遽《Baldin, Century Herdmaster》を統率者に据えたデッキを作ることになった。
必要そうなカードを買うにしても届くのを待っていたら熱が冷めてしまう気がしたのでとりあえず手元にあるカードでデッキを作った。そのため構築がやや甘い。特に無限コンボのパーツなり対戦相手3人を倒せるカードなりが手元になかったので殺意が随分と低い。それでも対戦相手を殴り倒すという意志と戦うためのカードを搭載しているのでLevel5としている。
白単色のドローは辛いと以前から聞き及んでいたが、実際に回してみるとまあまあドローが弱くて辛い。ただ、そもそも本格的な動き始めが遅めなのと、それなりにドロー・ソースを積んだおかげか、そこまでストレスはなかった。
そして構築が甘いということはまだまだ改良の余地があるということだ……と言いたいが、そこまでして改良することもないのでは? という気持ちもあり、両方の思考がせめぎ合っている。心が2つある~! というのも先述の通り、《Baldin, Century Herdmaster》は統率者として重く、更に白単色になる都合上、クリーチャーを重厚にするカードもほとんど入らない。白単色でアドバンテージを稼がない統率者という時点で辛いのに、重厚デッキとしての構造も統率者に依存せざるを得ない脆さなのだ。
とはいえ、そういった不便さもまたデッキ制作においてはちょうど良い縛りだと言える。決して初心者や重厚デッキに興味があるPWに推奨できる統率者ではないが、《Baldin, Century Herdmaster》は中々興味深い統率者だった。
初心者や重厚デッキを組もうと考えているPWがいるのなら、悪いことは言わないので別の統率者でデッキを組んだ方が良い。
しかし、それでもなお《Baldin, Century Herdmaster》でデッキを組みたいと思ったPWのために、この記事を残す。そういったPWの役に立てば幸いである。
これ以降は《Baldin, Century Herdmaster》を更に真面目に組むなら採用したいカードを記す。興味のある方だけ見てほしい。
少しだけ改良案について触れると、手元にあるのなら《世慣れた見張り、デルニー》は入れたほうが良い。入れない理由がないからだ。
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