”ファイターズ内野5人シフトの練習”で思い出した少年野球の頃の自分 #2

前回の記事で、私の少年野球のエピソードを書いた。

ダメエピソードばっかりだったので、今回は誇りに思っていること、すなわち自慢したいこと、というか格好つけたいことを書く。
「自慢話は嫌い」という方はもうページを閉じることを勧める。

そもそも私も、人の自慢話は嫌いだ。よく起業してあーだこうだ言ってるブログがあるが、大抵自分の実力だけで上がってきたと勘違いしている人が多い。その人が成功したのは、周囲の人間や環境に恵まれた背景が存在する。が、それに一切触れずにまるで自分が全てを行ったように喋る人間が、この世界でこんなに沢山いるのかと頭にくる。

かと思えば、Twitterやインスタグラムの自己紹介文に『全ての出会いに感謝!』と書くユーザーにも頭を抱える。本当に感謝してたらそんなとこに書かないで直接できることをしろ!と言いたい。

こんなことを友人に話すと、「お前生きづらそうだな笑」と返された。
ごもっともで、返す言葉も無い。いつもこんな自分と遊んでくれて本当に ”感謝!”


閑話休題。


ファイターズが内野5人シフトの練習を行った記事があった。内野手4人に加えて外野手を内野に一人置き、外野は2人で守るシフトである。一点取られれば負けてしまう絶体絶命の時に使用する予定だそうだ。

この記事を執筆したのは日刊スポーツの木下大輔さんという方である。
きちんと取材した良質な内容のある記事が多く、私はよく読まさせて頂いている。
ファイターズファンの方は是非読んでいただけると嬉しい。



ネット上では、定位置ですらエラーしているのにシフト位置で守れるわけがないという厳しい意見もある。私も正直、野村祐希がショートの守備位置でアウトにするのは想像がつかない…

しかし、この内野5人にしろ、シフトを敷くことに対して私は大賛成なのである。というか絶賛したい。去年の吉田正尚や山川穂高の打席で、シフトがぴったりとはまったのを何回も見た。
勿論裏目に出たこともあったが、野球は ”間” のスポーツなんだから、考えて野球をしないでどうするんだと私は声を大にして言いたい。

(ちなみに本日2月27日の日本ハム対横浜の練習試合で、清宮幸太朗がシフトを敷かれていた。清宮もシフトを敷かれるような選手になったんだと私は感激した。がんばれ清宮!今年は開花の年となれ…!)

ここでタイトルに触れたい。
バネのないボールペンのような、こんなポンコツな私でも一つだけ自慢できた少年野球でのエピソードがある。それは小学生当時、考えて守備を行っていたことである。

セカンド(補欠の補欠!!!)を守っていたのだが、打者とカウントによって守備位置を一人で変えていたのである。と言ってもベンチウォーマーの為、紅白戦などが主だったのだが。袖が濡れる。

シフト(と言っても一人でやってたことだが)を敷く際の手順を書く。

まずは基本
右打者の場合→セカンドベース寄り(センター前のようなイメージ)に守る
左打者の場合→ファーストベース寄り(センター前を空ける)に守る
俊足打者の場合→前に守る
パワー打者の場合→後ろに守る

次に標準
0,1ストライク→気持ち後ろ目に下がる
2ストライク→前に守る
※普通打者は三振を避ける為、少年野球だと2ストライクだと当てに来る打撃が多い。よってこのシフトとなる。
余談だが、自分は打撃時に2ストライク追い込まれて当てにいこうとしても悲しいかな、当たらない。打てない。才能がなかった。

最後に応用
投手の制球が定まらない時→前に守る
※ボールが荒れている時、打者はなかなかバットを振れず、タイミングが取りづらい。ジャストミートすることの方が少ない。投手への声かけもしやすく前にいた方が都合が良い。少年野球では1イニングで1つ四球が出るイメージである。

これだけ?と思う方が大半かもしれないが、”小学生の頃” ”コーチや監督の指示ではなく” 自分で判断して守備を行うことはなかなかできるものではないと自負している。

これが一番の自慢だが、実際の練習試合(紅白戦含む)でセカンドを守っていて、ゴロの打球で横を抜かれたことが一回も無い。全部グラブに当てている。

「ん?」と思うかもしれない。その通り、捕球してるとは言っていない。エラーしているのである。それどころか、周りから見たらほぼ正面の打球をファンブルしているから余計に質が悪い。フライも見失う。

