LHTRPGオンラインセッション体験録 実践リプレイ ~CR1シナリオ「桜の樹の下で」part.2~
この記事はTRPG初心者でありました筆者が、オンライン環境にて「ログ・ホライズンTRPG(LHTRPG)」を遊んでみた記録です。「ログホラ好き!」「エルダーテイルやってみたい!」「TRPGは知ってるけど何となく参加しづらい!」「オンセの雰囲気が分からない!」といった方々に、現場の様子を少しでもお伝えできれば幸いです。
〈実践リプレイ:オープニング(続)〉
どうも皆さん、カタツムリのNです。実践リプレイpart.2、さっそく続きからまいりましょうか。
〈大災害〉を迎え、我々〈パッチワーク〉の面々は混乱しつつも状況を飲み込もうとしておりました。しかし、ここで思わぬ事態が発生します。響き渡る女性の悲鳴に、すぐさま反応する〈冒険者〉四人。
縫:「っ!?」
華音:「ケンタ!」
メジロケンタッキー:「ヒヒーン!」
華音:飛び乗って回り込みます
縫:「待ってらんないわよ!」武闘家じみた機動力でダッシュ
シュエット:「事件の香り!」声の方へダッシュ
律香:「わわわ待ってくださいっ」遅れて駆けだします
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大桜の反対側に回り込んだ一行は、二つの人影を目撃する。
「はわわわわ」
一人は女性だ。黒を基調とした手品師のような衣装に、緩く流れる長い金髪。ぺたんと座り込む姿は頼りなさげで、気弱そうな顔には明らかに怯えの色が宿っている。
そして、もう一人。いや、一体と言った方が正しいだろうか。
痩せた猫背のシルエットが、身じろぎと共に軽い音を立てる。古びた剣とひび割れた盾で武装し、瞳の代わりに煮えたぎる炎を灯した――物言わぬ髑髏。
まさに〈エルダー・テイル〉でよく見たエネミーそのもの。アンデッド型モンスター〈動く骸骨(スケルトン)〉の姿だった。
その光景を見るなり、彼らは一も二もなく駆け出した。助ける余裕なんてあるのか? と意地悪に囁く、暗い理性を置き去りにして。元より〈パッチワーク〉はお人好しの集まりだ。静観する選択肢など、端から持ち合わせていない。
「敵視認! スケルトン! 縫、ヘイトを!」
「言われなくても!」
「それなら回復魔法をかけないとね! 《ハートビートヒーリング》!」
ゲーム時代と全く変わらない、参謀格の冷静かつ果断な号令が響く。それに応えるように突撃するギルドマスターを守るのは、ベテラン〈森呪遣い〉の回復魔法だ。やはりゲーム時代の特技も使える。どうやらこの世界での戦い方は、自分たちの身体にしっかり刻み込まれているらしい。
「ほね……骨が、うごいてる……!」
「律香、気を確かに持ちなさい! 〈エルダー・テイル〉にもいたでしょ!」
一瞬の躊躇いを見せた新人〈吟遊詩人〉も、意を決した様子で援護の歌を奏で始める。《小鹿のマーチ》による機動力上昇を背に、華音の得意魔法が零距離で炸裂した。
「――《ライトニングネビュラ》!」
電光。
息の合った連携を前に、たちまち〈動く骸骨〉は粉砕されたのだった。
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いやびっくりした(本心)
ともあれ、襲われていたらしき女性は無傷。これで大丈夫! と胸をなで下ろしたのも束の間、またも彼女の叫びが響きます。えっ?
GM(???):「ああっ!! あたしのスケさんがああああっ!!」
縫:「何とかなったわね……って、何事?」
GM:女性は粉々になった、骨を必死でかき集めてます
律香:「……あの、なんか間違えたっぽくないですかねこれ?」
シュエット:あれ? 召喚の子だった?
