
はにわ職人は葬儀屋さんだった
東京都国立博物館特別展「はにわ」、
最終日前日に滑り込みで見てきました。
土曜の19:00前に行ったのですが、まあーーーー混んでいた。老若男女、子どももちらほら。
でもこれはハニワに興味あるないとかではなく理由は明確で、今回フライヤー含めた告知物がとにかくかわいい。ミュージアムグッズも20代女性をガッツリ狙ったラインナップだったし、音声ガイドも「鬼滅の刃」の人気声優のお二人(内容も小学生でも分かるくらいキャッチーだった)。
さらに、会場内は一部を除き撮影OKだったことで、SNSを開けば至るところでハニワのゆるい笑顔を見ることができた。ハニワという考古学資料を大衆に愛されるアイドルに仕立て上げてしまうなんて、プロモーションの力ってほんとすごい。
そして、内容について。
最初に出迎えてくれたのは、ハニワといえばコレな「踊る人々」。

以前倉敷でレプリカに出会っていたので、本物にお目にかかれて光栄でした。

ハニワは古墳時代、王など身分のある人が亡くなったとき、前方後円墳の周りに並べられた弔いのための像。ちなみに殉葬の文化を撤廃するため人の代わりに作った像だったという説はとくに根拠がないそう。
モチーフは人や動物、家などの身の回りにあるリアルのもの。実在しないものが作られることはめったにない。現世で慣れ親しんだものに囲まれて、リラックスして天空に向かってもらおうという心遣いだろうか。
表情はどれも優しく(中には復元時の創作もあるのかもしれないけれど)、丸みをおびている。

国宝もいくつかあって、やっぱり素人目に見てもつくりが良いのが分かる。リアルな武人はさぞ荒々しい大男だったのだろうけど、それをこんなほっこりデフォルメするセンスすごいな。
中でもわたしの推しハニワはこれ。

めちゃ面長な人だったのかな。まゆの感じから初老の紳士を連想するけど、そもそもこの時期にハットってあったのかしら?首の数珠的なサムシングも気になる。興味の尽きないお方でした。

ハニワは死者を弔うため古墳の周りに大量に並べられるので、当然仕込みは生きている間にしないといけない。だから、当時ハニワ職人は同じような像を「作り置き」していたらしい。
どの像をどう並べるかは、現代でいう葬儀プラン的なものだったのだろうか。プラス5万でお花が倍になります。棺桶はアップグレードするとこちらの装飾がつきます。みたいな。
ハニワがご葬儀アイテムだとは、これまで考えたことがなかった。それでいうとハニワ職人はご葬儀やさん、おくりびとか。亡くなった人を癒すための像だから、こんなに心温まる風貌をしているんだなと納得。

最後に、表参道のジャニーズショップ並みに激混みの店内で「踊る人々」のしおりをゲットして、ほくほくした気持ちで帰りました。
東京国立近代美術館「ハニワと土偶の近代」も観に行こかな。