掛け合いフリー台本
ツキの無い夜
掛け合い台本ですが、リスナーも登場人物としてカウントしている感じになるのでシチュボにも分類されるのでしょうか?しっかり展開していきたい物語の試作品みたいなものです。
カフェで働く「あなた」は仕事も終わって家に帰ろうというときに、なんとなく気になって路地裏に入ってみた・・・
※Aは男性、Bは性別不問です。
※一部SE指示が入っていますが指定のものはございません
ご注意:ご利用の際は固定記事をご一読ください。
[撃鉄を起こす音]
A:よ~ぉ、迷子かな?迷子にしては今のでキッチリ体とまってんなぁ?
(あくまでも独り言のように)
B:おやおや。こんなところで人と会うとは。
(優しく語り掛けるように)
B:こんばんは。何か御用でしょうか?少々立て込んでおりましてね?
A:とりあえず消しとくか?
(ぶっきらぼうに)
B:まぁ待て。
(優しく丁寧に)
B:申し訳ない。彼は少々トリガーハッピーなきらいがありましてね?
(焦りと憤り)
A:おいおい!?こいつは見ちまったんだぜ?しょうがねぇだろう!?いいじゃあねぇか!
(呆れて無気力に)
B:わめくな。トリガーハッピーは事実だろう。それに、消さないとは言ってない。
A:けっ。ただでさえ地味な仕事なんだからちょっとは楽しい思いさせろよ。
B:はぁ、いまだになんでお前と組んでるのかわからなくなる時があるよ。
(優しく語り掛けるように)
B:さてと。お聞き及びの通り、残念ながらあなたには消えてもらわないといけなくなりました。ええ、我々のビジネスを見てしまいましたからね。あなたももう少し遅く来ているか違う路地を通ればよかったのに。
(意地悪く)
B:つくづく運の無いお方だ。
(気の抜けた感じで)
A:あ、おい。こいつ見たことあるぜ。今思い出した。あのカフェの店員だ。マスターのお気に入りのやつじゃないか?
B:ほう?なるほど。
(徐々にテンションを上げながら)
A:まぁ、かまやしねぇか?見ちまったもんはしょうがねぇもんなぁ?今夜のマグナムのまんまはてめぇで決まりらしいぜぇ?
[撃鉄を起こす音]
(低いトーンで抑揚なく)
B:指示通り動けねぇてめぇの脳汁からぶちまけてやろうかこの腐れガンマン?
(おどけて)
A:おぉ~こわ。はいはい、わかりましたよ。
(努めて紳士的に)
B:さて。おっと、失敬。育ちが悪いものでね。運の無いお方、というのは訂正いたしましょう。明日はご出勤で?それはよかった。では明日、マスターを通してご連絡いたしますので。ええ、ご存じないのも当然ですが、マスターは我々のビジネスパートナーですよ。明日、よろしくお願いしますね。では、今夜はこれで。
(小声で)
A:おい、一つ教えといてやる。お前は運がねぇ。今日ここで消えといたほうがよかったって世界に足を踏み入れちまった。
(ため息交じりに、親しげに)
A:ま、せいぜい死なねぇこった。じゃあな。