GM:うん、タグみたら召喚術師(サモナー)になってますね
なんと。
どうやら女性は〈召喚術師〉だった模様。華音さんの〈妖術師〉と同じく魔法攻撃が得意な職業でして、精霊や幻獣を召喚して一緒に戦うことができます。
で、その召喚ラインナップには〈動く骸骨〉みたいなアンデッドもいるんですよね。ネクロマンサーじみた格好よさからPLにも人気。なるほどさっきのスケルトンは、彼女自身が呼び出した従者であったようです。
縫:「えーと……ちょっとアンタ、まず状況聞かせて」
GM(???):「くすん、えっと、どうも。召喚術師の、くすん、ダン=ド=リオンと申します」
華音:「たんぽぽですか。いい名前ですわね」
GM(???→ポポ):「ながいので、くすん。親しい人は、ポポと呼んでます。呼びにくかったら、くすん。みなさんもそうお呼びください」
縫:「ポポ、ね。……で、召喚術師と。要するにさっきのスケルトンは」
華音:「し、失礼しましたわ。悲鳴が聞こえたのでてっきり襲われているものかと」
シュエット:「うちの脳筋が全てやりました」華音ちゃんを指さして
華音:「ちょっとシュエット!」
GM(ポポ):「いえ、あたしが悪いんです。ちょっと召喚してみようかなぁ、うちのスケさん可愛いしなぁ、って召喚したら……まさかあんな生々しい骨が……」
シュエット:「ザ・骨。だったねー」
GM(ポポ):「(少し間を置いて)あ、すみません。えっと、あの……みなさんも……現実世界から、こちらに?」
シュエット:「うん、アプデ待ってたらね、ぴょーんてしちゃったみたい」
縫:「おかげでレイドゾーンに置き去りよ。まったく」
華音:「ということはあなたも、のようですわね」
GM(ポポ):「はい、ちょうどこちらで、ある乗り物を手に入れるクエストをやってまして。ギルドのメンバーとわかれて、桜でもみていこうかなぁって思ってたら、ここに」
華音:「乗り物……と言えば」GM、その乗り物が何か知識判定でわかりませんかね
ここでちょっとした提案が飛び出しました。魔法攻撃職である華音さんは「知識」の数値が若干高め。気になる情報がありましたら、こうやってGMに判定の相談をしてみるのもよいでしょう。ロールプレイの幅が広がりますよ。
GM:ふむ。目標値9くらいで振ってみてください
華音:はーい(コロコロ)→ 9
縫:ぴったり
GM:さすが参謀
律香:おお
GM:ヒロサキで乗り物のクエストといえば、あれだよなってのが思いつきます。その名も〈スケルトン・チャリオット〉。四頭立てのスケルトンホースに馬車をひかせる、大型の乗り物です。なんと8人乗り
縫:でかぁい!
GM:しかも、アンデッドに牽かせてるのでクールキャストタイムが特殊で。日が出ていなければ、つまり12時間ほど連続使用が可能
律香:パーティは最大6人なのに謎の8人乗り……
シュエット:NPC運搬クエとかに使うとか?
GM:長距離移動にはすごい便利なんですが……まぁ〈妖精の輪〉使った方が早いよね、ってことで、半分は趣味アイテムですね。しかし、逆に考えてみると、〈妖精の輪〉も〈都市間転移門〉も使えない状況では、現実世界の夜行バス的価値があるのでは? と、華音は思いました。
GMの情報開示を受けて、PLたちの目に光が宿ります。これは足が手に入る可能性。ワープ機能がほぼ封殺されている現状、大きな乗り物があるとかなり助かりそう。
華音:「〈スケルトン・チャリオット〉。朧車と火車が混ざったような馬車ですわね」
シュエット:「ん-、でもさっきのスケルトンがあんな見た目でしょ? チャリオットも相当ヤバいんじゃない?」
GM(ポポ):「ですです。正直こわくて、だからまずは、スケさんから呼び出してみたら――」
華音:「……そうですわ。この状況下なら……!」
律香:「どうしたんですか、華音さん」
華音:かくかくしかじかで帰りたいが帰る手段がない、戦力にはなるから一緒に乗せて、と
