アラサー低身長女子のバイク中免教習 永遠の2限目ループ
1限目を書いてから、すっかり日にちが経ってしまった。日記は書いていないけれど、教習所には毎週楽しく通っている。
1限目を書いた時点から、様々な課題を乗り越えた今、思い出しながら初日のことを書いてみたい。
2限目-① バイクは繊細…?
1限目でバイクを練習スペースまで押して運び(途中で早速倒してしまったけれど)、迎えた2限目はいよいよバイクに乗り、走らせる。
教官:「じゃぁ、発進と停止をやってもらいますね」
「えぇ、もう走るのか…!」なんて思ったけれど、当たり前だ。だってバイクに乗る練習に来ているんだから。教官から簡単に、バランスのとり方(視線は遠くに)と、ブレーキ(じわっとかけてね)と簡単な説明をされ、いよいよ初ライド。
教官:「では、ここから、あそこのパイロンを目指して進んでください」
指されたのは約10メートル先のパイロン。
さて、バイクに跨ったはいいものの、さっき習ったばかりの発進手順を思い出すのだけで必死。見かねた教官が横で誘導してくれる。
教官:「クラッチ握って」
左手でレバーを思いっきり握りしめる。
教官:「1速にして」
左足でシフトペダルを一回踏む。
ガチャン、となにかロックが外れたみたいな雰囲気の音と感触がする。
教官:「アクセルを少し回して」
今度は右手で、アクセルを手前に回す。エンジンの回転数がヒュッと上がって、ブロロロロロと、いかにもバイクっぽい音が大きくなる。
教官:「はい、クラッチ緩めてー」
握りしめていた左手を、恐る恐る、緩める。
コロコロコロコロ。
タイヤが前にゆっくりと転がり始めた。
で、私は焦った。
バイク、左右に揺れる!
こわい!転びそう!
足をつきたいのに、着かない…!
とにかく、バイクを停めなければ…!
私:(ブレーキか、ブレーキって、右のレバーだったはず…!)
ぶおおおおおん!
右手に力を込めた瞬間、アクセルがグイっと回ってしまった。
急にバイクが速度を増す。
ひたすら焦る私。
咄嗟に左手でクラッチを握り、右手でブレーキをめいっぱい握る。
ガターン!
バランスを崩した車体が左に傾いて、支えられずに落ちる。バイクが転けきる前にクラッチから手が離れ、私の体を残してバイクが前に飛んでいきながら転がった。(本当に大事故になりかねない転け方)
記念すべき初ライドはトラウマ級の失敗に終わった。
教官もどこから教えていいか分からないレベルの出来なさっぷり。いま分析すれば、少なくとも3つの失敗を同時にこなしていた。
しかし、なにもかも分かっていない私は、「バイクってこんなに繊細なの?!」と、ただただ混乱。
教官は粘り強く教えてくれるものの、発進することさえできない。
なんということだろう。ただまっすぐ進むことすらできなかった。
うまく発進できるようになるよりも、左手の握力に限界がくるのが先だった。握りしめ過ぎて、力を入れていなくてもガタガタ震えてしまうようになり、その日の教習は終わりとなった。
2限目-② バイクに乗るためにやったコト6
あまりにうまくいかずに、落ち込んだものの、これはほんのはじまりに過ぎなかった。
実に、7回も発進練習教習を繰り返すことになったのだ。
発進はフラフラして舵を取れずに、とんでもないところに進む。
そして、止まることができない。というか、止まる度に、コケる。
3回目の教習で、教習車(自動車)に衝突するという事故を起こし、教習所内で一躍有名人になってしまう。
そして、4回目も合格がもらえずにダブると、私が通っている教習所では「教官長」との簡単な面談があり(本当にダブり過ぎているんだなと泣いた)、通常は二人一組での教習が、完全なマンツーマン指導に切り替わった。
そして、7回目にして、合格。
ようやく、次のステップに進むことができたのである。
教習料金、約28000円の追加課金。
期間にして、1ヶ月。
その間、ただただ教習所に通っていただけではない。絶望的にバイク音痴な人間には努力しかない。
