心が風邪を引いて外に出れなくなったら、友だちが「ミイラを見に行こうよ」と誘ってきた
わたしはミイラが好き。
なんで好きか分からないし、ゾンビは嫌いだけど、ミイラは好き。
高校の世界史の授業で、ミイラの作り方の話だけはテンション高く聞いた。(それ以外は世界が広大すぎてちんぷんかんぷん)
2013年、ちょっと心が風邪を引いてしまった。
アトピーが悪化し、当時の彼氏とも上手くいかず、メンタル的にダウン。
なんとか元気になりつつあったものの、友だちと遊ぶ気力がなかった。
そんな時、Aちゃんが「エスちゃん、ミイラを見に行こうよ」とメールしてきた。
それまで、Aちゃんには遊ぶ気力がないことを伝えてた。
でも彼女は何度も気にせず誘ってくれた。
そして来た。
断れないオファー。
ミイラを見に行こう。
彼女はわたしのミイラ好きを知っている。
当時、京都文化博物館にミイラが来ていた。
めっちゃ見たい。
なんせ、目玉があるミイラ。
大好きなマチュピチュのインカ帝国展。
メンタル、マジ死んでる。
でも、ミイラは見たい。
目玉あるんやで。
ミイラ見たい。
ミイラ見たい。
ミイラ見たい。
ミイラやぞ!!!
目玉あるねんぞ!!!
見たい!!!!!
行く!!!
で、行った。
ボロボロの体を引きずって行った。
ミイラの前で立ち止まった。
空いていたので、好きなだけ見た。
30分は見ていたかもしれない。
Aちゃんはマイペースなので、わたしの行動は気にしない。
ずっと見てた。
目玉があるミイラ。
発見された場所も強烈だった。
(崖の途中)
引きこもりがちだったのが、この誘いからまた外に出れるようになった。
Aちゃんは、屋久島で12時間登山したり、20代ラストイヤー記念に富士山登山したり、インドやスリランカ、トルコ、ベトナムに行ったり。
変なところに行きたいというわたしに、すべて付き合ってくれた友だち。
彼女とは、6年くらい会ってなかったものの、2021年の年末に再会した。
結婚しているかと思ったらしておらず、相変わらず好きなことに生きていた。
「会えて嬉しい〜また関西に帰ってきたら遊ぼうよ!」と数時間のお茶を楽しんだ。
そうなんだよね、関西は「帰る」場所なんだ。
友だちの何気ない一言が、ポンと背中を押してくれる。
あの時、外に出してくれたこと本当にありがとう。