初心者が語る・LHTRPGオンラインセッション体験録 part.4 ~楽しいロールプレイ編~
この記事はTRPG初心者の筆者が、オンライン環境にて「ログ・ホライズンTRPG(LHTRPG)」を遊んでみた記録です。「ログホラ好き!」「エルダーテイルやってみたい!」「TRPGは知ってるけど何となく参加しづらい!」「オンセの雰囲気が分からない!」といった方々に、現場の様子を少しでもお伝えできれば幸いです。
〈はじめに〉
皆さんこんにちは。カタツムリのNであります。
最近どうもLHTRPG界隈に新規さんが増えているらしく、同じく新参ながら嬉しい限りです。こうしてタイプする指にも力が入るってもんです。
さて、当シリーズも早4回目。予告しておりました通り、今回はセッション本編の内容になりますね。その中でも重要なテーマとしまして、TRPGの華「ロールプレイ(RP)」についてお話ししようと思います。
LHTRPGのセッションの目玉は、やはり強敵との戦闘や多岐に渡るミッションの数々でしょう。目標めざしてダイスを振る瞬間は楽しいものですよね。ただ、part.2でも述べました通り、シナリオの内容は実に多種多様です。わたし程度の見識で、奥深い戦闘やミッション進行について一概に語ることはできそうもなく。
しかし、それら全ての基盤となり、物語を飾るうえで欠かせないものがロールプレイです。上記の細かなデータ諸々は他の記事に任せ、当記事ではセッション中の要点として、RPについてじっくりコトコト語ってまいりましょう。どうぞめしあがれ。
ちなみにテーマ設定の関係上、今回についてはログホラ特有の何かというよりTRPG全般に通ずるお話になるかと思われます。何卒ご了承くださいまし。
〈ロールプレイってどんなもの?〉
本編直前のプリプレイも終わり、いよいよオープニングを迎える参加者一同。小説の一幕のような世界観説明を流しつつ、GMさんからは「RP交えつつ行きましょう」とか「ロールしていいよー」という朗らかな声が届きます。
分からぬ。勝手が。
一瞬フリーズするド素人の傍ら、経験者さんは慣れた様子で自分のキャラを動かし始めました。セリフ、地の文、発言の拾い方。ふむふむ。ではわたしも似た感じで……
と、ぶっちゃけこの程度の気構えでも何とかなりました。正直ここでわたしが語る意味あんだろうか? という気はするんですが、とりあえず印象に残ったところを重点的にピックアップしていきましょう。
まず、TRPGにおいて我々PLは、自分のPCを演じる「ロールプレイ」を行います。これはよいでしょう。何しろそういうゲームジャンルですからね。
で、基本的にロールの内容は自由。セオリーも制限も気にしなくてよい程度のものなのですけれど、やっぱり気を付けるべきポイントみたいなものはありまして。
その最たるものが「意図の共有」。
キャラを動かすにあたっては、その動機や心情を参加者一同に伝えてあげることが何より大切になります。たとえ無口キャラという設定であっても、完璧に無言を貫いてしまえば他の参加者さんは困りますよね。
無口なキャラでも奇抜なキャラでも、どんな設定であっても同じこと。行動や発言にあたっては、同時にそのキャラの思考がしっかり共有できているか確認しましょう。不安に思ったなら、セリフと説明をはっきり分けつつ、言葉で逐一説明しちゃう感じで全然大丈夫です。
逆に言えば、自キャラを動かすにあたって気負う必要は一切ありません。
つまるところ、完全にキャラと同化する必要はないということです。ちょっとしたことで談笑したり、ダイス目を見てどよめいたりする瞬間は完全にPLの素が出てます。ちょくちょく参加者同士で相談も行いますし、常にPLとPCがイコールで繋がったまま……というわけでは断じてありません。
ロールと会話は一体化したものではなく、平行して進むものと捉えておく方がよいのでしょうね。我々PLは各PCの演者にして、PCたちを眺める観客でもあるわけです。
必要以上に畏まることなく、時には自キャラも含めて客観視しつつ、楽しみながらキャラに入ってゆきましょう。
〈テキセでのRPってどんな感じ?〉
さて。そんな感じのRPですが、はたしてテキセではどのように行われるのでしょうか。
そこんとこ、気になる方も案外多いのでは。完全なるTRPG未経験者でなくとも、ボイセ専門で文字チャットを使わない方とか、オフセ専門で身内卓がメインの方とか。