GM(ポポ):「そ、それは、渡りに船……なのですが、あの、一個問題が」
華音:「なんでしょう?」
GM(ポポ):(鞄から地図を広げて)「今、私達がいるのがここ。桜の街ヒロサキ、なのですが」
律香:「ふむふむ」
GM(ポポ):「アキバに戻るには、間にティアストーン山地があって、馬車ではさすがに通れません」
縫:「まあ、そりゃ一本道とはいかないわよね」
GM(ポポ):「で、抜けるためには……この、いちばん下……〈パルムの深き場所〉を突破する必要が」
原作を知っている方は覚えがあるかも。現実で言う東北・関東の間を遮る関門の一つに、〈パルムの深き場所〉という大きなダンジョンが存在します。アニメ一期でも登場し、主人公シロエたちが突破に挑んでいましたね。
洞窟系のフィールドですから、そのまま馬車で突っ切る訳にもいかない。襲ってくるモンスターを退けつつ、徒歩で突破しなければなりません。
シュエット:「レベル的に問題は……」全員のレベルを確認し始める
GM:ポポちゃんは41ですね
シュエット:「ん-、まあ、何とかなるでしょ!」のほほん
華音:「盾と火力、回復がカンストですからそこまで問題ないでしょう。十分カバー可能ですわ」
GM(ポポ):「はわわわ、カンスト……すごい」
縫:「……確かに、そのあたりがエンドレベルなら何とかなるか」
律香:「そうですね!! はいがんばりまーす!!」(多少ひきつった笑みで)
シュエット:「大丈夫、大丈夫。りっちゃんの事は僕が守るし、何よりギルマスは頼りになるでしょ? 安心しなよ」にこー
華音:「そもそも攻撃される前にぶっ◯せば良いのですわ」
縫:「あのね……まあ、最悪逃げるだけならあたしが引き付けておけるわけだし」
シュエット:「さらにいざとなったら、ヘイトアゲアゲマンの華ちゃんが犠牲に……」
華音:「おいコラシュエット」
シュエット:「だってヘイトケア追いつかないんだもん、ヒーラーを労わってよ!」
縫:「っていうかカノン、やっぱアンタ素だとそんな感じなのね」
華音:「ええい、しゃらくさいですわ。火力を落としたら殲滅速度が落ちて被弾が増えるでしょうに」
シュエット:「横暴だー。うわーん」泣き真似
華音:「あー何も聞こえませんわー」
うはははは収拾つかない(顔を覆う)
ロールプレイが盛り上がっていると往々にして脱線しまくりますが、キャラの個性も相まって凄まじい混迷度となっております。いや正直めっちゃ楽しいんですけどね。この賑やかさ、一回経験すると分かります。たびたび登場する「ヘイト」については、part.4以降の戦闘シーンにて。
あっ、そうそう。キャラメイク時に〈エルダー・テイル〉におけるレベル設定を決めることができますが、LHTRPGにおいて、この「レベル」は単なるフレーバーのようなものです。今回の私たち(律香さん除く)のように、CR1のキャラがレベル90のカンスト勢だったりすることも。システム的な影響はほぼありませんから、お好きなようにキャラを作ってみてくださいね。
縫:「えーと、ともかく整理しましょ。話が進まないったらありゃしないわ。……まず、あたしたちはアキバに自力で帰るしかない」
律香:そうですね
縫:「で、ポポは大人数用の馬車を持ってる。ただし本人のレベルは半ば。それもソロ」
GM:これに乗ってるとモンスターに攻撃されない! でも大型なんで、山の中とか迷宮はさすがに下りないと進めません
縫:「どう? 同行する気はある? あたしたちでよければ、道中の戦力にはなってあげるけど」
GM(ポポ):「正直、1人でどうしよう、と途方にくれてたところです。みなさんがよければ、是非!」
GM:さて、ポポが仲間に加わりました。彼女はデータは持ちませんが一応戦力になりますので、皆さんはEXパワーを3つ使えるようになります!
ふう……え、何ですって? うまくまとまったようで良かった?
