見出し画像

とろ日記(スリースリー)


 どうしても甘いものが食べたくなって、夜の散歩をしたときのこと。


わたしはどら焼き。夫はプリンを選んだ。
どら焼きには値引きシールが貼られていて、わたしは(やりぃ)と思った。
いつも値段と、わたしはこれが食べたい!という欲を天秤にかけて決めることが多いから、わたしの〈需要〉と値引きの〈供給〉が一致しているときは嬉しくなる。
だけど、値段の計算はしない。値段を気にかけ、値引きシールが貼ってあるものを選んだとしてもだ。だいたいこのくらいかな〜ぐらい。レジに行くまで、正確な支払い金額は分からない。


その日のレジには333の表示。

あ。数字が揃っている。と思った。特にこの日のお会計は気にしていなかったから、揃った数字に不意に出くわしてびっくりした。

「ねえねえ。333だよ。揃ってる!」

お会計をしながら夫に話しかけた。夫は「そうだねぇ」くらいで、数字が揃うということにあまり喜びがないみたいだった。
わたしだってパチンコをやったことはないし、数字が揃うことで利益を得た経験はないはず。
数字が揃っているっていうと、
子どもの頃に再放送していた『銀河鉄道999』が浮かんでくるくらいなのに。どうして数字が揃うと嬉しくなるんだろう。



考えてみると、数字に限らず何事に対しても喜ぼうと思えば喜べるだろうし、人は何かの意味を見出すことができるってことなのかなぁと思う。
 わたしは踏切に引っ掛からなかったり、欲しいものがラスイチだったりすると「ラッキー!いいことある〜」とか「これはわたしが買うべきなんだ!」とか良いように解釈してしまう。




いつもは起きていないように感じられる、普通よりもほんの少し珍しいこと。
見つけただけで簡単に嬉しくなれるなら、どんどん見つけたいし、わたしはチョロい女のままでいいと思った。




もしサポートいただけたら、部屋の中でものすごく喜びます。やったーって声に出します。電車賃かおやつ代にさせていただきます。