これなんですが、基本は生声での会話と変わりありません。相談とか行動宣言も含めて、ボイスでやっていたことがそのままテキストチャットに置き換わった様子を想像していただければ大体あってます。
ただ、やはり文字媒体ですから表記法その他の工夫はあります。
例えばPCのセリフなんかは、我々PL自身の思考と区別するため鉤括弧「」で示してあげるのが一般的。また「PLではなくPCの思考内容」を示したい場合、例えば「(お腹すいたな……)」のように、二重括弧にすると「キャラの思考」であることが分かりやすくなるかと思います。
あと、前の章で述べた「心情の共有」が必要であれば、うまいことセリフと地の文を織り交ぜてみたり。拠点としている村近辺でモンスターの目撃情報があった、みたいな展開を受けて、
『「じゃあ、このまま放っておいたら…!?」主に仲良くなった子供たちの安否を心配してます』
というチャットを飛ばしてみる……みたいな感じですね。
ちなみに、暗黙というほどではないですがローカルな文化としまして、ログホラでは最後に@を付けることで発言の終わりを表すのが通例となっています。発言権を渡す合図というか、目印みたいなものですね。野良卓にて@を見かけたら、こういう意味があるんだったなーと思い出してみてください。
【ボイセ・テキセの比較あれこれ】
ボイセと比較した特徴ですが、のびのび自由にロールできることは明確な利点だと思います。カッコいいキャラでカッコいいシーンを演じたりする時、どうしてもボイセだと声に羞恥というか「照れ」が入っちゃったりしますからね。もちろん演じるのが上手いPLさんもいらっしゃいますし、そうした方と一緒に作るシーンはベテラン曰く非っ常に面白いそうなのですけれど。
しかし、テキストチャットなら我々ニュービーでも自由自在。おちゃらけたキャラでもクールなキャラでも、書き方の工夫で自分の好きなようにロールできます。キャラの設定に左右されず、PLとPCの安定した一体感を楽しめるのはテキセの魅力ですね。
他方、やはりどうしても時間がかかることは避けられません。発した言葉に反応が帰ってくるまでにもラグがありますし、発言が多いと運悪く拾われずにスルーされてしまうセリフも出てきます。NPCの発言に対する返事を送ってみたら、別のPLさんとタイミングが被ってしまったりとか。
そうした場合は適宜折り合いをつけながら、場の流れに合わせて臨機応変に進めてゆくことになりますね。ただ、大抵は何も問題ありません。参加者同士で上手く合わせつつ、ケースバイケースで柔軟な対応を。
このあたりはpart.1でも述べた通り、一長一短の関係です。双方の特徴を鑑み、自分に合ったセッション形態を探してみましょう。
〈面白いロールのコツってある?〉
正直わたしが聞きてえ。
まあこう言ってしまうと元も子もないですが、実際うまいロールに直結するような、ビシッと一言で説明できるコツみたいなものを筆者は知りません。初心者ですので。
とはいえ、卓を通じていくつか感じたことはありました。感覚的なものですから言葉で全部を語り尽くすことは難しいですが、共通の成分をぎゅぎゅっと纏めるなら、大事なポイントは大きく二つに絞ることができるかと思います。
【その①】
まず一つ目は、場合にもよりますが「行動の自由度が意外に高い」こと。
もう少し詳しく補足しますと、何気ない提案や気づきがそのままシーンに影響するようなことが結構あります。その場の所感やアドリブじみた発言であっても、周りのPLさんやGMさんが上手いこと拾ってくれたりするんです。
以下、実例というか筆者の体験。
その日のセッションにおいて、わたしはカーバンクルを操る召喚術師さんでした。いわゆる遠距離アタッカー。で、色々あって四人パーティで森を探索することになったのですけれど、作中時間で夜になってしまったんですね。
現在位置は野営に向かず、さりとて暗い森の探索は危険度が高い。ゲーム的にはダイスの目標点が上がって難しくなります。そんな中、ふと思い立って「カーバンクル夜目きいたりしないかな…」とか言ってみたわけです。数字オマケしてくれないかなー、程度のノリで何となく。
そしたらGMさんから「いいですね」の一言。
