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母の居場所を問いただされる私〜酒癖の悪い身内に巻き込まれる〜
私が高校卒業するくらいまでの期間、うちの身内は父の兄弟5世帯が全員集合する、何とも賑やかな集まりを行っていました。
毎年お正月やお盆休みになると、一つの家に集まっては大宴会。
親達は、お酒を底無しで飲むほどの酒好きの集まり…その中で長男である伯父の酒癖の悪さに、私は巻き込まれてしまうのでした。
私が高校卒業して、会社勤めをし始めた頃…
「みんな集まるけん、あんたたちも来なさい」
父から召集がかかり、その日は家族で伯父の家に行く事になりました。
いつものように酒飲みの集まりの大宴会。
いつもと変わらずご飯を食べ、何だか落ち着く場所がなく、みんなとちょっと離れた所に座っていた時のことでした。
伯父:「おぉぉ…い、これに住所と電話番号を書かんかねぇ…」
酔っ払ってフラ〜ッと目の前に現れたのは、父の一番上の兄弟(長男)でした。
私の目の前にメモ紙とペンを叩きつけ「書け!」と一言だけ。
訳が分からず私は「何を書くんよ?」と聞き返したところ、伯父は酒臭い顔を私に近付けてきてこう言ってきました。
伯父:「あんた、お母さんの住んどうとこ知っとうとやろ?
住所と連絡先を書けって言いようったい!」
『これって尋問…?』
私は一瞬言葉が出ず、むしろ恐怖を感じてしまいました。
知らないものは知らないので、ありのままを叔父に伝えました。
私:「知らんよ…」
そうすると伯父は逆上し、感情あらわに詰め寄って来たのです。
伯父:「知らんわけなかろうが!いいけん書けっち言いようとって!!」
もう悔しくて、辛くて、涙が湧いて出て来ました。
私:「知らんって言いようやろうが!!!」
いつもはそんなに声を荒げることはないのですが、この時はあまりにもしつこく言い寄ってこられたので、感情が爆発してしまったのです。
そのうち、私は体に異変が起こりはじめました。
息が荒くなり、過呼吸を起こして、気を失ってしまったのです。
涙は止まらず、ずっと頬を伝っていきました。
周りがようやくそれに気づき、伯父の暴走を止めていたようでした。
伯父:「こいつは知っとんよ。何で聞いたらいかんとか?」
…意識が朦朧としている中でも、その言葉だけは聞こえていました。
身内の中でも、私の母はずっと悪者扱いなんだな…と正直ショックでした。
少し時間が経ち、私は落ち着きを取り戻し、目を開けました。
すると今度は、父からの一言に苦しくなったのです。
父:「あんた、本当脆いね。こんな事で負けるな!もっと強くならんか!」
何故か最終的には私が叱られているという、何ともモヤモヤした経験でした。
その時の周りの身内の視線も、かなり冷たかったことだけは覚えています。
全部の罪をお母さんに擦りつけているから、身内は皆お母さんに対する見方が酷いものになっているのだと感じてなりません。
それからというもの…
私の身内…今は一年に一度も会うことはありません。
無理して会うことまでしなくていいかなと思っています。
正直、今後身内と集まることは、数える程度かもしれません。
いやぁ…本当に酒癖の悪い人がいる空間は苦手です。
幼少期のトラウマもまだ残っているのかもしれないですが…。
私は身内でたった一人だけ、お母さんを信じています。
何となくですが、同じ県に住んでいるんじゃないかなぁと感じています。
そのうち会える機会があるという希望を持って、日々生きています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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