恥ずか死 日本人の自殺原因

恥ずか死。私が卒業論文で使った造語である。

日本人の自殺数はとても多い。WHOの調査によると世界で第7位、 G7では一位となっている。どれくらいの数かというと令和2年は21,081人。

多すぎて想像がつかない、という人は交通事故死と比べてみるとわかりやすい。事故死が2839人なので、

自殺は事故死の約9倍。

少しは、想像つきやすくなったと思う。毎年信じられないほどの人間が自ら命を絶っているのだ。

ではなぜ日本人は自殺する人がこれほど多いのか。その原因が今回の題名にもなっている

恥ずか死

である。どういうことか順を追って説明しようと思う。

まず初めに、日本人は自殺率と失業率に強い相関関係がある。

つまり失業者が増えると、自殺が増えるのである。自殺率と失業率の相関係数(-1から1の間で表され、0だと相関なし)をみると

日本は(+0.886)

対して他の先進国は

アメリカ(+0.542) 

ドイツ(-0.238) 

フランス(+0.134)

スウェーデン(+0.087) 

スペイン(-0.017)

このようになっており、ヨーロッパではほぼ相関しないことがわかる。では次になぜ、失業者は自殺してしまうのかについて考える。この自殺と失業率の相関関係は男性に顕著に現れている。対して女性はあまり相関していない。その原因は

正社員比率である

2019年の調査では男性の正社員比率は80%弱なのに対し、女性は45%ほどである。つまり女性は失業したとしても正社員じゃない人が約半数いるので、絶望を感じにくいのである。

一方男性は、失業してしまったら、圧倒的少数派になってしまう。

例えば、学生時代のテストを思い出してみてほしい。みんなが50点のテストで40点を取るのはあまり恥ずかしくないが、みんなが80点のテストで40点を取ったらあまり人に見せたくなくなるだろう。

失業も同じである。

周りの人に合わせる顔がないのだ

ちなみに男性と女性の自殺者の割合を見ると30代から50代の男性の自殺数が女性より2.5倍から3倍ほど多く、逆に80代以上はほぼ変わらない。働き盛りの時期に男性が仕事を失うと、自殺しやすいことを示していると言えるだろう。

日本人の周りに合わせると言う習性がこのような事態を引き起こしてしまっていると言える

この恥ずかしいと言う気持ちは生活保護受給率にも現れてしまっている。生活保護を利用する資格がある人のうち、実際に利用している 人の割合は

19.7%

外国と比較するとイギリスでは87%、ドイツでは85%と生活保護を利用する資格がある人のほとんどが利用できている状態である。

憲法25条で保障されている 『すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活』を下回る生活をしている人が外国と比べて非常に多いのが現状である。

また生活保護時給者の自殺率も、全体の自殺率と比べるととても多い。国から毎月、お金をもらっているのにも関わらずだ。

ここでも働き盛りの20代から50代の生活保護受給者の自殺率の高さが顕著に現れている。

20代についていえば、生活保護受給者の自殺率は全体の自殺率の6倍弱にもなる。恥ずかしいと言う気持ちから精神疾患に陥ってしまう人が多いのだ。

結論

日本人は男なら正社員であるべき、20代から50代の働き盛りは正社員として働くべきという男らしさの概念が自殺率を上げてしまっている。

恥ずかしいと言う気持ちで、生活保護を受給しなかったり、他人に合わせる顔が無くなったりして、自殺してしまう人がいる。

職が無くなって恥ずかしいと言う気持ちが死にたいに変わってしまう。

職が無くなっても死にませんし、他人はあなたのことなど微塵も気にしていません。あなたが無くなって悲しむ人いるのであれば、その人のために、這いつくばってでも生きましょう。




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