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自設計キーボードについて


はじめに

おはこんばんちはEromisと申します。
2023年にとあるきっかけから自作キーボードの世界に足を踏み入れ、2024年についに自分でキーボードを設計するに至りました。
はじめは欲しかったキーボードケースが買えなくなり、手に入らぬのなら自分で作ってしまえと思った事と、何かに没頭したい、手に技術をつけたい、学びたいと色々な事柄が重なり、”ものづくり”という大きな一歩を踏み出したのでした。

結果は大正解で失敗しながらも色々なことを学び、これまでの何も生産的な事を成してなかった自分から脱却できたと思います。

キーボードをきっかけに素晴らしい才能とセンスと技術を持った方々と関わることができ、中にはとても親切に導いてくださる方々とのコミュニティに属することが出来た事は何にも代えがたい素晴らしい事だった言えます。

そんな私が見様見真似で自分の考えたキーボードを形にすることが出来たので、今回は概略を記したいと思います。
追々個別に詳しく書きたいと思っています。




作ったキーボード

  • butasan036

  • ahiruchan064

  • penginsan041e

  • penginsan041_tbp

  • hiyokochan_f10re

  • 上記キーボード用の専用ケース

4匹のキーボードと1匹のマクロパッド、5匹分の専用ケースを設計しました。
全て動物の名前を付けているので匹で数えます(笑)

命名規則は動物の名前+配列タイプ+キー数+その他特徴で付けています。
今の所オーソリニア配列しか作っていないのですがオーソのOを示す0、キー数といった形にしています。
あまり深くは考えていませんが、自分の好み100%はbutasan、一般の人のUIを考えたahiruchan、何か新しい尖った物なpenginsanといった具合でクラス分けしています。hiyokochanはahiruchanのちっさい版なのでahiruchan系列です。


butasan036

特徴

  • 変則オーソリニア配列

  • 36%QAZ

  • コンパクト&シンプル

  • フルLED

  • 大型ロータリーエンコーダーノブ

自身初設計のコンパクトキーボードです。
堕落猫さんのTrident44のコンパクトさと使いやすさに感銘を受け、それを自分よりに変更した構成。外形サイズはほぼそのままに、40%→36%にキー数を減らした。Trident44はホームポジションが個人的には多少窮屈な事があり、外側へ1Uずつズラすとコンパクトさと窮屈過ぎないギリギリの所を狙えたのでこの配置となった。もともと36%に全く抵抗がなかった(自キの入りがたまたまごさんのnowt36であった)事もあり、この形となった。

このキーボードの前にTrident44用のPSD40ケースが買えなかった事が3DCADに入門するきっかけとなった経緯があり、Trident44用のオリジナルケース(とはいってもPSD40のリバース・エンジニアリング的な)”とらいでんとケース”を作っていたので、それをそのまま流用できるという点もこの形になった一つの理由 。
      

いきなりRGB MATRIXやロータリーエンコーダー搭載したりなど初心者としてはかなり無謀な挑戦だったが、サリチル酸さんやm.kiさんの自作キーボード入門書などの叡智の書、webメディアへ様々な足跡を残してくださった多くの先人たちのお陰で失敗することなく完成することが出来ました。
まあ、最初から攻略本見ながらやってる訳ですから当たり前といえばそうですが。

ともあれ、こうやれば形にできるという学びを得た記念すべき作品となりました。
余談ですが基板余ってるので交換したり配布したりしてみたいですぅ。
お気軽に連絡くださいな。


ahiruchan064


特徴

  • 五十音かな配列

  • 入力インジケータ

  • 人差し指ポチポチ用

  • ローマ字入力苦手な人向け

  • 数字、半角英数も入力可能

  • 挟額縁デザインケース

  • Vial対応


自設計第2弾。図書館などでPC入力が苦手な人にも配慮したキーボードを見るたびにこういうの売れば結構売れると思うのだけどなぁと考えていました。
次のキーボードをどんなものを設計するか考えていた折、普通の物を作っても面白くないし、優れたキーボードは恒星の数ほど存在するので自分ごときがそんな物を作ったところで・・という思いもあり”普通じゃないキーボード”を考えた時にふと図書館の検索用キーボードが思い浮かび、これぞマルチUIだなぁと考えていたので作れたらなぁ・・・あれ?ワシ作れるよね?と思い至り設計する運びとなりました。

