好きな人に好きと言って好きな人と好きにしてる


「こんなところに居たのかやっと見つけたよ」


1,ままごと
アルバムの1曲目。傷つけないようにゆっくり取り出したCDをプレイヤーに入れて再生された音は優しくて、それでいて確実にクリープハイプのロックで。

『このままそのまま二人でいよう。』

アルバムの最初の音が、声がこれはずるい。
はっとさせられて、置いていかれそうになりながらギターサウンドにしがみつく。一目惚れみたいな、そんな気持ちになった。

10年前のアルバム、一つになれないなら、せめて二つだけでいようの言葉を連想させる冒頭の歌詞。
一貫して変わらない、一つにはなれない私達。
大丈夫とままごと、この曲に出てくる面倒見の良い女性にはいつか幸せになってほしいと願うばかり。


2,人と人と人と人

大阪駅を舞台にした曲で、電車通勤中聴いては脳内で仕事中も繰り返して。この曲のおかげで職場へ向かう朝がすこしだけ苦じゃなくなった。音楽の力。

『朝を連れて走り出した5時
  赤く滲む気持ち18時
  夜と帰る22時』

この表現がすごく好き。
人と人と人と人、不特定多数の、どんな人が聴いてもそれぞれに当てはまる生活を歌っていて味方になってくれる。

FM802との沢山の思い出、ライブ遠征でお世話になってる馴染みある大阪駅の活気、そこに変わらず大きく構えていてくれることがありがたい。
これからもお世話になります。


3,青梅

pairsタイアップ曲。
夏の曲で、青から赤へ熟していく恋の歌。
イントロのキャッチーなギターからもう好き。

『出会ってる?ねぇ私たちで合ってる?』
『恋は幻 青いうめぼし』

恋したい出会いたいと思いながらも幻とか、合ってる?って言う疑問も、恋愛初期ってこうだよなって可愛らしい。
アルバムの中にデジタル配信された曲が入ってるのが好きだ。落ち着くというか、なんで表現したらいいのか悩むけども。
2023年5月にリリースされてからライブで聴いたことない、次のツアーで聴けたらいいな。


4,生レバ

生レバ、ベースから始まるイントロ、おどろおどろしい音と攻撃的なバンドサウンド、MVもまた不気味。

ダリダラダラダラダリダラダラダラダリダリ…
歌詞にこだわる尾崎さんが聞き取れないサビを持ってくる、そこに驚いたし、すごく惹かれた。
中毒性のあるリズムと後半の投げやりな

『ダフ屋になって誰かの利益で楽して生きてたい』

昼過ぎの仕事中、どうでもいい先輩との会話の時
私の脳内では大体このサビか、ダフ屋になって誰かの利益で楽して生きてたい〜が永遠リピートされてる。

前作のなんか出てきちゃってるポジションとも思える遊びのあるこの一曲、好きだ。
真面目にふざけていて、バンドとしての力を見せつけられる。
あの日見たライブでの演奏もパフォーマンスも最高だった。


5, I
空音くんとの楽曲 どうせ、愛だ の新解釈。
この曲好きすぎて、長くなってしまうからなるべくまとめる努力を。

まずどうせ、愛だ のMV、オリジナルストーリーを見て分かるように同性愛の曲、こころが擦れるほど切ない。どうせ、愛だ で空音くんが歌う歌詞には、日常やドラマストーリーの混ざった生活、自分の性に対する苛立ちやどこにもぶつけられない怒りさえ感じられる。
それに対して I はI=私で、I=愛だと思った。
どうせ、愛だとサビは同じままで、

『好きで好きで好きで好きで、
  君の好きな人になりたい。』
ひたすらに繰り返されるこの言葉は紛れもなく愛。

間違ってなんかいないのに世間には否定される苦しさや色んなものが、サビ前のは?に込められてる。

初めてわたしが聴いたのはたしか2023年8月
暑い夏の日、福島での柳美里さんとのイベント。
弾き語りで聴いたあの日からずっとこの曲の虜だ。


6,インタビュー

ヒーローインタビュー。
優しいメロディで始まるこの曲。
尾崎さん自身もインタビューを重ねるごとに自分の考えがはっきりしてくる、と過去にお話しされてた実体験が、歌詞にも反映されていて。
特に私が好きところは

『喜びと悲しみと苦しみと痛みと
  憎しみと信頼と慰めと諦め
  また明日 また明日 また明日話そう』

喜びに対しての苦痛が多いようにも感じるけれど、凄い人ほどそういうものなのか、と胸の内を見せてもらえたような気持ちになる。


7,べつに有名人でもないのに

最初に聴いて、なぜかとっても懐かしくて。
インディーズの頃のスローで優しい曲を思い出した。
この尾崎さんの歌い方も声も、ピアノの音に寄り添うドラムとギターの音、コーラス、全てが愛おしい。

