【本の虫】No.1|蛾蝶記
昨日は比較的のんびりした一日だったので、手始めに海野和男さんの「蛾蝶記」と久保田賢一先生の「ライフワークとしての国際ボランティア」を読みました。
蛾蝶記は前の職場を退職する時に、唯一の同僚から頂いた。訓練前にゆっくり見ることができなかったので、美しいチョウとガの写真をゆっくりと眺めていった。
今森光彦さんの「昆虫記」が私のバイブル本であるが、大人になってチョウとガに焦点を当てた海野和男さんの「蛾蝶記」があることを知った。この本は初版が1998年に出版されている。海野さんは今年で72歳になるので、この本を出版された時は50歳である。
海野さんは冒頭に、チョウとガをみつめて50年と記している。年齢=生き物と過ごした日々としていることが、なんとも粋である。私もこれからは生まれた時から生き物が好きであったと答えようと思う。
海野さんは東京生まれで、都心を中心に自然観察を行なってきている。この本には、彼が小学5年生の時に撮影した写真も載っている。まさに、海野少年がチョウやガを追い続けてきた記録がこの本である。冒頭では海野さんが以下のように記している。
自然をたいせつにというけれど、そこにすむものたちの魅力がわからなければ、いなくなってしまったり、もどってきたりすることに、悲しみも喜びも感じないと思う。だから私はできるだけ多くの人に、そこにすむチョウやガのことを知ってもらいたいと思う。
都会で過ごしてきた彼だからこそ、都市開発や時代の変化により生き物たちのフィールドが失われていく様子を経験している。しかし、都会といえど目を向ければ全く虫がいない訳ではない。草むらや小さな林、家の植え込みにすら、多くの隣人たちが暮らしている。そのことを知れば自然への見方が変わっていくのではないかと綴っている。さらにあとがきには以下のようなことが記されていた。
チョウとガと知り合いになって、私はとても得をした気分になっている。その暮らしを通して、さまざまなことを学んできたし、その写真を撮ることで、毎日が楽しくて仕方がないのだから。
この蛾蝶記を手に取れば分かると思うが、海野さんの虫への愛が溢れんばかりに写真から伝わってくる。
上の今森光彦さんの昆虫記も同様であるが、写真からのメッセージや彼らの想いが非常に強く感じる。正直、幼少期にこの本にも出会っていたかった。これからはこの「蛾蝶記」も私のバイブル本の一冊として加える。
自然が大好きなに仲間たちと訓練所で話たが、自然を大切にする以前に自然に興味を持たない人たちが増加している事の重大さを感じた。
世の中には虫な嫌いな人の方が多いと思うが、私は虫が苦手でも生き物が苦手でも構わないと思っている。ただ、虫や生き物が嫌いでも、それを愛して止まない人たちがいて、それらを受け止め、理解者になることが大切だと思っている。もちろん、自然が大好きな人々を増やしていくことが何より大切である。
これからどんどん自然が失われ、生き物たちの生息環境はどんどん奪われていくであろう。そんな中で、私は何ができるのであろうか。
まずは自分自身が、子供たちの好奇心の芽を摘まず、育てていけるような大人を目指したい。
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この本を読んで、私が小学校4年生の時に行った自由研究について思い出した。
研究テーマは「葉っぱの虫喰いはん人はだれ?」である。調べ学習に近いが、ありがたいことに努力賞を頂いた。
研究動機はこちら。
身の回りの穴の空いた葉っぱを見つけては、写真に収め、その虫が何なのか、何を食べるのかを記録した内容である。
この自由研究を一緒にやってくれた母親には非常に感謝している。
私の好奇心の芽を身近にいた母や家族が摘まないで育てていてくれたことが今の私に繋がっている。
一時期虫から離れてはいたが、昨年爆発してからは虫への愛が溢れまくっている。笑
ルワンダでどんな生き物たちに出会えるのかワクワクしている。
さて、もう一冊読んでいましたが蛾蝶記について熱く語ってしまいました。虫の話になるとどうも暴走してしまう。笑
ライフワークとしての国際ボランティアについての感想は次回にしたいと思う。