19年続いた毎月開催の06S終幕へ

何かが違う、このドラムンベースというクラブ・ミュージックの1ジャンルで19年も続けてきたDJ AKiのプレイを観て聴いて体感して、伝えたい、何か書きたい、書かないといけないだろう、という想いがフツフツと湧き上がっていた。東京・渋谷WOMBで2019年6月1日深夜に「06S」で、DJ AKiのプレイ中盤感じたことだった。

クラブって何?どんなとこ?

音楽を楽しみ、お酒を楽しみ、人との出会いを楽しむ空間がクラブにはある。23時頃にオープンとなり始発の電車が動き出す頃にお開きとなる。
クラブに来ているのは、リズムに合わせて思い思いに踊る男女、DJを観たいと最前列でスマホを手に撮影し続ける女性、女性と一緒に踊ってモーションをかける外国人男性グループ、後方で仲間とお酒を楽しむ常連グループ、曲の合間にキスを交わすカップル、椅子に座ってじっくり音楽を聴いている少し高齢な方など、年齢も国籍も性別も職業もファッションも異なり、そこでの楽しみ方は人様々だ。
クラブでかかる音楽ジャンルは大雑把にいうと、EDM、ハウス、ポップス,ヒップホップ、R&B、レゲエに大別される。EDMをもう少し分類すると、ハウス、テクノ、ドラムンベース、ダブステップなど。自分の音楽の趣向がハッキリしている場合は、どんなDJが出演し、そのDJがメインとするジャンルはどんなものかを調べて遊びに行くとより一層楽しめる。そうでないなら、とりあえずクラブへ行って好きな音を探してみて楽しむことだ。

06Sとは

この「06S」とは東京・渋谷WOMBで”ドラムンベース”をメインにDJ AKiが中心となって作ってきたパーティー、18年間、毎月開催されてきた。6月1日、18周年の記念すべき回だった。

レジデントDJ AKi登場

スペシャル・ゲストTHE UPBEATSを迎え、90分のプレイの後、真打ちとしてDJ AKiの出番となった。パワーでグイグイ押すスタイルのDJ AKiのプレイ、THE UPBEATSのプレイ音量を超える音でいきなり始まった。ウーハー前で立っていると、音に耳が負けてしまった。少し顔をしかめながら目を見合わせる人もいた。好きな曲がかかった際に、前方へ行ってみた。先程よりも少し楽になった。場所によるのか、耳が慣れたのか。最前列へ行ってみて気づいたのだが、関係者エリアに関係者がこれほど集まるって、やはり18周年のお祝いだからなのかな、と思っていた。

18周年のお祝い

終盤、一瞬音が止まる。THE UPBEATSとシャンパンで18周年の乾杯をするDJ AKi、ラスト1曲はDJ AKiイチオシの『Watercolour』のイントロが流れ、観客は熱唱し、会場が一つにまとまった。06S18周年を祝うバースデーケーキが持ち込まれ、MC CARDZとともに観客が『Happy Brithday to You』を歌い、DJ AKiがケーキのろうそくの火を吹き消したとき、あちこちから「おめでとう」の声が上がった。

終幕宣言

恒例の集合写真の撮影後、それは起こった。神妙な表情でマイクを持ったDJ AKiが重大なお知らせがあると伝えた。「18年やってきましたが、毎月はもうこれで終わりです。大事なお知らせです。ちょっとお休みします」その瞬間、悲鳴にもとれるような叫び声が上がった。「数カ月後、06S Finalを開催します。そこで1回06Sは閉じます。悲観的にとらないでください。未来を新しく作るための英断です。06S Returnsが1か月後にきてもみんな怒らないでね」という報告があった。泣き崩れる人もいた。お祝いムードから一転、衝撃的なお知らせだった。
「一旦幕を閉じないと新たな時代は始まらない」と衝撃発言の4時間後DJ AKiがTwitterで述べていた。1年ほど前から06S開催の前にブログラジオ番組で06Sの観客動員数を嘆いていた。いつかは来る、来たるべき時が来た感じだった。

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