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勉強してみたけど…ってなった話


キャリアコンサルタント養成講座を受けていました。

今までの仕事はキャリアや人事とは縁のないものですが、同僚と昇給や昇格が見込めないなら、転職なども考えるよね?と言った会話や雑談のような相談に出くわしていました。
直属の上司もジョブ型の思考の方であることが多く、数年のうちにキャリアアップするための転職は考えてるよ〜と匂わせる方との縁がありました。

ポジティブに転職していく方々が身近にいることや、自分自身もジョブ型での働き方が合っている自覚もあり、ものは試しとキャリアコンサルティングを軽い気持ちで数回受けたことがあります。

その数回は無資格であろう方の場合と、有資格の方の、どちらにもお会いしそれなりに有意義な時間だったと思います。
どちらも1回限りだったために、明確に何かを得たとは言いがたく、逆にこの方々はどのような結果に至りたかったのか疑問に思っていました。

また今後のキャリアを考えるにあたっての一助にもなるかと思い、講座を受けてみようと思いました。


【受講料について】
専門実践教育訓練での「教育訓練給付金」制度の対象となります。
ざっくりとした説明になりますが、一定条件を満たすと講座修了時に学費の50%が支給されます。
また資格取得と就職した場合、70%が支給されます。

キャリアコンサルタント養成講座の比較サイトなどを見てみると、どの団体も30万前後で決して安価ではありません。

実際に受講してみてクラスの方々も、決して安くはない講座に受講している認識だったと思います。明確に資格取得後、キャリコンとしての仕事をしようと考えられている方が50%程度、現在の仕事の延長線上で…と考えられている方が35%程度、今すぐ転職等は考えていないが、興味があって…という方は15%程度の印象でした。

講師の話から定年後のセカンドキャリアとして考えられている方の世代が多い様子で、講習内容も概ねその世代向けです。
普段あまり関わることのない人たちとの出会いという意味では、様々な背景の方が集まるためなかなかない体験ができたと思います。


【講座内容について】
講座内容は座学20%、ロールプレイング(ケーススタディ)80%の印象です。
ここは団体や講師によるところもあるかと思いますが、とにかく自己開示することから始まります。相談業務をするにあたって、クライアントに自己開示していただく必要があるためだと考えられています。
そして講座が進むにつれ、一様に講座修了までやりきれるのか不安に思ったり、自己理解不足を感じて落ち込みます。

私は正直、自己開示が必要なロープレ等がとにかく苦痛でした。
団体や講師によるかと思いますが、実例をみて取り組むということは最初のうちはなく、素人同士ではじめましての挨拶をしながら、ツールを用いてかなり深めな自己開示をしていきました。
自己理解が足りない状態で参加したことに対して、周囲と比較してとても凹みました。

その中で少しずつキャリコン的なロープレ内容に変わっていきました。
その段階になると、基本的にはこのようにしているよと言った助言や例等をもらえるようになります。
講師それぞれのやり方や好みがあることや、現代的なキャリアコンサルティング自体が歴史が浅いことから正解、不正解と言ったものはほぼないが、ああした方がいい、こうした方がいいなどと言った不明瞭な評価になります。

正直今までにお会いしたキャリアコンサルタントの方が、教わっていたことを実践していたかと言われると、全員ができていたとは言い難いのではないかと思いました。


また養成講座であるため、試験対策はありません。

学んだ内容としては有意義だと思っていますが、すぐに活かせる業界への転職などは検討していないため、資格取得への意欲はあまり高まりませんでした。


【養成講座が終わって】
一部単元については少し古めな内容になっており、比較的同年代のメンバーと「転職活動してなくても、普段からこういったことはやるよね?」みたいな会話をしていました。

また私が受講した団体は、正解がないからこそ…という理由から、講師が日別で変わりました。
⚪︎⚪︎先生はこう言っていたけど、△△先生はこう言ってる。「良いところを吸収しよう」といった意図であることは分かるのですが、講師陣の言っていることに一貫性もなく、受講生側も基礎がしっかりしていない状態で、上手く汲み取れみたいな対応を求められて、正直この資格の不確実性…と思いました。

自己理解を深めることや、今後のキャリアを考えるプロセスは啓蒙活動の一環として、もう少し簡易的かつ安価に案内してくれてもいいのではないかと思いました。
実務の相談業務で掘り下げるから提供したくないということであれば、致し方ないと思いますが…。


人と人との相性もあるため、有資格者だから良いとは一概に言えないことが根強くなりました。資格の信頼度とは言いますが、現状無資格でも実務経験を積んで充分に対応されている方もいらっしゃる…。
今後も独占業務は発生しえない資格である観点から、仕事としても魅力的には見えづらい…。
(資格更新時にも時間とお金がかかる…)
「国家資格」だとしても、今の私では持ちたいと思えなかった。というのが率直な気持ちです。


またファーストインプレッションで「この人に相談したくないな・教わりたくないな」と思ってしまうことがありました。
これは自分で講習申込前の、調べが足りなかったなと反省しています。
コンプライアンス的にもどうなんだろうという講義?講師のご意見を披露される場面が多々あり、とりあえず「必要単位をもらうために出席してるんだ」と言い聞かせてました(笑)

そういう方が評価される団体・業界であるなら、正直同類に見られたくない…と強く思いました。


同クラスの方々はしっかりと目的を持ち、資格取得に意欲的ですが、同じようなモチベーションまで至れませんでした。

冒頭に記載した、今までに受けたキャリアコンサルティングについてはなんとなく腑に落ち、疑問も解消してしまった。
学んだ内容は今後の自分のキャリアを考えるにあたっては、どれも活用できるし、ツールの使い方も教わった。
…資格試験を受けなくとも、満足してしまったのだと思います。金銭面も半額は返ってくるので、不満はありません。

講座修了したノリで記念受験するかと一瞬思いましたが、多分試験申込もしないと思います。


教育訓練給付金がなければ受講自体検討すらしていなかったと思うので、良い機会だったと思います。
どの団体でもなかなかにヘビーなスケジュール・内容かと思われますので、キャリアコンサルタントに興味がある方へ参考になればと思います。

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