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狂った恋愛遍歴⑥本気で好きになった人〜引き寄せ合い・自然な交際・心配かけてごめん〜
嬉しさとぎこちなさ満載の電話
M君から電話があったのは、先輩と話をしてから2、3日後の夜のことでした。
M:「あ…もしもし、分かる?えっと…Mです。」
私:「もしもし、分かります…。同窓会ぶり…やねぇ。」
2人:「あの時は話せてないけどね…(笑)」
そんな感じで話は始まりました。
後日、『お互いに休みで空いている日に遊びに行こう!』
という事になり、どこに行こうかという話から
何となく直感で『海を見に行こう!』という事で
地元の山奥から飛び出し、海へドライブする事になりました。
引き寄せ合い
当日、家の近くまで迎えにきてくれるという事で
家から少し歩き、見えやすい場所で待っていました。
すると、間もなくしてM君が車を走らせてきて私に気づくなり
車中から手を振ってくれました。
M君は私の目の前で車を止めてくれて
互いに何となく照れた感じで挨拶を交わしました。
M:「おはよう!お待たせ〜」
私:「おはよう!近くまで来てくれてありがとう!」
そこから片道1時間半ほどの海へのドライブが始まりました。
道中での会話は、M君の先輩の話から始まり…
なぜ私だったのか?という聞きたいことも伝えました。
『同窓会で見かけた時に、声掛けたかったけど出来なかった』
そういったシャイな部分を持っていた事を初めて知ったのです。
同窓会の日以降も、私のことを気になってもらえていたんだなぁと思うと
やっぱり嬉しかったし、彼の事がもっと知りたくなってきました。
そして、何となく誕生日の話になったのです。
「えっ?誕生日が次の日なん?!続いてるんやね!!」
M君の誕生日の翌日に、私はこの世に生まれてきたことを知り
その瞬間、何か引き寄せあっているという不思議な感覚になりました。
自然な交際へ…
M君と私は、特にどちらかが「付き合ってください」とか
いわゆる『告白』というものをしたわけではありませんでした。
本当に、自然に…
いつも一緒に過ごすようになっていました。
お互いに実家暮らしでしたが、普通に家を行き来しては
ご家族と一緒にご飯を食べたり、お話したりという日常だったのです。
彼の家に行く口実を作るために、差し入れを持って行くこともありました。
いつの間にか、彼に会いに行くのが楽しみになり
事あるごとにおじゃまをしていた私に
親御さんはいつも優しく接してくださいました。
M君と私の自然体な感じが伝わっていたのかもしれません。
いつも二人を見守ってくださっていました。
しかし、二人の間にも楽しいことばかりではありません。
たまに彼から厳しく叱られることもあったのです。
楽しくないBBQ
私が悪かったのです…1度だけ猛省したことがあります。
ある日、私の友人が海でバーベキューをするという事になっていました。
友人:「当日は車がないから、りくゆとが車を出して欲しい」
私は運転が苦手だったので、友人が運転するという話にOKを出しました。
そして当日…
M君には「友達とバーベキューに海に行ってくる!」と伝えて海へ向かいました。
私のこの言葉に、M君は何気に引っ掛かったのでしょう。
『勘』…というものです。
そんな事にも気づかず、私は友人たちと海へと車で向かうのでした。
現地に到着すると…私はちょっと尻込みしたのです。
友人から聞かされていない光景です…。
なんと男性が数名合流してきたのです。
私は『あ、これは…どうしよう。』と呆然としてしまいました。
友人からは「言わなくてごめんね…断られると思って…」と
申し訳なさそうな面持ちで謝ってこられたのですが
どう見ても合コンです。
これはもうアウトなやつです…。
M君の顔が脳裏をよぎり、早く帰りたくてたまりませんでした。
バーベキューは予定どおりに始まりましたが
私は全く楽しくもなく、ただ都合よく使われた感でモヤっと状態です。
そこに参加している人たちは、お酒がすすみ、ワイワイと楽しそうでした。
ひとまずバーベキューのお肉や野菜など食べてはみます。
食べては見るのですが、まったく心ここにあらず…。
波打ち際にあえて離れてみたりして、影を薄くしていました。
みんながバーベキューで盛り上がっていた頃、私の携帯が鳴りました。
掛けてくる人は一人しかいません…。M君でした。
「今、どこにおるん?」
場所は伝えたものの、私も気が動転してしまい
平常心ではいられなくなっていました。
お酒そんなに強くないのに、やけくそで缶チューハイを飲み…
友人たちとも離れて階段にうな垂れていました。
そんななか、友人と男性が二人で私の様子を見に来ました。
友人:「大丈夫…?じゃないみたいやね。無理に来させてごめん。」
この時、私は取り乱していました。
確実にM君から雷が落とされる。
自分の軽はずみな行動に呆れられるのではないか…
そんな不安ばかりがよぎり、気を逸らすかのように飲み過ぎてしまったのです。
友人はスポーツドリンクを急いで持って来てくれて
男性は、送り届ける準備を友人としてくれていました。
男性:「今日は、お茶しか飲んでないしすぐ送るよ。彼氏、怒ってるよね…何かイヤな思いさせてごめんね。」
こんな感じの話をされたのは覚えていますが、
それから酔い潰れて少ししか覚えていません。
私の車の後部座席に横たわらせてくれて、友人とその男性で地元まで送ってくれました。
その道中、M君から電話が入り友人が代わりに出てくれました。
「すみません…今送り届けているので…じゃあ、○○で待ち合わせ…」
『???…待ち合わせ…?』
それから間もなく、地元のとある駐車場で車が止まりました。
「わざわざすみません…」
「いえいえ…こちらこそ…」
二人が外に出て誰かと話してる…
そこで待っていたのはM君でした。
友人:「車借りるね。みんな送り届けたら家の駐車場に戻しとくから!」
そう言って、二人はバーベキュー会場まで戻って行きました。
M君は自分の車に私を乗せ替え、気分が落ち着くのを待ってくれていました。
心配かけてごめんなさい
少し落ち着いて来た頃…
M君はいつもより低いトーンで、口を開きました。
M:「どれだけ心配したか分かっとるんか?」
私:「ごめんなさい…男の人が合流するとか知らんかった」
M:「なんか嫌な予感はしたんやけどね…気づかんかったんか?」
私:「うん…まったく」
すると、M君から驚きの言葉が…。
「俺、『どこにおるん?』って電話したよね。あの時、U君(当時私の職場の先輩でもあり、M君の親友)と海に探しに行っとったんよ。どの辺りにおるか分からんで家まで帰って来たけどね。」
この言葉で、私はM君の気持ちにワンワン泣いてしまいました。
これほどにも心配をかけてしまった私は
本当に軽はずみな行動をしてしまった!と猛省しました。
『本当にごめんなさい。心配かけるような事、もうしません!』
いつの間にか、空は少しずつ明るくなって光が差し込んできていました。
M:「さて、お前の親父さんとこに行くぞ!」
私:「えっ…?」
M:「は?!こんな時間まで娘がほっつき歩いて、親父さん心配しとうやろ。謝りに行くぞ!俺も一緒に謝るけん(笑)」
私はM君の思いが嬉しかった。
心配や迷惑をかけてしまっていたのに、
私の親のことまで考えてくれているという
なんて優しい人なのだろうとまた泣いてしまいました。
次回に続きます。
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