就職1社目②〜耐えるんだ私!〜
資格ゼロの私が、簿記の知識必須の部署へ配属される
1週間の新入社員教育が無事に終わり…
地元へ戻ってきたのですが、さすがに不安でいっぱいです。
ドキドキしながら出勤…
会社に到着しても、まったく落ち着きませんでした。
朝礼が行われた後、どの部署に配属になるのか
一人ひとり呼ばれて通達がありました。
私が配属されたのは新しく新設された部署でした。
確実に簿記の知識が必須だと思われる部署…
見るからにお硬い雰囲気のおじさま室長50代
出向で来ていた少しは話しやすい室長代理30代
俺様気質が強いベビーフェイスの新人教育担当20代
そして…普通科の高校を卒業したて無資格の私18歳。
…計4名。
私は商業系の高校に行ったわけではなく
簿記や電卓などの資格なんて一切持っていませんでした。
商業簿記・工業簿記の知識は必須
常に数字とのにらめっこで電卓をたたく
『場違いでしょ…何でこの部署なんやろう』
そんなことを思いながら、業務は始まりました。
そして苦痛だったのは聞きにくい環境…
こんなにも女性の事務職の先輩たちが
各部署に複数いるのに、何で私は一人なんだ!!
まだ慣れない私に、女性の先輩たちは優しかった…
最初だからだろうか…?
「男ばっかりのところにあなた一人って…かわいそう。
何かあったらいつでも言っておいでねぇ。」
そう言われただけでも、私にとっては救いでした。
新人教育担当の標的になる
仕事を覚えるのは、かなりハードだった気がします。
たしかに当然といえば当然ですよね。
学生気分が染みついているのを
そう簡単に変わることは出来ないですから。
あとは『簿記の知識がゼロ』というところからの
スタートだったのが、私にとってプレッシャーとなりました。
そんななか、仕事を教える教育担当の方が上司から
「新人さんにいろいろ教えるように」とお達しがあったようです。
私の席は、教育担当の隣の机…
「りくゆとです。よろしくお願いします。」
挨拶をしましたが、目も合わせずにめんどくさそうに
うなずき「はいはい」と言われただけでした。
『なんか…変!』
それからというもの、帳票の印刷やコピーの日々
そのうちに原価計算をするように言われだしました。
この段階では、まだまだ計算の仕方がわからない…
私は正直にその教育担当へ伝えました。
私:「どのように計算したらいいのか分かりません」
すると、その方はニヤリと笑みを浮かべ
何か企んだ顔つきで見下ろしこう言ってきました。
教:「そんなのも出来ないの?」
この時、私は直感で感じました。
『あっ!この人は危険だ!関わりたくない!』
しかし、仕事を覚えだした矢先だったので
今会社を辞めたら、親が悲しむんじゃないかとか
努力が足らないとか言われるんじゃないかとか
頭の中は辞めようか耐えようかと混乱状態でした。
『耐えるんだ私!』
それからというもの…
教育担当の日々の感情の起伏に
振り回されることとなりました。
そのうちに機嫌が悪い時は八つ当たりされ
名前で呼ばれずに「ねぇ!!」と何度言われたことでしょう。
私は一度だけ
その方の態度に我慢できなくなり
完全無視して目の前の与えられた業務だけを
黙々とおこなったことがあります。
その時は上司に「今日仕事終わってあけといて」と言われ
夕方から相談に乗ってもらい、自分の行動の未熟さも理解して
何とかバランスをとりながら仕事をするようにと言われました。
でも、合わない人は合わないんです(笑)
ある意味開き直り、仕事をするようになってからは
教育担当に何を言われても間に受けないようになりました。
教育担当の彼女
環境に慣れることがいっぱいだった私に
一人の事務の女性が声をかけてきました。
「ごめんね。あの人、感じ悪いやろ…?
何かあったら私に言ってもらっていいよ。」
この方は、実は教育担当の彼女だったのです。
そう言ってくださったことには
ありがたい気持ちでいっぱいでした。
私にとっては毎日が苦痛になっていたので…。
しかし、それも束の間…
実は、私が業務の件で教育担当と話をしているだけで
その状況を見た彼女は嫉妬していたのです。
私を遠くの席から睨みつけ
机の引き出しをバン!!と閉めたり
物に当たり散らしたりと感情的になっていたようです。
周りの人たちは嫉妬で狂う彼女の行動に
「またか…」という感じで見ていたのです。
優しく近づいて来ているように見えて
実は何を考えているのか分からない。
ちょっと恐怖を感じました。
これってセクハラですか…?
毎日パソコンを使って仕事をしていたのですが
高校の授業でもパソコンの授業はほとんどない時代。
タイピングのスピードもままならず
ましてや電卓など使いこなせてもいませんでした。
そんな中、少しずつでも慣れていき
仕事のスピードを上げていこうと焦っていました。
焦りと緊張でガチガチになっていた私の姿は
上司から見るとどのように映っていたのでしょうか。
心配だったのでしょうか…?
お昼休憩のチャイムが鳴るといつも
上司である室長が私の背後に近づいてきました。
「りくゆとさぁ…休憩になったぞ。昼飯だぞ。」
その声は私の耳元でいつも言ってきました。
そして、毎回私の肩に両手をのせて肩揉みを始めるのです。
何でしょうね…複雑でした。
優しさでそう言ってこられていたのか
からかってそんな行動をしていたのか
当時の私には、そんなことを考える余裕すらありませんでした。
これって今ではセクハラになるでしょうね。
この部署、この会社で
私は勤め続けることが出来るだろうかと
緊張と不安ばかりを抱えて仕事に向かうのでした。
…就職1社目③〜めんどくさい…自分の気持ちを押し殺す日々〜に続きます。