10_How to Toilet
私は自分自身が和式トイレを使えるようになったきっかけを覚えていません。思い出せる限り最後の記憶ではまだ保育園にいた頃には普通に使えていて、親を含めて誰かと同伴した記憶もほぼ無い。
でも長女が小学校に通う前の年までには、トイレトレーニングを済ませる必要があった。入学予定の小学校はもちろん、依然として和式トイレは多いし、何より私が和式トイレ推しだからっていうのもある。
洋式トイレは自宅にあったので、催して、座らせて。のサイクルであまりつまづくことは無かった気がしたけど、和式については洋式と比べて難易度が跳ね上がりる。体を支えながら、お腹に力を入れて、お尻に力を入れて絞り出さなくてはいけないから。
初めは、お風呂でしゃがんでおしっこをする練習をしたり、しゃがむ練習をしたり。外出時は同伴しても狭すぎない公衆トイレやショッピングモール(私の実家は洋式も和式も両方あってその点便利だった)に週一、週二で通い、実地訓練を行った。
おしっこをするのに慣れるの早かったけど、やはりうんちは強敵だった。まず娘が催すタイミングを見計らって和式トイレに居ないといけなかった。(自宅で新聞紙を引いてそこにしてもらうのも考えたが気が引けてやめた。)基本的に娘と和式トイレに同伴して私は応援する感じ。だめだったら洋式トイレで出してもらう。
たまに娘が済んだあとに私もおしっこをした。
そんなことを繰り返していて数週間、やっと踏ん張ることを覚えた。和式トレーニングを初めて一ヶ月を迎えようとするころ、いつもの段の高くなっている和式トイレで後ろから拝見すると、一生懸命にお尻をひくひくと動かしている。がんばれ!がんばれ!ついにうんちが頭をのぞかせてきた。あと一息、お腹をさすってあげたりしてるとにゅるっとモンキーバナナのようなかわいいうんちが出てきた。
すごい!よく頑張った、公衆トイレで2人でばかみたいに喜んだことを覚えてる。
次でトイレに個室まで同伴するのは最後の日、いつもの和式トイレで娘は完全に脱いでだしてお尻を拭くまでを成し遂げてみせた。もう教えることは何もない、ウンチングスタイル皆伝だと思った。さて、今日は私もうんちしよう。
私は一日三回、食後必ず催す体質にもかかわらず、その日は毎朝あるはずのお通じを忙しさにかまけて我慢したつけが昼食後のタイミングで来て、すかしっ屁も止まらないくらい便意が爆発しそうになっていました。娘のおトイレ監督をしている最中も下っ腹の奥がむぎゅぎゅぎゅぎゅ!と音を立てて家まで我慢できないことは明白で、家に帰って洋式を詰まらせることを気にして中途半端に途中で流して済ませるより、目の前の和式トイレで一気に出した方が気持ち良いのは経験則として火を見るより明らかでした。
娘と入れ替わるように今度は監督笑の私がお尻を丸出しにして和式便器に跨ると、(姪っ子の目の前で大きい方をしてから10年近くぶりのシチュエーション。。。)まずはおしっこを済ませます、ここまでは娘からしたらいつもの光景。
おしっこの滴がちょぼ、ちょぼと落ち切ったところで、うんちタイムの始まりです。いつもならトイレットペーパーに伸びるはずの手は握り拳で膝の上にすると同時にお尻がグッと持ち上がります。おしっこする時に下をむいていた時と違い後ろからは穴という穴も茂みも全て丸見えになります。
和式でのこの前傾姿勢が一番お腹とお尻に力が入る快便姿勢なのです。まだお尻には力を入れずに腹筋をぐっと締めると大腸から直腸に繋がったうんちがお尻でつっかえてむずむずしているのがわかります。歯磨き粉のチューブを出口に集めるような感じ。ブッとたまらず何度か屁をこくと、ついにお尻に力を入れて出口を緩めていきます。
「メリメリメリメリ…」実が出るたまらん感覚。一日の中でも一番臭くて量が多い朝のうんち。それが昼をだいぶ過ぎた今の今までおなかの中で熟成してガスの発生源になっていましたが、とうとうお尻から出て来ます。股から覗き込むと極太の筆で線を書いたような長い一本を出し終えると、連結した長いうんちは直腸より先の大腸からも引きずり出てくるような感触にううううううん!という声が自然と口から漏れてしまいます。恥ずかしいのに嬉しい、もっともっと気張って出したい。もりもりうんちが出てくるところを見てほしい。変態的な思いに比例するようにさらに何本か出てきました。
お尻をふいて立ち上がると、娘が目をまん丸にした娘が、
「ママもうんちするんだ、すごいいっぱい出てきた」と言い、出したばかりの私のうんちを不思議そうに見ていました。ママいっぱい食べるでしょ、だからうんちもいっぱい出るんだよと教えてうんちにバイバイと言って流しました。
娘と親子一緒に全力で踏ん張った忘れられないトイレトレーニング最終日の話でした。