絵本のチカラ
ペネロペ絵本原画展に行ってきた。
蓼科テディベア美術館(長野県)のとなりにある「森の美術館」で開催中の展示である。
↓蓼科テディベア美術館に行ったときのはなし
テディベア美術館よりは小さめな建物だが、入口にあるでかでかとしたペネロペの広告(?)が目に入ってくる。
ペネロペ絵本原画展
きょうはなにするの?ペネロペ
絵本原画展と書いてあり、原画……?と内心驚く。
原画ってことは本物ってことだよね?
作者が描いたイラストが見られるってこと?
えぇ!!!びっくり。
ペネロペは3才の小さな女の子だ。青い体と赤い鼻が特徴のコアラで、うっかりやさん。幼稚園児。
ウィキペディアには、「体色が青であるが、これは作者が男女振り分けされにくい中性的なキャラクター設定をするように心がけたためである」とあった。なるほど。
ペネロペの名前と見た目は知っていたものの、正直詳しくはなく、アニメもあまり見たことがなかった。でも、なんだかとても原画を見てみたいと思った。
館内に入って右手の壁には、さらにでかでかとしたペネロペのイラストがあり、おぉ〜でかい、と少し圧倒された。並んだパネルに原画が展示されていて、一枚一枚鑑賞していく。
な、なんだこれは。かわいすぎる!!
テディベア美術館に続いて、わたしはかわいいを連呼しまくった。
小さなペネロペがちょこちょこ動く様子。
ペネロペの弟妹。
ペネロペのお父さん。
ペネロペの友だち。
すべてがぱきっと鮮やかな配色で描かれていて、きれいだ。丸みのあるそれぞれのキャラクターもやさしい。キャラクターの目が、如実にそのときの感情を表している。
ペネロペってこんなにかわいらしい絵本だったの?わたしは驚きと嬉しさで興奮していた。
小さなペネロペよりもさらに小さい、弟と妹が可愛らしい。ひときわ気に入った。
数枚の原画には、文字と試し塗りした色見本が残っていて、うわぁ。こういう風に描かれたのかと感動ものだった。本当に本物なんだ。作者がこの紙を前にして描いていたんだ。時を遡るかのような想像をすると、その貴重さに胸が高鳴った。
原画以外に、館内には大きなペネロペが座っていて、わたしは一緒に写真を撮った。
グッズを見ていると、原画展示の中にあった絵本を見つけた。わたしが気になっているふたごとペネロペのお話だ。どうしても欲しくなってしまい、あ〜どうしよう!!と立ち止まってしまった。夫には申し訳ないが、何分か分からない時間をそこで過ごした。(その時間は他のお客さんがいなかったのでセーフ)
どうしよう!かわいい!読んでみたい!でも!あ〜!どうしよう!
思考を巡らせて巡らせて、ここで出会ったのも何かの縁。とお会計へ向かった。
家に帰り、ひとことひとこと読んでいく。
原画で見たイラストが絵本の1ページになっていて、見てきたやつだ〜と嬉しくなった。
こんな展開なのか、と作者の発想に驚かされる。
そっか。なんだ。どこかが腑に落ちた。
内容を詳しく言っていいのか分からないので、わたしのお気に入りのページだけ言っておく。
ハトを追いかけるふたご。
ポニーに乗るふたご。
目がしょぼくれて見えるページ。
これらが特に好きである。
あまり知らなかったペネロペ。読んだことのなかったペネロペ。
わたしはこの原画展で魅了され、みんなに愛される絵本のチカラを思い知った。
わ〜こんな展開なのか。かわいい。おもしろい。
様々な感情を引き出す絵本を、おはなしとイラストの素晴らしさを、わずかながら知れたように思う。