僕がこの先あの舞台に戻れるのか
僕自身は少なくとも面白いと思っているが、他人から見れば22口径のサタデーナイトスペシャルみたいなちゃちな鉄道お仕事百合小説で、僕は修羅の国・電撃文庫へと乗り込むことになんとか成功した。
推敲に恐ろしく体力を使い、〆切日の10日にエピローグの推敲を完了させ滑り込みで投稿。一応確認したがデータエラーもなく、ギリギリセーフといったところだった。
本当ならばもっと余裕を持って書くところだったが、推敲に体力を使い果たしてはダウンしていたのだから。
ストレートエッジのプロットコンテストへ二作出して二作落選。競争率がどれほどだったかはわからないが、本来pdf出力すべきダウンロードフォントを多用した企画書で生のdocファイルを送ってしまった時点でちょっと嫌な予感はしていた。
それに話も今の主流の異世界恋愛などではなくリアルロボモノとロボメイドモノで、話もややありきたりでテーマも伝わりにくい内容だったので、仕方ないかなとも思っている。
先日のカクヨムでのプロットコンテスト含め、わかつきひかるさんは自分のチャンネルで「今後こう言う賞が増えていって、従来型の新人賞は減るんじゃないか」と語っていたが、そういう賞にとても重要な斬新なアイデアやキャッチを作る力は僕には無い。
僕にあるのは無駄な衒学を行かした設定と、やさぐれながらも優しかったりする登場人物と、趣味を入れたがって作品や読者の幅を狭める妙な拘りぐらいだ。もちろんこんなのは全部マイナスポイントにしかならない。
もし従来型の新人賞が減れば、僕はリタイア待ったなしだ。
落選短編をリサイクルした連載作品の「トプカプ戦記」も盛り上がるポイントのなさや電撃応募作の合間に書いたり生来の遅筆もあって、カクヨムでは埋もれ気味だ。
多分今のままの更新頻度じゃ読者も大してつかないだろう。
僕にはプロ作家としての意志と覚悟が圧倒的に足りてない。以前あるプロ作家の方に頂いた諫言だ。
ネット連載や出し惜しみ無しで挑んだ方が良い。というのは編集さんからの助言だ。
僕自身プロ作家に拘り続ける理由は、プロ作家であることが僕の存在証明パスポートであり、妄想を形にする大義名分だと思っているからだ。
だが後者に関してはネット小説や同人誌でも十分だろうとも言われそうだ。
絵ならSKEBで頼めばいい、本なら同人文庫として出せば良い。そうしている友人もたくさん居る。
そうすれば良い事も分かっている。ただ僕には定職が無く資金が無いから躊躇っているだけなのだ。
今年中に初めて定職につければ、もしかすればそれも可能かもしれない。
そしてもし人気を得るか編集者の目に止まれば、僕はもう一度あの舞台に戻れるかもしれないのだ。
だが、そもそもだが僕の小説はネットで人気を取れるようなものでは無い。
キャッチーさもアイデアも欠けていて、キャラクターも構成も地味で、世界観と設定だけが積み上がっているようなタイプの作品だ。
しかも更新頻度も低い分、きっとネット全振りにしても自信作すら少ない読者や身内に見られる程度で終わるだろう。
一方で商業作家の舞台に戻れたところで、自分の好きな作品を書けるかと言えば、ノーだ。
余程良い編集さんでもないならば結局は売れ線や編集部の望むものをメインに書くことになるのだろう。
そして妙に書ける幅の狭い僕が書くものは、企画で落とされまくりそうだし、いつかまた舞台から滑り落ちそうなのだ。
誰にも見られないが自由な世界を選ぶか、不自由でまたいつ失うかわからない生存証明を選ぶか。
就職時期は近づいている。
僕の体力キャパはフルタイム労働と数本の小説執筆を同時にできる程無い。
バナージのようにそれでもと言いながら新人賞応募や出版社に企画書を送るのも限界だろう。