また会う日まで
11月のことを
幼い頃から一番そばにいてくれたおじいちゃんが亡くなった
ぽっかり心に穴があくとはこのことだ
寒くなり始めた頃だった
個人的には仕事が忙しくなっていた頃だった
私は23歳、おじいちゃんは83歳だった
晴れていた日だった
前日の夜は変な感じだった
建物の外から賑やかともとれる音が聞こえた
何人かの人が歌を歌っているようにもきこえた
しゃべっているようにもきこえた
これは前日の夜、仕事中に起きた出来事
親から連絡があり電話をすると、もう本当に長くないとのこと
なにを思っていたかはわからない、涙が出てきた
家に帰り夜中、月を見て泣いた
翌日の朝方に息を引き取りました。
まさかこんな日にやってくるとは
こんな日とは何でもない日
まさか命日になるとは思ってなかったよ、おじいちゃん
生前は必ず朝は喫茶店にコーヒーを飲みに行って
休みの日にはたい焼きを買ってきてくれるおじいちゃんでした。
政治的なことに関心が強く、正義感が強いんだなと思っていました。
私は19になったころ、政治的なことに関心を持ち
21でおじいちゃんと戦争について話す日がやってきました。
「お前はどうしたら戦争がなくなると思う」
と問われ
「文化を衰退させない、が答えかな」
とざっくりしたこと口にした
少し間があって「そうか」と眼鏡をあげるおじいちゃんを今でも鮮明に思い出す
少しピリついたような空気を感じた
話さない方がよかったかななんて当時は思ったけど
今は話しておいてよかったなと思います。
本当に、本当にたくさんのありがとうを。
もっと後悔を抱くかなと思ったけど不思議とありがとうしか出てきませんでした。
後悔という言葉に隠れて泣いていたい気持ちだったけれど、寂しさとその節目に静かに泣くことになるとは。
幼い頃から多くの時間を共にしてきたおじいちゃんだから、ゆっくり休んでくれたら嬉しいです。
いつもありがとう、また会おうね。