いえ、とんでもない。上記の会話と並行して、同時に他のメンバーのロールも進んでおりました。
縫:「決まりね。あとは(振り返る)」
シュエット:「(スケルトンホースの話を聞いて)骨になってても人参食べるかなぁ?」
律香:「てか、物食べるのかなぁ??」
華音:「骨にあげるにんじんがあればケンタにくださいまし」
律香:「にんじんはさすがに持ってないですー」
シュエット:「華ちゃんも持ってるんじゃない? 素材アイテム」ポーチから取り出し
律香:「あーなるほど。ポーチから出せるんですね。べんりだあ」わいわい
華音:「どれどれ……」ゴソゴソ「あ、はちみーですわ!」
律香:「はちみついいですねぇ! 甘いものは正義!」
華音:「馬は甘いものが好物なんですのよ。ほーらケンタ、はちみーよ」
メジロケンタッキー:「ぶもっぶもっ」
縫:「聞きなさいよそこのギルメン達!」
うはははははははは収拾つかない(顔を覆う)
〈実践リプレイ:インタールード〉
そんなこんなでオープニングが終了。シーンが切り替わる「インタールード」というタイミングが挟まり、お役立ちリソース因果力がPC全員に1点ずつ配布されます。
GM:みなさんに因果1点プレゼントです
シュエット:はーい
華音:やった
律香:わーい
縫:いただきます
GM:左のポポのイラストにEXパワーはのせてますので、参照ください。
縫:割とおつよい気が
GM(ポポ):「えとえと、召喚物が本体とか、要らないことばかりやる子とか、言われないように頑張りたいと思います。あと、お願いだから迷宮の奥に置き去りだけは、勘弁してください」
華音:「……貴女、過去に何かあったの?」
GM(ポポ):「え? そんな、何もありませんよ! (ぶんぶんと首をふる)」
縫:「別に詮索しないけど。それよりアキバまでよろしくね。パーティ入り、歓迎するわ」
GM(ポポ):「はいですっ!」
シュエット:「わーい、よろしくー」
華音:「よろしくですわ」
GM:では、皆さんはポポと一緒にヒロサキの街を旅立ちました! 目指せ! パルムの深き場所! そして、アキバ!
〈実践リプレイ:ミドル・探索編〉
さて、ここからは次のシーン。ポポさんをパーティに加えた〈パッチワーク〉一行は、まずヒロサキの街を出て〈パルムの深き場所〉を目指します。
GM:途中で日が暮れたので、早速〈スケルトン・チャリオット〉を呼び出して移動
華音:「……壮観、ですわね」
GM:「スケルトンチャリオット探索表」というものを自作しましたので、代表者に2回、2D6(六面サイコロ2つ)を振ってもらおうかなと
華音:ギルマスー
縫:でしょうね()
こうした探索においては「探索表」というシステムを使うことで、発生するイベントをランダムに決定することができます。数値の良し悪しはあまり関係なく、どんな効果を引くかは運任せ。道中、我々はどのような体験をすることになったのでしょう。
律香:ギールマス! ギールマス!
GM:では、一回目は縫さんで、2D6お願いします
縫:いきます(コロコロ)
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「わたしが思うに、こちらが近道です!」
ポポの案内で脇道に足を踏み入れたはいいが、先程から目に見えて彼女の顔色が悪い。明らかに迷っている。
「ここは……どこですの……?」
「なんか見慣れない木とかキノコとか生えてますけど」
顔を見合わせる華音と律香。まぶたを指で押さえる縫の傍ら、唯一シュエットだけは「これ持って帰っていい?」と顔つきキノコを抱えてご満悦である。誰がどう見ても毒キノコである。
「えとえと、スケルトンチャリオットの帰巣本能が、人気の無い場所を選んだみたいで……」
「スケルトンって帰巣本能あるんですの……?」
そんな問いかけへの答えは無く、どこかで名も知れぬ鳥が鳴いていた。
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GM:というわけで申し訳ありませんが、みなさん因果力マイナス1点です
シュエット:へーい
華音:ぬわー
すいませんでした(五体投地)
初手からデメリットを引いてゆくギルマス。いやまあ、こればっかりは完全に運なんですけれど。
縫:特技で《ステルシーミッション》取っておけば打ち消せましたが、まあ仕方ない
律香:「こんなこともありますって!」とポポを慰めてます
GM(ポポ):「はわわ、律香さんの優しさが骨にしみますぅ……」
律香:「ほね……(ぶれないひとだなぁ)」
シュエット:「死霊使いなだけに……」
GM:というわけで、2回目……そうですね。律香さんに2D6振ってもらいましょうか
律香:はーい(コロコロ)
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「ふわあああ、大きな桜ですねー」
焚火の灯りに照らされた大桜が見え、一行は馬車を停めた。夜見の桜が守っている集落。こんな時間にやって来る集団は珍しいのか、村の人々は訪れた〈冒険者〉をきらきらした目で見つめている。
何か見世物をして喜ばせるのもいいだろう……と、旅の五人は頷き合った。
「占ってほしい人、寄っといでー!」
「《エレガントアクト》っ!」
「わー、すごいすごい!」
花火代わりに撃ち上げた《ライトニングネビュラ》を皮切りに、各々の得意分野を生かしてパフォーマンスを繰り広げる。村人たちは拍手喝采!
