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Photo by
kosuketsubota
とろ日記(7/25涙)
「朝、目が覚めると泣いていた」
一大ブームとなった『世界の中心で、愛を叫ぶ』。
小説の冒頭でも、映画やドラマの中でも言っていたセリフ。
まだ幼かったわたしはそんな経験をしたことがなく、「寝てるときに泣いてることってあるの?」と不思議に思っていた。
大人になって、死んだおばあちゃんが夢に出て来たとき、わたしは泣いていた。涙が目尻の線をたどっていて、びっくりした。夢の中だとしても、会えた嬉しさ。夢だと分かっている悲しさ。
「これかぁ」
セカチューの主人公の気持ちが分かったような気がした。
今日は久しぶりにおばあちゃんの夢を見た。
介護ベットを使っていたおばあちゃん。「この角度がいいから覚えておいて」と言い、リモコン操作をして好みの背もたれの角度を教えてくれていた。
「いつものこの角度はだめ、この角度がいいの」
表情とともに訴えかけてくるおばあちゃんは、顔芸をしているみたいだった。
現実では言われたことがなかったし、夢の中の祖母はハキハキと喋っていた。
すると、突然しんみりした場面に変わり、夢の中のわたしは祖母との別れを感じ取って泣き出していた。目には大粒の涙がたまってきているのに、なかなか落ちない。親族が廊下をどたどたと歩いてくる音が聞こえて、わたしはみんなの足元が視界に入ると、はやく涙をこぼさないと。泣かないと、と目をぱちぱちさせていた。
涙を見られるのが嫌だったのか。
祖母がいなくなる悲しさを伝えたかったのか。
泣いているわたしを見てほしかったのか。
涙を流しきる前にわたしは起きた。胸がしんみりしている。夢の中のわたしは、同情してほしかったのかなぁ。計算高い女みたい。
わたしは嫌なやつだろうけれど、久しぶりのおばあちゃんは、やっぱりかわいかった。
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