え? と思ったのも束の間、オマケとかそういう次元を超えて「カーバンクルを探索に向かわせ、追加判定の結果次第で野営地の情報が手に入る」という展開に繋がりました。ちょっとした発言から話が広がり、まんまストーリーの一部に組み込まれたんですね。あれは衝撃的だった。
このあたりでわたしも分かってきたんですが、TRPGの展開は型に嵌まらず作り上げてゆくことが可能です。それに、ダイス振れば大抵の問題にはカタが付くことも何となく学びました。聞き慣れない名前が出てきたら、試しに知識判定を振ってみるとか。NPCから情報を聞き出せないか、交渉判定で試してみるとか。
ともかく、未経験者が想像するより自由度は数段高いです。キャラシートをじっくり眺めつつ、自分にやれることを色んな視点から模索してみましょう。で、思い付いたことがあれば試しに提案してみる。積極的な提案は、物語を豊かに彩る材料になります。
【その②】
二つ目に、個性的なセッションを作るための分かりやすいロール手段が「設定を拾ってみる」こと。
パーティメンバーや道中の展開を含め、完全に同じセッションは一度としてありません。であるならば、折角ですし「そのセッションだからこそ」といったロールに挑戦してみるのも楽しいですよ。
他のPCさんでもNPCでもいいですが、共有されている設定はロールプレイに利用することが可能です。他のPCさんに「辛党」という設定が見えたのなら、道中の食事時間に「味、物足りないんじゃない?」などと適当なセリフを挟んでみるだけでもロールになります。
あとは、最初に取ったコネクションから連想してみるのも有効な手法ですね。キャラ同士の関係が事前に定まっていると、会話の様子が格段にイメージしやすくなりますから。
これまた経験者さんとの卓を例に出してみましょう。
その日のセッションでは経験者さま二名が『隣人』という関係性でして、シナリオ開幕時点で一緒に行動中……という場面からスタート。さっそく自由会話のRPシーンが取られたのですけれど、双方ともにキャラ設定を活かした会話が繰り広げられました。ビジネスライクな気だるげ武士と、そんな隣人に甲斐甲斐しく接する少女の図。いいですね。非常に。
わたしのPCも、上記の女の子と会話するシーンがありました。弊PCには「子供好きで初心者に顔が広い先輩プレイヤー」みたいな設定があって、その子とも初心者時代に知り合ったのかな? といった感じに会話と設定が膨らんでまいります。
ただ、最初に振ったサイコロさん曰く、その子→弊PCへのコネクションは『庇護』。
もうね。えーっみたいなね。これをもちまして、わたしのキャラは「天然気味で危なっかしいところもある、放っておけないお姉さん」という一面が印象づけられました。これはこれで。
もちろん最初の章でも取り上げたように、お相手側に上手く意図が伝わっていないと効果は半減です。伝わりづらいかな? と思ったら「コネクションが『〇〇』なので~~」とか、ここでも地の文で動きの意図を添えてあげると安心。
そうした発言がお相手に伝わり、同じく設定を汲んだ流れに繋げてくれると超楽しいです。そのパーティならではの、世に二つとないシーンを拝むことができます。
ちょっとした工夫で、ロールプレイの幅はいくらでも広がっていきます。会話や相談を常に意識しつつ、面白いシーンを参加者全員で作っていきましょう。
〈今回のまとめ〉
お疲れさまでした。いかがだったでしょうか?
今回のテーマはTRPGの華「ロールプレイ」でした。とはいえRPは奥が深く、わたしも全容を把握できているわけでは全くありません。あくまで記事の趣旨通り「こんなド初心者でも楽しめるものだったよ!」といった、体験談メインの解説になるよう仕上げてみました。
ご覧の皆様におかれましては、ぜひ実際の卓にて各々のRPスタイルを探ってみてください。当記事がその一助となりましたなら、それだけで一匹の軟体動物は浮かばれます。
さて、次回はセッション終わりについてです。part.2でも述べた「キャラクターランク」にも関係するお話で、どちらかというと二回目以降のセッションに向けた記事になりますね。同時に本シリーズ最終回。お楽しみにー。
それでは本日はこの辺でおいとま。
お越しいただき、ありがとうございました!
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