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「書く」という日常―くどうれいん『虎のたましい人魚の涙』

私は、だいたい仕事机か、ベッドの上で本を読みます。ですが、ときどき「ここじゃない!」と、違う場所で読むことを促す本があります。今回の読んだ、くどうれいんさんの『虎のたましい人魚の涙』もそんな本のひとつでした。

■『虎のたましい人魚の涙』

□くどうれいん著
□講談社
□2022年9月
□1400円+tax

たしかコチラは浅生鴨さんがご自分の書店での過ごし方を紹介するInstagramの動画で手に取っていらっしゃった本です。

くどうれいんさんは、短歌、俳句、小説、エッセイとさまざまに「書く人」。私が今回読んだ『虎のたましい人魚の涙』は彼女の3冊目のエッセイです。

■冬の空の下で読む

先ほど、本書を「部屋とは違う場所で読むことを促す本」と書きました。正確には、お部屋とは空気の密度が違う場所で読むと文章から受け取るものがより細やかに、ぷにっと強めになる本です。

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