『あたし、しかし。
  好きな人に好きと言って
  好きな人と好きにしてた』

あたし、しかしって日本でどこ探してもこう書く人は尾崎さんしかいないって断言できる。
含みのある、考えさせられる言葉とか、間が本当に上手で惹き込まれる。
あぁ、好きだ。好きでたまらない。
有名人でもないのに、あたし、恋したくなる。


8,星にでも願ってろ

カオさん曲。
太客倶楽部に載せてくださった動画、幾度となく見ていつか収録してくれないかな、、と期待してたのでアルバムになると知った時は声にならない声がでた。
キャー

ネットで監視しているファンの視点。
わたしも、いまなら4人の幸せを心から願って、知らせてくれなくてもいいから誰か心の許せる相手と一緒になって幸せでいてほしいと思うけれど。
自分が今より若い時はちょっとでも噂が立つとやだやだやだ!と思って、幸せでいて欲しいのに1人でいて欲しいと思ってしまっていた。
まさに相反していたわけで。
そんな可愛くない感情をカオさんは少し恐く、それでいてまるで純愛のように作詞していてドキッとした。

わたしも4人の幸せを伝わらなくても星に願います。


9,dmrks

アルバム曲発表の時からもしかして!?
もしかして、黙れカスなの!?と思ってたのが
そうだった時の興奮と喜び、画面越しに尾崎さんに伝わってたのだろうか!
アルバム待ってる間ずっとwktkしてたのよ。

尾崎さん、さすがエゴサの鬼。
ストレスになる、でもやめられないエゴサを曲にして、ここまで昇華して楽曲にするなんて。
しかもしっかりズタズタに口撃している。

どうしようもないクズの
どうしようもないゴミだ

かっこいい。

さて、ネットでしか物言えないおまいらへ。
だ〜まれ、カス!


10,喉仏
先に配信シングルで発表された喉仏。
楽しいリズムとライブ映像のMVが印象的。
この曲、ライブで聴きたい、、楽しみ。
聴きすぎてアルバムで流れてきた時ほっとした。

喉の仏、ブッダ、歌詞にも色々散りばめられていて楽しい。ちゃんと歌詞カードに目を通さないと気付けないところもまた好き。


11,本屋の
イントロのギターがまずかっっっこいい。
日常を切り取った歌の中でも特に好き。
自分の行きつけの本屋を思い出させる歌。

あと、本屋と本への愛が伝わる。

全国の書店でかけて欲しい
書店員さん、聴いてください!!

12,センチメンタルママ

これから風邪引いた時の生活に欠かせない曲。
このお守り曲があれば、風邪ひくのも怖くないよ。

アルバムでてからちょっと経った時、この1曲だけ永遠リピートで丸1日朝から夜まで聴いてた。
病みつきになる曲。
難しいのに口ずさみたくなるの。

コロナの時に作詞されたと聞いたけど、あの時はたしか2022年。京都大作戦出演キャンセルの通知が来た時わたしは京都に向かうバスに乗ったところだった。懐かしい。あの時からもう2年経つなんて。


13,もうおしまいだよさようなら

愛するトムブラウンへの曲!
音頭っぽいサウンドと、会いたくなったらまたおいでって歌詞が好き。

ああ、もう時間がない!


14,あと5秒
たくさん聴いたあと5秒。
たった5秒の企画もとっても楽しかった。
これからライブでたくさん聴きたい。

正直、動画に出てくるあの広告のあと5秒の、あと5秒って知った時はびっくりした。
普段時代に流される言葉は歌詞に使わない尾崎さんが使うのだから、どうなるんだろうって思って聴いたら広告と、彼女の立場が重なる曲で、ひたすらすごい!と私の語彙力ではそれしか。。

この曲とっても好きなのでライブでたくさん聴きたい。


15,天の声

ファンに向けた曲であり、外野のお前らへ向けた曲。

初めて聴いたのは2024年5月尾崎世界観の日特別編での弾き語り。どう足掻いてもチケットが手に入らなくて、音漏れで聴いた暑いあの日。

多く書きたいけど、書きたくない。
私の胸の中にこの曲の感想だけは留めておきたい。

ただ、ひとつ伝えたいのはこの曲を作ってくれてありがとう。

なんとなく死にたい夜、わたしを救ってくれたのは紛れもなくこのバンドで。これからも私の光でいて。

お茶の間でも、どこにでも、ついていくから。

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