なんとなく好きな場所

なんとなく好きな場所

　百貨店のトイレにめちゃくちゃレトロな雰囲気漂うパウダールームがある。そこが好きなんだけど、いつか無駄な空間として淘汰されてしまわないかちょっと心配な気持ちもある。

　とにかくいつも人気がない。目立つところにないと言うのもあり、いつ行ってもあまり人がいない。だからこそ好きというのもあるが、それにしては結構広い空間がこのパウダールームに割かれている。トイレ個室３つ足せるぐらい。だからこそいつか誰かがここ何か違う用途に使えそうじゃない？とか言い出さないか勝手に心配しているのだ。

　地味にこの席の間にそれぞれちいちゃい水道がついてるのも結構異質な感じがして、この空間に似た場所というのを自分は知らない。いそいそと映画終わりにここへ来て、鼻かんで小鼻まわり直したり目薬さしたりしている、だからこそ人気がなくて助かっている。実はね。

（２４０６１７）