去年阪神の助っ人、ジャスティン・ボーアの一塁守備が『カラーコーン』と称されていた。当時の私は恐らく『勝手に動くカラーコーン』と称されるのだろう。

しかし私の守備位置はやはり正しかった。

長距離砲の左打者で、引っ張りの打球が多い当時のチームメイトがいた。
練習で彼が打席に立っていた時、ファースト寄りでかなり深い位置でセカンドをいつも守っていた。
当時は「普段ライト方向に強い打球飛ばしてるんだけど、俺が守る時なぜかなかなかこっち方向にボールこないんだよなあ、不思議だなあ。」と思っており、グラウンドに落ちてる葉っぱを凝視していた。下を向いて練習してる奴はだいたい成長しない。ソースはわたし。

最近までこの動きをすっかりと忘れていたのだが、日本ハムが吉田正尚に敷いたシフトを見て「あっ!俺これ昔やったわ!!!!」と思わず画面に向かって叫んだ。
ランナー無しで吉田が打席に向かうと、サードの横尾俊健がセカンド渡辺諒と一塁中田翔のやや後方に守っていたのである。それは当時セカンドを守っていた私が、左の強打者の彼に対してシフトを敷いていた、まさにその位置なのである。考え方は間違ってなかった。

私は現地観戦に時々行く。大抵ゆっくりと見たいため内野席にいるのだが、守備陣形や攻撃などの采配を考察するのが好きである。ここは前進守備じゃないか、申告敬遠じゃないか、ワンポイント継投じゃないかと考えながら観戦するのは面白い。勿論誰かと一緒に話しながら、ダラダラ観戦するのも大好きである。

忘れられない試合があった。数年前の試合。千葉マリンスタジアム。
ロッテ対オリックスの試合で、オリックスの攻撃。
0アウト1、3塁で、バッターは吉田正尚。ロッテはまだ中盤のイニングだからか、二遊間を中間シフト(ホームに投げるか、ダブルプレーを狙うか打球によって選手が判断するシフト)で守らせた。
私は「うーん、まあ妥当なシフトか。一点あげてもいいからダブルプレー体制でもいいけど、オリックスの救援陣から点取るのも難しいしなあ」と思っていた。

が、すぐに「あれ?あの位置じゃまずくない?」と気付いた。
セカンド中村奨吾の守備位置である。かなりセンター寄りに守っていた。つまり、1、2塁間が広く空いていたのである。

吉田は引っ張りの打者である。1、2塁を抜く強い打球が非常に多い。しかも一番大事なことは、この場面はライト前に打つことによって、1塁ランナーが3塁まで確実に到達する(外野は吉田の大飛球に備え、浅く守れない)。だからこの場面は左打者は引張ってくるのがセオリーなのである。
「もっと中村が右いかないとダメだろ!」と心の中で叫んでいた。

案の定、吉田は2球目を捉えライト前タイムリーを放った。中村が右に(ファースト側)横っ飛びするも僅かに届かず抜けていった。1塁ランナーは3塁まで行き、オリックスはまた0アウト1、3塁の状況を作ることに成功したのである。

恐らくショートに打球が飛んだ際、中村はダブルプレーを狙いセカンドベースカバーに入る為、センターに寄っていたのだろう。しかしこの場面で、吉田が引っ張るのとショートに打球を放つのとどちらが確率が高いのだろうか。明らかに前者だろう。そもそもショートに打球が飛ぶ時点で、強い打球じゃない限り左打者でダブルプレーを取るのは難しい。
また、左打ちの長距離砲の特徴として、引っ張りはゴロで、流しはフライ、ライナーが多いというデータがある。大谷翔平、柳田悠岐、筒香嘉智などが挙げられる。(なお、中距離打者は該当しない。秋山翔吾、西川遥輝、大島洋平など。)吉田も右方向はゴロが多く、左方向はフライが多いデータがある。
(※なんかの記事で読みました。お時間ある方は調べてください…)

たまたまその時にその打球が飛んだかもしれない。たまたま投手が失投してしまい、引っ張られてしまう投球をしたのかもしれない。本当は流し打ちを狙っていたかもしれないが、たまたま打者が引っ張ったのかもしれない。
そもそもこれは結果論かもしれない。

それでも、「やっぱもっと右だったよなー」と内心ニンマリして観戦を続けた。予測して観戦するのは楽しい。

ところで、予測できることに対して策を取ってみることは大事なのではないだろうか。実は来年社会人になる若造のこの私が、責任を持って仕事をしたことがないくせに、こんなことを書くのは恐縮だが。

でもこれは真理だと思う。ファイターズの5人シフト、大賛成である。特に今のファイターズは絶対的な抑えが居らず、絶体絶命の状況がシーズンではそこそこあるだろう。

是非とも開幕カードから試してほしい。
普段からの準備が報われるようになってほしい。
いや、そもそも絶体絶命の状況が無くなってほしい。

#北海道日本ハムファイターズ

#内野5人シフト

#思い出

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