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ついに映画『ミッドサマー』を観た
少し前に、こんなことを書いた。
「悩んでいる」とはいいつつも、これは見るやつだなと思っていた。その通り、ディレクターズカット版を観た。3時間。終わってみると体感はあっという間だったけど、まだ明るい15時くらいから観始めて、終わったら部屋は真っ暗になっていた。
完全にネタバレせずに感想を書ける気がしないので、回避したい人はぜひここでUターンを。
少しずつ追い詰められる
「観終わった後にぐったりする度」でいえば、韓国ドラマの『イカゲーム』のほうが高い。ミッドサマーは爽やかで映像が美しいシーンも多いので、ずっと歯を食いしばっていることはなかった。ただ、少しずつ幻覚を見ているような、追い詰められていくような感じがした。
映像の独特な撮り方も印象に残っている。画面を反転させたり、ぐるぐる回ったり。私は三半規管が弱いのでちょっと酔いそうになってそれで挫折しかけたけど(そこ?)、その違和感がよく効いていて、「一体これから何が行われるんだろう?」という恐怖心を煽られた。常に不協和音のような音がしているのも怖いポイントだった。
考える余地のある映画
これは一体、どんな映画なんだろう?ということを考えていた。新しい居場所を求める話にも見えるし、「文化を穢してはならない」という警告であるようにも見える。好きに解釈できる余地があるのが面白いところ。
異質なものはいつだって異様に見える。知らない、理解できないことには恐怖に感じる。でもマジョリティー側がマイノリティーのやっていることを「それはおかしい」と一方的に非難し、自分たちのやり方に変えさせるのは違うだろう。
スウェーデンの夏至はほぼ一日中太陽が沈まない。この村では信じるものを迷いなく、これからも続けていくということを示唆しているように思えた。
最後に一言。散々カラフルなお花で恐怖を植え付けておいて、エンドロールで役者やスタッフの名前に花咲かせるんじゃないよ!それさえも怖く見えるよ!好きだよ!