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長雨の日々 軒先の雀と

 「よく降るなあ。今日も雨。」ベランダの窓を開けて、灰色の厚い雨雲に覆われて重そうな空を見上げていました。(今日は傘をさして買い物に言ってこなくちゃ。)と思いながら窓を閉めようとした時、軒を支える細い柱に雀が止まっているのに気がつきました。どうも雨宿りをしていたようです。(どうぞごゆっくり)としばらく眺めていたら、やがて飛んでいってしまいました。

 ふと思いついて、米粒を何粒か柱に置いてみました。部屋の中から様子をうかがっていると、案の定、雀がやってきました。そして米粒をついばみ、ちちちっと鳴いて飛び去っていきました。
 「ごちそうさま!」
と言ったのか、それとも仲間に
 「ここ、お米が食べられるよ!」
と言ったのか・・。

 また、米粒を置いてみました。さっきより少し多めに。来ました、来ました。ちょこちょこと、可愛らしい様子で米粒をついばんでいます。あらあら、今度は友達までやってきました。2羽で仲良くついばんでいます。そして全部食べてしまうとまた、ちちちっと鳴いて飛び去って行くのです。

 雨が降るたびに、雨宿りする雀のためにお米を置いています。あまり雨の日が続くので、最近では、お米を置くのを忘れるとベランダの周りで、
 「今日は、まだですか~?」
というように、数羽の雀がちちちっ、ちちちっと鳴きながら飛び回るようになりました。

長引く梅雨の日々に、一つ楽しみを見つけました。

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