大人の塗り絵「ROMANTIC COUNTRY」について
こんにちはイラストレーターのEriyです。
今回は、大人の塗り絵「Romantic Country」の原案について書きたいと思います。
「Romantic Country」シリーズは私の初めての塗り絵ブックで、グラフィック社さんから出版しています。シリーズは全3巻。
私の空想の国「COCOT」をテーマにした塗り絵ブックです。
日本だけではなく、アメリカ・韓国・台湾・フランス語で翻訳されています。
この物語は、大学2年生のころの絵本の授業で制作したものです。実は最近この本をAmazonで無料ダウンロードできるようにしてみたので、よかったら読んでみてくださいね！ずいぶん昔に描いたものなのでちょっと恥ずかしいですが…！
ダウンロードはこちらからどうぞ
完全無料です。
COCOTの原案
物語の始まりは、こんなシーンから。このイラストを描く少し前に、主線をつまようじを使って描き始めました。
このときにゼミの先生から、線をほめてもらって、それが嬉しくて、そこからずっとつまようじでイラストを描いています。
その先生に会っていなかったら、イラストレーターにはなっていなかったと思います。それくらい私の人生の中で大切な出会いでした。
これはCOCOT全体の地図です。もし、手元に大人の塗り絵「Romantic Country」があったら見比べてみてくださいね。
マグレイユ城や、ヨーギュストの森はこのころからありますが、がらりと設定を変えたものもあります。
COCOTについて
今でこそ、海外旅行大好き！な私ですが、この本を作っているときには海外に行ったことがありませんでした。
でもヨーロッパ、特にフランスにすごく憧れていて、頭の中で空想していたんです。理想のフランスを。それがどんどん広がっていって、気がついたら空想の国、COCOTが生まれていました。
アヒルのジョゼというキャラクターについて
実は最初の段階では、ジョゼはいない設定で絵本を作っていました。でも、最初に先生に見てもらったときに「主人公がいた方がいい。主人公がいた方が読者に愛される本になるんだよ。」と言われて作ったのがジョゼです。
人間を主人公にするのは、なんだか違う気がして、じゃあ動物がいいかなと思ってアヒルのキャラクターにしました。
なぜアヒルかというと、実は当時動物を描くのがとっても苦手で、唯一描けそうだなと思ったのがアヒルだったんです。ものすごく単純な理由でジョゼが生まれました。
ジョゼの名前は、当時私が受けていたフランス語の授業で使っていた名前をもじってつけました。すごくユニークな先生で、新学期まずフランス語の名前がずらっと書かれた紙を渡されて、その中から自分の名前を選ぶんです。出席はもちろん、テストもその名前で受けなくてはなりません。
私が選んだ名前は、ジョゼット。素敵な名前でしょう？この名前を短縮して命名しました。ちなみに、クラスで一番人気のあった名前はイボンヌでした。
テキストについて
私が目指している理想の文章は「ちょっと昔の翻訳本」です。子供のころ読んでもらった海外の絵本のような言い回しで、散文のような詩のようなイメージ。原案の本ではそんな思いが全面に出ていますね。だから、ちょっと伝わらないところがあるかもしれません。
塗り絵の「Romantic Country」でも絵の解説を入れているのですが、文章は担当さんと相談しながらなるべく伝わりやすい表現に直しています。
色について
この作品を描いていた頃、自分自身がイラストに色をつけることに抵抗がありました。色の情報はとても強いので、見てくれた人の想像力を奪ってしまうなと思っていたんです。見てくれた人が頭の中で色を想像して、自分だけのCOCOTの世界を作り出して欲しかったんです。だから、基本的には茶色い線画のみで、ときどき、そこにきっかけになるような差し色を入れた絵を描いていました。まさかそれが大人の塗り絵につながるなんて夢にも思っていませんでした。
大人の塗り絵「Romantic Country」シリーズ
この原案が元になって生まれたのが、私の最初の塗り絵のシリーズ、Romantic Countryです。アヒルのジョゼの他に、エレナという人間のキャラクターを作りました。エレナは原案の1ページ目にいる女の子のイメージを膨らませて描いたキャラクターです。現在は日本だけではなく、世界中の塗り絵愛好家の方に楽しんでいただいています。とても嬉しいです。いつも応援してくださっているみなさん本当にありがとうございます。
いつかこのシリーズについての記事も書きたいと思っています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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