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ニッコールフォトコンテストでグランプリを取った話
結果発表からあっという間に1ヶ月。
もうすぐ授賞式のタイミングでフォトコンテストの受賞についてを書いてみようと思います。
ちょっと長いですけどお付き合いくださいませ。
今回初めて応募した第72回ニッコールフォトコンテスト。
応募したきっかけはリニューアルして応募しやすくなったからでした。以前より敷居の高さを感じなくて気軽なイメージになっていました。
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あと春に買ったプリンターを使ってフォトコンテストに出してみようと思いました。自宅で初めて大きくプリントしたのがこのニッコールフォトコンテストへの応募です。
ここ最近色々なフォトコンテストで写真への権利条件について内容が酷く、私もすっかり出すことを止めてしまいました。そんな中だったので受賞を狙ってはおらず、単に銀塩プリントよりも理想に近い色でプリントされるプリンターで応募したらどうなるだろう?という挑戦でした。自分の”好き”がどこまで通用するのか知ってみたかったんです。
写真は好きだし続けていた私だけど、熱は結構冷めていたと思うんです。
だからこそ誰かに記憶して欲しかったり、純粋に挑戦して自分の位置を知りたいと思いました。
消えないようにしたかったというか、居場所を確認したかったというか。
内定の通知が届いて・・・
だから内定の通知が来た時は凄く嬉しかったです。
何の賞かもまだ分からないのに久しぶりに喜びました。初心に返ったようにその気持ちに嬉しくもなりました。
その後、グランプリと連絡を受けた時にもよく分かっておらず後からグランプリってどのあたりの?賞品って何だろう?って調べました。
実感は時間が経つにつれて増してきました。
不思議なことに奇跡とも偶然とも思わず、強い自信になっていました。
受賞確定後
「ようやく、しっかりと掴めた」
ただただそればかり思いました。
私は4年前にカメラのキタムラフォトコンテストでも2020春夏で日常・自由部門グランプリを取りました。あの時はインスタグラムに載せても普通の反応だったけど私には最高だと思えていた写真で受賞しました。
SNSでの反応は普通でも自分の好きは貫けば結果に出る・・・そう思いつつ、どこか運が良かったという気持ちに押し潰されていました。
私、負けず嫌いとその努力だけは自信があります。皆そうかもしれませんが・・・運で終わりたくない気持ちと、その後大きなフォトコンテストで上位は取れてもグランプリになれない悔しさ・・・そこから悔しさで落ちるたびに這い上がりようやくまたグランプリを掴むことができました。そして今度はしっかりと自信を持てるようになりました。
その自信は8人の審査員の方々から選ばれてのグランプリだったのも大きいです。
私にとってのフォトコンテストとは・・・
” 感謝を伝えたり恩返しをするもの "
これはいつも頭の中に置いています。
もちろん趣味を楽しむための存在でもあるのですが、このことをとても大事にしています。
カメラのキタムラフォトコンテスト JAPAN PHOTO2020春夏
日常・自由部門グランプリ
私の写真人生を変えたともいえるEOSR。実は初期不良で検査に出しても原因不明と判断され他の部分まで悪くなって返されたことがありました。
主婦にはローンを組んで買うほど高かったフルサイズカメラです。絶望の中、周囲がよく利用していると聞いていたキタムラのお店へ一か八か問い合わせ伺いました。その時の対応が本当に凄く、今の写真に繋がっています。そのことへの感謝の思いでいつかそのお店からキタムラのフォトコンテストへ出して上位入賞でお店の名前を前に出したいと思っていました。
そしてそれはすぐに叶えることができ、カメラのキタムラフォトコンテストでグランプリ。お店に行き、店長さんにあの時助けてもらったカメラで受賞できたこと、このお店から出して選ばれたかったから出したことを感謝とともに伝えました。
第72回ニッコールフォトコンテスト グランプリ
今回のニッコールフォトコンテストのグランプリでも同じように写真で恩返しがしたいと思っていました。
柄木孝志さんが講師をされている「写真はプリントだ!全国ツアー Road to 2026」
私はこのイベントに参加してプリントの凄さを知りました。そして数年悩んでいたプリンターをついに購入しました。世界観が変わるほどの刺激を受けたあの日のお礼を何か写真で出来ないかと考え、このセミナーをきっかけに購入したプリンターで応募。
その結果、2つのフォトコンテストに応募し
・第72回ニッコールフォトコンテスト グランプリ
・第58回キヤノンフォトコンテスト 佳作
どちらも受賞することができました。
他にもフォトコンテストは色々と受賞してきましたが、大きな2つを代表で書きました。特にこの2つは感謝の思いが強かったので。
そして最後に・・・
受賞写真について
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タイトル:「夏祭りの空模様」
タイトルは写真と同じくらい繊細に考えました。
写真に言葉は要らないということは私の中ではないから。
言葉はとても大事なものだと思っています。
撮影状況:
「雨上がり、お祭りの花火大会を待つ娘と空模様を写した写真です。
降っていた雨で大きな水たまりが出来ていました。
そこに焼けた夕空が映り込みお祭りの日の風景として残すことができました。」
こちらは実際書いていたコメントです。
焼けた夕空と我が子を撮りたくなるのはカメラ好きの親なら通る道ではないでしょうか。私もその一人でした。
でも普通に撮ろうとしても絵になるような雰囲気ではなく、近くを見渡して水たまりに映る空と撮影しようと考えました。水たまりを見てパッと構図が浮かんだので。
この横顔は私のお気に入り。無垢で可愛い、少し見える反対側のまつ毛も可愛い。
頑張って結んであげた髪型も雰囲気良し。
そしてこの写真のような表情は娘が1歳の頃から好きでした。
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遠くを見つめる表情、この時以来ずっと私のお気に入りです。
そして今回周囲から好評だった星空みたいな部分はアスファルトの模様です。
最初は全部消して完璧なリフレクションにしようと思いました。でもあまりにも多くてやめたら、何だか星みたいでいいなぁと思えて残したんです。
その結果、写真自体は一枚撮りですが夕空から夜空への移ろいに見えるような一枚になりました。
私は美術が得意でした。絵を描くこと、工作をすること・・・
でもどれも見たままを再現するのではなく、頭で思い描いて形にする方が得意でした。写真でもそれは同じ・・・「描いたものを写す」それが私の写真です。
その一枚を多くの写真の中から選んでいただき、感謝しかありません。
とても大きな自信に繋がりました。
あれだけ私には無理だと思っていたプリントさえも世の中に通用するんだと知ることができました。
これからは副賞でいただけるZ8を使い、私なりの表現で作品を出していきたいと思います。
ニッコールフォトコンテストグランプリの副賞で頂いたZ8で、これから大人へと歩む子ども達を新しい見方で写してこれからの写真の在り方を切り拓く。
まるで第二の人生みたいで素敵じゃないか。
その相方をZ8で共に歩みたい。
私にこのような大きな賞をくださったNikonへまた写真で感謝を伝えていけたらと・・・そう思っているので頑張ります。
私の写真はいつだって誰かへの感謝の上で成り立っている。
もちろん一番は家族、私のもとに生まれてくれた愛おしい子ども達。