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AIエージェントを研究・開発していて、MCPに注目してない人はモグリだ

Anthropicがとんでもないものを出してくれた。Model Context Protocol(MCP)である。

強いタイトルでごめんなさい。AIエージェントに関わっていてMCP触ってない人は、たぶん忙しすぎる人なんだと思う。分かる!めっちゃ分かる!忙しいよね!!!!!

ということで、AIエージェントを研究・開発してるひとは是非MCPに触れてほしい。

  • 最低でも、仕様は把握しておくべき

  • AIエージェントにMCPによる拡張が可能な設計を考慮すべき

現状ではClaude DesktopがMCPに対応したクライアントだ。MCPはクライアントサーバの仕組みで、tooling(旧function calling)機能を任意のサーバーで実現できるものだ。

汎用プロトコルとライブラリ集なので、OpenAIやGoogleやollamaやLM Studioなどが対応することも可能だ。特にOSSや無料ソフトの類いはやってくるだろう。

これをChatGPT pluginの夢再びと見る考え方もあるかもしれないが、重要なのは、MCP serversだ。

  • Filesystem - Secure file operations with configurable access controls

  • GitHub - Repository management, file operations, and GitHub API integration

  • Google Drive - File access and search capabilities for Google Drive

  • PostgreSQL - Read-only database access with schema inspection

  • Slack - Channel management and messaging capabilities

  • Memory - Knowledge graph-based persistent memory system

  • Puppeteer - Browser automation and web scraping

  • Brave Search - Web and local search using Brave's Search API

  • Google Maps - Location services, directions, and place details

  • Fetch - Web content fetching and conversion for efficient LLM usage

これらが、既に2024/11/27時点でModelContextProtocolコミュニティが公開しているMCPサーバーの一覧である。

Claude Desktopの設定ファイルを書き換えれば、Claude Desktopは今すぐこれらにアクセスし放題になる。

本来であれば、ChatGPTやClaudeのウェブアプリが、ウェブアプリの文脈で機能開発しないと実装されなかった数々の機能(メモリー、Advanced Data Analytics、Artifactsなど)が、任意の誰かの手で簡単に機能追加できてしまうのだ。

既存のものが強すぎるのであれば、より適切に権限制御のできるように修正するなり、プロキシーを作るなり、新たに実装してしまえばいいのだ。

コレの意味するところ

MCPは別にClaude専用ではない。ollamaやLM StudioのようなOSSや無料ソフトウェアなんかはわりと簡単に対応するだろう。しない理由がない。

OpenAIやGoogleがどう動くかはわからないが、エコシステムが育っていくと、さすがにそれに乗っからないのはしんどいはずだ。

現時点ではローカルでしか動かないから、そこからウェブ版なんかがどうなっていくのかは、それぞれの会社の思惑はあるだろう。

ただ、今回の記事ではそれらに関してはどうでもいい。重要なことは、MCPクライアントは別にチャットアプリケーションじゃなくてもいいのだ。

なんならLLMが関係しないものですらかまわないのだが、それを言い出すとさらに話が脱線するので、今回の主題に戻そう。

色々な企業・研究者・開発者がいまAIエージェントの研究・開発をしていることだろう。AIエージェントは何かしら外部に干渉(In/Out)するための口を持っている。共通インターフェースを持つこともあれば、車輪の再発明が行われることもしばしばだろう。

AIエージェントがMCPクライアントになれば、MCPのエコシステムにそのまま乗っかることができるのだ。もちろんAIエージェントがMCPサーバー側になってもいい。

仮に車輪の再発明が大好きな、自分たちで作る派だったとしても、最低限、エージェントのアーキテクチャの中でMCPを考慮するべきだろう。MCPで拡張可能な設計や、インターフェースを揃えるくらいは最低でもしておくべきだ。

AI系の開発者の中には「設計論」をないがしろにする人もいるようだけど、ある程度以上の寿命のあるものを作るのであれば、設計論はとても重要だ。使い捨ての場合でも、既存のものに乗っかることは重要だろう。

つまり、MCPはAIエージェントの設計においてとても強いインパクトを持っている。

ということで、AIエージェントを開発している人は、是非ともMCPを一考してみてはいかがだろうか。


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