いきなり破裂音
私は風船が苦手だ。
子供の頃からそうだった。
風船は、いきなり割れて、物凄い破裂音で私をビビらせる。
あんなカラフルで可愛らしい出で立ちをしているのに、とんだドッキリを仕掛けてくる風船が、私は怖くて怖くて仕方がなかった。
保育園の時、風船をポンポンさせて皆と遊ぶ和には、断固として入らなかった。
すみっこでビクビクしている私に、先生が、
「かなちゃんもおいで、楽しいよ~!」
と、誘ってきたが、私にはそれが悪魔の誘いにしか思えなかったのだ。
それは大人になっても変わらなかった。
子供を連れてどこかのテーマパークへといくと、決まって着ぐるみが子供に風船を渡そうとしてくる。
子供は大喜びだが、私は、
「ありがとうございます~!」
と言いながら、内心、うっわ~爆弾もらっちゃったよぉ~。なんて罰当たりなことを思っていた。
風船は、いきなり爆ぜる。
こちらの心の準備も無いままに、パン!! と大きな破裂音で爆ぜるのだ。
こんなの、罰ゲームとしかいいようがない。
私の心臓は、物凄い衝撃でバクバクするのだから。
風船だけじゃない。
いきなり大きく吠える犬も、怖い。
いきなりクラクションを鳴らす電車も、怖い。
とにかく、心の準備なしで、大きな破裂音が苦手なのだ。
アニメやドラマなどで、誕生日のお祝いサプライズによくある、主人公が家に帰った瞬間、
「パン! パン!」
と、クラッカーをはじけさせて、
「おめでと~う!」
というシーンがある。
あれ、もしも私がやられたら、驚きのあまりに「びっくりしたな! コノヤロウ!」
と、喜ぶどころか怒ってしまうと思うのだ。
そんな具合で、私は不意の破裂音がとっても苦手なのだ。
サプライズのクラッカーも、大嫌いだ。
だが、これは違う。
今日、昼休みにnote様から届いたクラッカーの通知。あの、神出鬼没なクラッカーの画像だ。
あのクラッカーなら、大好きだ。
好きすぎて、抱きしめられるものなら抱きしめたい。
あのクラッカーは、画像がパッカーンとしているだけで、破裂音がしない。
なので、私は代わりに言ってみる。
「パッカーン!!」
大きな破裂音っぽく言うのだ。
自分が発する破裂音なら、心の準備が出来ている。怖いものなんて、何もない。
ただただ、嬉しくて、幸せなのだ。
読んでいただいた方々、好きしてくれた方々、ありがとうございます。
抱きしめられるものなら、抱きしめたいです。
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