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とろ日記(9/7夢)


 二度寝したときなどに、よく夢をみる。
近頃は、覚えている限りを日記として書き残している。
ネットで「夢日記は良くない」という記事をみかけたこともあるが、自分にとってはいいことのような気がしている。ただただ、おもしろいのだ。
夢は夢だから、現実ではあり得ない突拍子もないことが起こる。なんなんだこの夢は、という不思議さもあるから、跡形もなく消えていくのが惜しいような、そんな気持ちになる。



 気づいたら、わたしはどこかの建物の中にいた。
広々としていて、日本家屋ではない雰囲気がある。どちらかというと、中華風のような。
和室なら、床の間があるだろう最奥に、赤色の手すりが見えた。夢では手すりと思っていても、形はガードレールみたいなものだった。旅行をすると、イチョウやりんご、自転車にかたどられたガードレールを見ることがあるのだが、そんな感じで、扇の骨組みのような形があった。


 他の部屋は覚えていない。部屋のことを気にするよりも、わたしはあることでバタバタしていた。
なんと、これから稲垣吾郎さんがここに来て、わたしたち(他にも人がいた)は会えるというのだ。



ここでサイン会のようなものをするらしく、わたし以外の人たちは事前に情報を得てこの建物に集まってきていた。わたしは知らずに居合わせたようだ。なんと幸運なことだろう。
 わたしは特別だれかのファンというわけではないが、芸能人に会えるなら会いたいという、ミーハーなところがある。


夢の中のわたしも「わ〜すごい!」と興奮し、そして会えるならファンレターを書かなきゃと、自分の常識によって焦っていた。

気づくと、違う部屋の机の前に座り、即興で手紙を書こうとしていた。無駄なく、1枚に書き記す!と
頭の中で伝えたいことをまとめる。
さあ、書こう。はやく書かねば、間に合わぬ。
稲垣吾郎さんがやってきてしまう。
わたしは縦に3行ほど書いて机から頭を起こし、途中経過として文字を見直した。
(うんうん。うまく書けている)
そう思ったとき、気づいてしまった。


便箋の上下に、横向きの絵柄が入っている…。よく見ると、横線も入っているじゃないか!


わたしはまた焦りだした。
横書きの便箋に縦書きするって、変じゃない?
変だよね!?うわっ、書き直さなきゃ。


わたわたしていると、後ろのほうから「稲垣吾郎さんが来たっ!」という黄色い声が聞こえてきた。
書き直さなきゃ!ファンレターがなきゃ!
でも!間に合わない!
あああ…。


……そう思っていたら、目が覚めた。



 もし起きていなかったとしたら、わたしは稲垣吾郎さんと会えていたのだろうか?
手紙を用意できていなかったから、やっぱり会えていなかった?
夢の結末は、夢の中でしか知りえない。



 わたしが横線を無視して書いた縦書きの文字は力強くて、渾身の出来だったことだけはハッキリしている。





もしサポートいただけたら、部屋の中でものすごく喜びます。やったーって声に出します。電車賃かおやつ代にさせていただきます。