初めての恋は親友の恋人だった
出会いは親友の恋人として。
後から思えばそれは、ひとめ惚れだったのかもしれない。
その二人はやがて別れ、お互いの傷を癒すようにふたりの間に入る形になった私。
相談と称して密会を重ねるうちに惹かれていく。
恋か友情か。
なんというあるある!
本当にあるんです。
親友はまだ未練があるらしく、気まずさを避けるように私たちは、陰でコソコソ会っていました。
悪いことだとわかっている。会うべきじゃない。
私たちはおおいに悩みました。
一方で、秘密を共有することにより、親密になっていく。衝動を止められません。
せまい街では隠れられるわけもなく、ある日親友に呼び出されたのです。
「どういうつもりなのか?」
「未練があるのを知っていて裏切っていたのか?」
裏切っていたことに対しては申し訳なく思い、涙を流して謝罪しました。ひと通りの罵詈雑言、怒りを受け止めるしかありません。修羅場を迎えることは避けては通れないことでした。
当然、友情はその日に無くなりました。
その後、元親友に悪い噂を流されて、何人かの友人は離れていきました。
友情よりも恋を選ぶということは、
失うものがあるのです。
代償を払った恋は強い絆で結ばれる。
そう思っていました。
しかし、考えてみると相手は何も失っていません。失うものがあったのは私だけ。きっとそんな温度差があったのでしょう。
親友を失い、
二年も経たずに恋も儚く消えたのです。
親友に筋を通すべきだった?
通しようがありません。
どうしたって傷つけてしまうのですから。
恋か友情か、どちらを失うのが嫌なのか。
罪を覚悟で衝動に従い行動するだけです。
その瞬間を後悔しないように。
結局結ばれないとすれば、それは運命としか言えません。そう思うしかないのです。
もし逆の立場だったら?
そんなことは考えもしなかった。
もうどうにもならない過去の話。
衝動に身を任せれば、失うものもあるでしょう。
それでもきっと、そこに後悔はないのです。
おやすみなさい。また明日も生きよう。
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