まだ知らぬ自分
なんでこんなにムッとしたんだろう。医院からの帰り道に思った。
原因を知るために自分を客観的に見て、じっくり見つめ直しながら歩いた。そうか、わたしはこう思っていたのか。自分も知らなかった自分のことに、少し気づけた。
日が落ち、窓の外が青暗くなった時間帯に、わたしは医院での診療を受け終えた。どうしても確認したいことがひとつあったので、お会計のときに、ああでこうでこうなって……とスタッフの方に軽く経緯を説明してから尋ねてみた。
同年代に見えるスタッフの方は経緯を理解してくれて、親切な対応をしてくださっていたが、わたしはその方の返答の仕方に終始引っかかるものを感じていた。いかんいかん、平常心平常心と意識していたのだけれど、
「先生に聞いてくるねっ!」との言葉が引き金となり、感情の膜を破って過激派のわたしが飛び出してきてしまった。
聞いてくるねってなんだよ。聞いてくるねって。
小学生が「お母さんに聞いてくるねっ」って言ってるわけじゃないんやで!?あぁん!?
わたしはムムムッを抑えることができず、大人げなく顔に表してしまった。(反省)
医療系の場所へ行くと、スタッフにタメ口を使われることがある。勿論わたしにだけではないし、お年寄りにあえてタメ口を使っていることの延長だったり、威圧感を与えないためだったりと、理由があるからだって分かっている。
頭では理解していても、心がついていかないそんなとき。ずばり、自分に余裕がないときである。
普段なら怒らないことにイラッときてしまうときは、さては余裕がないんだな〜わたし〜、と一種のバロメーターになる。
加えて、余裕がないときに癪に障ることが、いつも自分が我慢していることであり、自分の本心に近い考え方なのかもしれない、と少し思った。
わたしだって、人に失礼なことを言ったり・してるだろうに、意外と礼儀に関して厳しいんだなーと、気づいていなかった自分の考え(思想?)に触れた。
過去を遡ってみると、わたしが働いているころ仕事相手(会ったことはない)に電話をかけ、向こうがタメ口で話してきたときに、めちゃくちゃ腹が立っていた事例があった。昔からタメ口苦手じゃん。
わたしは体育会系じゃなくて、むしろ文化系だと思っていたのに、どっちかというと敬語大事!バリバリ上下関係あり!立場を弁えろ!みたいなタイプだったのかぁ〜。ガッツリ体育会系じゃん。
冷えた空気がわたしの頭を冷静にさせて、自分の発見がおもしろくなった。