ハンドグリップで握力強化
そもそも、教習開始した当初、1時間の教習に左手の握力が追いつかなかった。教習時間の3分の1くらいは、ギブアップしていた(バイクを降りて、口頭で教えてもらう時間にしていた)。
で、Amazonでハンドグリップをポチった。600円。
家のトイレに置いて、トイレに行くたびに左手を鍛錬。
(教官によると、クラッチレバーに必要なのは、普通の握力とはまた違う筋肉らしいけれど、クラッチレバーをイメージしながら訓練)
グローブを買い替え
最初に用意していたのは分厚くて、グリップ素材が付いたもの。これだと、アクセルの感覚がわからないから初心者には難しい。アクセルを回しているつもりがなくても、回ってしまう現象の原因である。薄くて、グリップのない手袋をAmazonでポチり。900円。
発進・ブレーキの手順を歩きながらシミュレーション
通勤や買い物中、両手をポケットに入れて、バイクの操作をポケットの中でイメージしながら歩いた。歩きはじめは右手を捻って、左手の拳を緩める。止まるときは、右手の捻りを戻して、軽く握る。左手も握る。とにかくバイクの操作を覚えるまで続けた。
中古のママチャリ購入
一番効果的だったと思う。
4回目くらいの教習で、教官に「もしかして、自転車乗れないんじゃない?」と言われ、ハッとした。自転車くらい乗れると思っていたが、思い返せば20年も自転車に乗っていない。
近所の自転車屋さんに駆け込んで、5000円で購入。
跨ると漕ぎ出しでフラついてしまう。停車しようとしても、着くはずの足がうまく着けず、降りられない。
バイクと同じ現象だった。
時間があるたびに、人気のない公園や、車の少ない道で自転車を練習。ときには近所の子どもに指を指されながら、練習。
自転車がある程度サマになると、連動するようにバイクの発進・停止が形になった。
ついでに言えば、自転車に久しぶりに乗ってみると、車道の脇を怖くて走れなかった。ということは、バイクの路上デビューしても同じ状況になるということ。駅と自宅の往復や、ショッピングに自転車を使って、徐々に恐怖心を和らげた。
正しい座り位置をじっくり探求
もうひとつ、大きいのがバイクに跨る位置だった。身長が低く、腕も短い分、シートの前の方に座ったほうがいいことは確かなのだが、思ったよりやや後ろに腰を下ろした方が、私の場合は、足を着いたときにバイクを支えやすいのだ。この場所を覚えるだけで、エンストでコケることが激減(エンストする度にバイクの「ガクン」という揺れに負けて転んでいた)。それに、ふくらはぎをステップにぶつけてアザを作っていたのが、解消された。
教官にマンツーマンでついてもらい、ステップに足を乗せる位置、腰の使い方含め、自分に合った位置を20分くらいかけて探った。
体幹トレーニング
最も大事なのは、これなのではないかと思う。
エンストの振動や、少しブレーキを握り過ぎたタイミングなど、ちょっとしたことでバランスを崩すと、もう制御しきれずに転んでいた。
週に1、2回の自転車と、なるべく毎日15分程度の筋トレとストレッチで、太腿とお尻に、とにかく筋肉をつけた。
すると、10日後には教官も自分も驚くくらいに転ばなくなったのだ。すると、ブレーキに対する恐怖心がなくなり、自信を持った停止や、アクセル操作ができるようになる好循環が生まれた。
諦めない心で
正直、教習があまりにうまくいかないと、心が折れる。自分にはバイクはむいていないのではないか(まぁ、明らかにむいてない)。お金の無駄なのではないか、と不安になった。
けれど、教官を信じ、自分を信じ続けて、なんとか発進と停止ができるように。
まだ油断すると転んでしまうけれど、Uターンはやり直し3回、30キロでの急制動はやり直し2回でなんとか合格。
最初の7回ダブりに比べれば、合格までにかかる時間が短くなっている。
とにかく、免許取得まで粘りたい。
最後までお読み頂きありがとうございました!