”分かりやすい”という事を考えた時に一番大事な事は”工数の少なさ”であるという事は、仕事柄多くのPCが分からない、分かろうとしない人々と接してきた経験からほぼ確実と言える事が自身のデータベースに蓄積されており、目的を達する為に如何に少ない手数で示すかという点を第一に考えました。

PCやデジタル機器に慣れていないいわゆる高齢者や苦手な人は自分が面倒だと感じた次点で能動的学習状態が解除されます。その時点で何をどう上手く伝えても伝わりません。経験上多くて2手以内で実現せねば”分かりやすい”にはなりません。
よって、キーボードが入力インターフェイスである前提とソフトフェア環境によって左右される状態を含めてそれを実現する必要がある為、一応の完成をみた今尚完璧とは言い難いものではあります。

多少の前提条件(この場合は全角入力オフの状態で繋いでください)を必要とするものの、かなキーとかなインジケーターの”色”によって何が入力できるのかという事を視覚的に示すことによって所謂”分かり易さ”はある程度実現できたのではないかと考えています。(しかしながらこの部分は要改良)

またこのキーボードから後の第3弾、第4弾に続く私設計のキーボードのアイデンティティである(にしようと思っている)入力インジケーターを搭載することになりました。
これはキーボード左上のスリットに組み込んだLEDでQMKファームウェアにおけるレイヤーの状態を色で示す窓で、自作キーボード知っている人には当たり前の機能の一つではありますが、状態を色で示すのは年齢やスキル関係なく理解できる優れたUIであると考えています。

このahiruchan064の場合はキーボード左下にあるペンギン柄のボタンのペンギンの色とLEDの色を一致させることで、

  • 緑色の場合はひらがながキーボードの印字のまま入力できます。

  • 紫ペンギンを押すとインジケーターが紫色に変わり、アルファベットが入力出来るようになります。もう一度押すとかな入力に戻ります。

  • 青色ペンギンを押すとインジケーターが青色に変わり、数字が入力dきるようになります。もう一度押すとかな入力に戻ります。

  • 黄色のお花を押すとインジケーターが黄色に変わり、黄色の時だけキーボード印字の小さい文字が入力できます。入力が終わると自動的に緑色に戻り続けてかな入力が続行できます。


かな入力可能状態


もう一度押すとかな入力に戻る


もう一度押すとかな入力に戻る


拗音は入力が終わると元に戻る

といったように色によって何が入力出来るかを視覚的に示すことで、どこそこを押せばああなってこうなって、コレが出来るんです的な説明を、ココが何色のときはこういった事ができますに短縮し、加えて苦手な人の心理的障壁を下げることが出来るはずだと考え搭載しています。

実際72歳になる我が母(苦手な上に、独特の解釈をする不思議ちゃん)ですらちゃんと入力できる(アルファベットを探して入力するより断然早く)ことが証明されています。サンプル数1ですが・・。
少なくとも母はこれなら分かりやすくて入力出来ると言っているので普通の人であれば大丈夫だろうと思っています。


狭額縁デザイン

一応、数字入力やアルファベットを入力する機能を搭載はしているものの、基本的にかな入力専用で両手ではなく片手人差し指でポチポチ押して入力する専用のキーボードです。日本語話者であれば確実に通るおなじみの五十音表をそのままキーボードにしたもので、ローマ字入力がどうしても難しい人、ひらがなの学習に、キーマップを自分で変更して別の用途になど使いみちは意外と?多いキーボードに仕上がったと思っています。

PC苦手なご両親やお子様の学習用に1匹いかがですか?(笑)

つづく!!


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