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GM:思いついた人からどうぞ! 全員好きなことをやるといい、です!
「任意の判定で9以上を出したキャラクターは因果力を1点得る」という条件のもと、PC四人はそれぞれ得意な判定を振っていきます。先ほど減った因果を順当に取り戻してゆく中、唯一目標に届かなかったのが最初に振った華音さん。
華音:(コロコロ)→ 8
GM:おやぁ
華音:「うーん、さすがに垂直投射だと飛距離が伸びませんわね……」
GM:ひゅうーーー、ぱちぱち。どうやらあのライトニングネビュラは湿気っていたらしい
縫:湿気ったネビュラ花火()
華音:あの野郎、錆びネビュラ寄越しやがって、ですわ(紅の豚風
笑いがこぼれる一幕。やっぱりダイスひとつで雑談が盛り上がるのっていいですよね。出目の良し悪し関係なく、盛り上げようと思えばいくらでも盛り上げられまする。
そして。
二回の探索表ロールを潜り抜け、とうとうPCたちは第一の目的地に辿り着きました。今までは馬車があってこその移動スピードでしたが、ここからは狭いダンジョンですから徒歩になります。いざ、最大の難所にしてモンスターの巣窟〈パルムの深き場所〉へ!
〈実践リプレイ:ミドル・ミッション編〉
GM : というわけで、みなさんは〈パルムの深き場所〉の入口にたどりつきました。
華音:「……暗いですわね」
GM(ポポ):「明かりなら、まかせてくださいっ。《マジックトーチ》!」
律香:「わあ、明るい!ありがとうございますポポさん」
シュエット:「明かりの問題はないねー」
縫:「そうね。ありがたいわ」
GM:というやり取りをしていると、縫さんに恒例の念話が
縫:おっと
GM(トウカ):「ギルマス、ギルマス、大丈夫ー? 《帰還呪文》で帰れなかったから自力で帰るってのは聞いたけど、ぶじー?」
縫:「大丈夫、全員無事よ。そりゃ時間はかかるだろうけど、今のところ問題ないわ」
GM(トウカ):「了解ー。こっちも、なんとか6人でアキバに戻る手筈を整えてるところ。ギルマス達にくらべれば楽勝だと思うから、アキバで待ってるね!」
縫:「ええ、アキバで会いましょう」
GM(トウカ):「あと、いくつか情報集めてみたんだけど……いい報せと悪い報せ、どっちから聞きたい?」
縫:「……勿体つけるじゃない。いい報せ」
GM(トウカ):「いい報せ……なのかは分からないけれど、あたしたち〈冒険者〉は、この世界で死んでもゲームの通り神殿で復活するみたい。西風の人が試して(?)みたらしいよ」
縫:「へえ、それなら……待って、試したって言った?」
GM(トウカ):「正直、どういう頭の構造してるんだろう、って思ったけど……まぁ、あくまで噂だから、実際どうなのかは分かんないかな」
これ、実は原作の外伝作品「西風の旅団」から引いてきたお話でございます。詳しくは省きますけれど、有名なギルドが「死からの復活」を実体験したという噂は、多くのプレイヤーに衝撃を与えました。モンスターとの戦闘で死ぬことはありませんが、逆に言えば「死ねば現実の世界に戻れるかも」なんて希望が失われてしまった……ということでもあります。
GM(トウカ):「ちなみに復活する場所もゲーム通り『最新の帰還ポイント』みたいだから、ギルマス達がもし死んだら、レイドゾーンの入口……ヒロサキに戻っちゃうから注意してね」
縫:「どのみち死なないようにはしなきゃってわけね。ありがと」
GM(トウカ):「うん♪ で、悪い方なんだけど……」
そこでいったん言葉を切ると、彼女はこんなことを口にしたのでした。
GM(トウカ):「ギルマス、どうしよう……あたし、死ぬかも」
To be continued……
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